オーバーローンとなっている不動産の財産分与について
オーバーローンとなっている連帯債務の不動産について、離婚後、不動産の持分を片方の債務者に統一する調停(不成立)、審判を申し立てた。
裁判所にて、片方の債務者に所有権を統一する旨の審判がくだった場合、財産分与の一環と見なされるのか、それとも財産分与とは見なされず贈与税の対象となるのか。
審判で一方に所有権を統一されるのであれば、離婚に伴う財産分与ですので、原則として贈与税はかかりません。相続税法基本通達9-8で、財産分与により取得した財産は贈与によるものとしない、と整理されています。協議でも調停でも審判でも扱いは同じです。
例外は、分与された額が夫婦の協力で得た財産から見て明らかに過大な場合のその過大部分と、離婚自体が税を免れるために行われたと認められる場合です。オーバーローンで純資産がマイナスという状況で過大と言われる余地は、まずないと思います。ここはご心配なさらなくて大丈夫です。
むしろ実務で問題になりやすいのは別の3点で、こちらのほうが重いように思います。
ひとつは渡す側の譲渡所得です。財産分与で不動産を移すと、そのときの時価で譲渡があったものとして扱われます(所得税基本通達33-1の4)。オーバーローンなら通常は譲渡損になって税金は出ませんが、土地の取得費が古くて低い場合には課税されることもあります。念のため試算しておかれると安心です。離婚成立後の分与であれば、居住用財産の3,000万円控除が使える場面もあります。
ふたつめ、これが一番の山だと思うのですが、連帯債務です。所有権を一方に寄せても、銀行に対する連帯債務はそれだけでは消えません。免責的債務引受には銀行の承諾が必要で、銀行は審判に従う義務がないためです。承諾が取れないと、登記だけ移って債務は連帯のまま残るという、一番避けたい状態になりかねません。審判の前後で銀行とお話をしておかれることをおすすめします。
みっつめは流通税です。登録免許税と不動産取得税がかかります。財産分与の不動産取得税の扱いは都道府県で整理が違いますので、事前に県税事務所へ照会されると確実です。住宅ローン控除も、住まなくなった側は終了、引き受けた側は自分の借入かどうかで決まります。
審判書の文言が固まった段階で、譲渡所得の試算と債務の整理を並べてご覧になると、判断がしやすくなると思います。
- 回答日:2026/08/21
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ご質問のケースでは、審判によって一方に所有権を統一する場合、それが離婚に伴う財産分与として行われるものであれば、原則として贈与税の対象にはならないと考えられます。財産分与によって取得した財産については、通常は贈与を受けたものとは扱われないのが一般的な考え方です。
もっとも、いくつか留意点があります。
まず、オーバーローンの不動産、つまり住宅ローン残高が不動産の時価を上回っている場合は、そもそも分与すべきプラスの財産価値が乏しいと評価されることもあり、個々の事情によって考え方が分かれます。
また、財産分与の名目であっても、分与された内容が婚姻中の財産や離婚の事情から見て明らかに過大と認められる場合や、贈与税・相続税を免れる目的と認められる場合には、贈与とみなされることがあります。
あわせて、財産を渡す側に譲渡所得税が生じる可能性や、連帯債務の取扱いも論点となります。個別の事情で結論が変わりますので、税理士または所轄の税務署にご相談ください。
- 回答日:2026/08/20
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回答した税理士
税理士法人クラウドパートナーズ - CloudPartnersGroup -
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 4840), 公認会計士(登録番号: 28575), 社労士(登録番号: 13190554), 中小企業診断士(登録番号: 424441), その他
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