確定拠出年金 受取金額への税金
60歳定年退職して退職金受取済み、企業型確定拠出年金には継続加入していますが、今般企業型確定拠出根金制度廃止にともない、どのケースが税務上有利となるが教えてください。なお、60歳退職後に転職して現在62歳、転職先に企業型DC制度はありません。
①企業型DC制度廃止にともない一時金にて受け取り
②企業型DC制度廃止にともない年金形式にて受け取り
③企業型DC制度廃止にともないiDeCoへ移行して、70歳時一時金にて受け取り
④企業型DC制度廃止にともないiDeCoへ移行して、70歳時年金形式にて受け取り
まず確認しておきたいのが、60歳で受け取られた退職金の影響です。ここが今回の有利不利をほぼ決めてしまいます。
DCの老齢給付金を一時金で受け取る場合、その前年以前19年内に他の退職手当等を受け取っていると、DCの加入期間のうち前の退職金の勤続期間と重なる部分は、退職所得控除の計算から外れます。60歳で退職金を受け取られていて、企業型DCの加入期間がその在職期間と重なっているのであれば、①でも③でも退職所得控除はあまり残らないことになります。70歳まで延ばされても19年内に収まりますので、時期をずらしても状況は変わりにくいところです。
つまり「退職所得控除が使えるから一時金が有利」という前提が、今回は当てはまりにくいということです。ここを踏まえて比べていくことになります。
そうなると、一時金の2分の1課税と、年金形式の公的年金等控除のどちらが効くかという比較になります。
金額がそれほど大きくないのであれば、②④の年金形式が有利になりやすいです。公的年金等控除は65歳以上なら最低110万円ありますので、公的年金と合わせて枠に収まる範囲で受け取られれば、税負担はほとんど出ません。逆に金額が大きいと公的年金と合算されて所得が膨らみ、住民税や国民健康保険料、医療費の窓口負担割合まで動いてきます。所得税だけを見ていると見落としやすいところです。
金額が大きい場合は、退職所得控除がゼロでも一時金の2分の1課税のほうが軽くなることがあります。分離課税で他の所得と合算されないという点も効いてきます。
iDeCoへの移行は、税というより運用を続けたいかどうかでお考えになるとよいと思います。運用益を非課税で回せるのは大きい一方、口座管理手数料が毎月かかりますし、受取時の課税関係は①②と変わりません。62歳で会社員として第2号被保険者であれば加入できますので、選択肢としては取れます。
なお令和8年1月から、先にDC一時金を受け取ってから退職手当等を受け取る場合の調整期間が5年から10年に延びました。今回は退職金が先ですので、この改正の影響は受けません。順番が逆のケースと混同されやすいところなので、あわせてお伝えしておきます。
ご判断には、DCの残高、公的年金の受給見込み額と受給開始時期、60歳のときの退職金の額と勤続年数、企業型DCの加入期間、この4つの数字が必要になります。これが揃えば、4案の手取りを並べてお出しできます。
- 回答日:2026/08/21
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丁寧にご説明いただき有難うございます。ご案内頂いた4つの数字につきご報告しますので、4案の税務上メリデメにつきご教授願います。
・DC残高 1,308万円
・企業型DC加入者資格取得日 2005年4月1日 喪失日2024年4月1日
・公的年金受給見込 65歳受取282万円 70歳繰下401万円
・60歳時退職金 支給額2,173万円 受取額1,855万円 勤続37年投稿日:2026/08/31
確定拠出年金の受け取り方による税負担は、他の退職金の受取時期や公的年金の状況などにより変わりますので、一概にどれが有利とは言い切れませんが、判断の分かれ目となる考え方をご説明します。
一時金で受け取る場合は退職所得として扱われ、退職所得控除が適用されます。ただし、この控除は勤続年数や加入年数に応じて計算され、また過去に受け取った退職金との受け取り間隔によって、控除枠が重複調整される仕組みがあります。今回のように60歳で退職金を受け取り済みの場合、その時期とDCの一時金受取時期の間隔によって、控除が十分に使えるかが変わってきます。この点が①③を比較するうえで重要な論点です。
年金形式で受け取る場合は雑所得(公的年金等)として扱われ、公的年金等控除の対象となります。他の公的年金と合算される点にご留意ください。
受取時期をずらすiDeCo移行では、運用期間の延長や控除の調整具合が結果に影響します。
有利不利は個別の金額と時期の試算が必要ですので、具体的な数字をもとに税理士または所轄の税務署にご相談されることをお勧めします。
- 回答日:2026/08/20
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回答した税理士
税理士法人クラウドパートナーズ - CloudPartnersGroup -
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 4840), 公認会計士(登録番号: 28575), 社労士(登録番号: 13190554), 中小企業診断士(登録番号: 424441), その他
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