法人成り時に個人所有のWebサイト・コンテンツを法人へ譲渡する予定でしたが、契約書作成・代金支払・会計計上を失念していました
2025年10月31日に合同会社を設立し、現在、第1期(2025/10/31~2026/8/31)の決算・申告準備中です。
法人設立前は個人で学習Webサイトを約6年間運営しており、法人成りに際して、サイトを個人から法人へ譲渡する予定でした。当時、創業支援機関の税務相談で時価評価を行い、ドメイン、既存記事・イラスト等のコンテンツ、営業権を含むサイト事業を譲渡する前提で検討し、最終的に譲渡価額を112万円としました。当時の相談資料も残っています。
法人設立後は実際に当該サイトを法人事業として運営していますが、多忙のため、①譲渡契約書の作成、②法人から個人への代金支払い、③法人側の会計計上を失念していたことに決算作業中に気付きました。
当時から譲渡の意思と112万円という価格決定があった場合、以下をご教示ください。
現在の日付で、当時の譲渡内容を確認する契約書・確認書を作成して問題ないでしょうか(契約書を過去日付にする意図はありません)。
第1期に取得資産112万円/個人への未払金等として計上できますか。
ドメイン・コンテンツ・営業権を含む場合の適切な資産区分、償却方法・期間を教えてください。
個人側・法人側の税務処理と、消費税の取扱いをご教示ください。
なお法人は設立日から適格請求書発行事業者で、第1期は消費税課税事業者です。申告前なので必要な帳簿修正は可能です。
設立時に時価評価の客観的資料が存在し、実態として法人の事業として運用されているため、現在の日付で当時の譲渡事実を確認する契約書を作成し、第1期で会計・税務処理を行うことは国税庁の取扱いに照らして適切です。
契約書・確認書の作成
作成方法: 過去の日付に遡及させた契約書(バックデート)を作るのではなく、現在の日付で「2025年10月31日付けで事業譲渡が行われた旨と譲渡条件を確認する契約書(または事業譲渡事実確認書)」を作成してください。
エビデンス: 創業支援機関での時価評価資料(112万円の算定根拠)は、税務調査において適正取引価額を証明する重要な証拠書類となるため、契約書と共に保管します。
第1期の会計計上
設立日(2025年10月31日)を取得日とし、第1期決算において資産計上および未払金(または役員借入金)としての処理が可能です。
仕訳例:
(借方)営業権 1,120,000円 /(貸方)未払金(または役員借入金) 1,120,000円
資産区分・償却方法・償却期間
資産区分: ドメイン、既存コンテンツ、営業権を含むWebサイト全体の譲渡は、国税庁の区分において無形固定資産の「営業権」に該当します。
償却方法: 定額法
耐用年数(償却期間): 5年(60ヶ月)
当期の計上額: 取得日(2025年10月31日)から第1期末(2026年8月31日)までの11ヶ月分を月割計算し、当期の損金(減価償却費)として計上します。
個人側・法人側の税務処理と消費税
1. 法人側の税務処理
営業権(112万円)を資産計上し、5年の定額法・月割計算による減価償却費を当期の損金に算入します。
2. 個人側の税務処理(所得税)
所得区分: 6年間運営したWebサイト(事業用資産・営業権)の譲渡は「総合課税の譲渡所得」となります。
長期譲渡所得: 所有期間が5年を超えているため、長期譲渡所得に分類されます。
課税計算:
譲渡所得の金額 = 譲渡価額(112万円)- 取得費・譲渡費用 - 特別控除額(最大50万円)
申告時期: 譲渡があった2025年分(2025年1月〜12月)の所得として、確定申告を行います。
3. 消費税の取扱い
個人側(譲渡側): 個人事業としての事業用資産の譲渡は課税取引(課税売上)です。ただし、個人事業時代の基準期間における課税売上高が1,000万円以下(免税事業者)であった場合、消費税の納税義務はありません。
法人側(譲受側): 資産の譲り受けは「課税仕入れ」に該当します。ただし、譲渡主である個人が免税事業者であった場合、インボイス制度に基づき仕入税額控除の経過措置(80%控除等)が適用されます。
- 回答日:2026/09/16
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