役員貸付金と未払役員報酬(同一人)の相殺をした場合の債務免除益の扱い
- 投稿日:2026/09/14
- 相続・事業承継・M&A
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設立12年目の経営コンサルティング株式会社を売却希望ですが、上記の件について確認したくご連絡致しました。
同一人に対する役員貸付金(会社の債権)と未払役員報酬(会社の債務)を対当額で相殺する場合、債権・債務の清算(弁済)にあたるため、法人側に債務免除益は発生しません。
1. 相殺処理における基本取扱い(国税庁HP)
対等額での相殺: 確定した役員報酬債務と役員貸付金債権を同額で相殺する場合、単なる債務の弁済手続となるため、益金(債務免除益)にも損金にも該当しません。
源泉徴収の義務: 未払役員報酬と貸付金を相殺した場合であっても、報酬の支払(弁済)があったものとみなされるため、会社側には通常の給与同様に所得税等の源泉徴収義務が発生します。
2. 放棄・免除が生じる場合の取扱い(国税庁タックスアンサー・通達)
会社が役員貸付金を免除・放棄した場合(タックスアンサー No.5202)
法人が役員に対して有する債権(貸付金)を一方的に放棄または免除した額は、役員に対する「経済的利益の供与」として給与(賞与)課税の対象となります。法人税上は損金不認容(事前確定届出給与等に該当しないため)となり、源泉徴収も必要です。
役員が未払役員報酬を自ら放棄した場合(所得税基本通達36-9等)
役員個人が未払役員報酬の受領を放棄(会社側の債務を免除)した場合、会社側には債務免除益(益金)が計上されます。ただし、未払報酬は権利確定時点で役員個人の給与所得とみなされるため、役員側の所得税課税および会社側の源泉徴収義務は原則として発生します。
3. 相殺にあたっての税務上の注意点
定期同額給与の要件: 相殺の対象となる未払役員報酬が、法人税法第34条に規定する定期同額給与等の要件を満たして適正に決議・計上されている必要があります。
貸付金の認定利息(タックスアンサー No.2606 / No.5202)
相殺前の役員貸付金について無利息または低利で貸し付けていた場合、適正利率との差額は役員への給与として経済的利益の課税対象となります。
会社売却(M&A)に向けた貸付金の解消目的で相殺を行う際は、相殺対象の未払報酬の源泉徴収漏れや、認定利息の計上漏れがないかをあわせて確認することが重要です。
- 回答日:2026/09/16
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