新設法人 役員報酬の決議と支払日について
【新設法人の役員報酬の支給開始時期と「設立後3か月以内」の考え方について】
8月14日に株式会社を設立したケースについて質問です。
設立後しばらくは役員報酬を0円とし、11月12日に株主総会で、
「役員報酬を11月分から月額25,000円とし、毎月末締め・翌月10日払いとする」
と決議したとします。
この場合、
・11月12日 役員報酬月額25,000円、11月分から支給と決議
・11月分役員報酬 25,000円
・12月10日 11月分25,000円を初回支給
・以後、毎月10日に前月分25,000円を支給
という運用で、11月分以降の役員報酬は法人税法上の「定期同額給与」として損金算入できるでしょうか。
「設立後3か月以内」という要件について、私の理解では、3か月以内に役員報酬額や適用開始時期を決議しておき、その決議後に到来する最初の通常の支給時期から決定した金額を支給すればよく、実際の初回振込日そのものが設立後3か月以内である必要まではないのではないかと考えています。
一方で、新設法人の場合には、設立後3か月以内に実際の支給開始まで行う必要がある、あるいは設立月を含めて3か月目までの「報酬月」から支給を開始する必要がある、という考え方もあるのでしょうか。
上記の場合、
① 11月10日の決議で11月分から月額25,000円と定め、12月10日に初回支給する方法
と、
② 10月分から月額25,000円とし、11月10日に初回支給する方法
では、定期同額給与の取扱いに違いがありますでしょうか。
また、「設立後3か月以内」に求められているのが、
・役員報酬額を決議すること
・報酬の対象月を開始すること
・実際に役員報酬を支給すること
のどれなのか、根拠となる法令・通達・国税庁Q&A等もあわせてご教示いただけますと幸いです。
8月14日設立の法人が11月12日(設立から3か月以内)に株主総会で役員報酬額と支給ルールを決議し、決議後の最初の支給時期である12月10日(11月分)から毎月同額を支給する運用は、法人税法上の「定期同額給与」に該当し、損金算入が可能です。法令上求められているのは「設立後3か月以内(3月経過日)までの決議」であり、実際の初回振込日が3か月以内である必要はありません。
11月分以降の役員報酬の損金算入可否について
結論:損金算入できます。
理由:設立日(8月14日)から3か月経過日(11月13日)までに株主総会決議(11月12日)が行われており、その決議に基づく最初の支給時期(12月10日)から毎月同額(25,000円)で継続支給されるため、定期同額給与の要件を満たします。
①と②の運用の違いについて
①(11月10日/12日決議、11月分から、12月10日初回支給)
設立後3か月以内に決議がなされ、決議後に最初に到来する支給時期(12月10日)から支給が開始されるため、定期同額給与として認められます。
②(10月分から、11月10日初回支給)
11月10日に初回支給を行う場合、その支給日以前に株主総会決議がなされている必要があります。支給日前に決議されていれば①同様に認められますが、決議日より前に過ぎ去った期間の報酬を遡って支給する(遡及支給)形態になると、定期同額給与の要件から外れ損金不算入となるリスクが生じます。
「設立後3か月以内」に求められている要件
求められているのは「役員報酬額および支給基準を決議すること」です。
「報酬の対象月を開始すること」や「実際に給与を支給すること」自体が3か月以内であることまでは求められていません。3か月以内に決議を行い、その決議で定めた所定の支給時期(毎月10日など)に従って支給が開始されれば要件を満たします。
根拠となる法令・通達・国税庁公表資料
法人税法第34条第1項第1号(定期同額給与)
支給時期が1か月以下の一定の期間ごとであり、各支給時期における支給額が同額である給与を損金算入対象と定めています。
法人税法施行令第69条第1項第1号イ(定期同額給与の範囲)
設立事業年度においては、「設立の日から3月を経過する日(3月経過日)までにされた定期給与の額の改定(決定)」による給与を定期同額給与と規定しています。
国税庁 タックスアンサー No.5210 / No.5211「役員に対する給与」
設立後3か月経過日までに給与改定(決定)が行われていることを条件として挙げています。
国税庁 質疑応答事例「定期給与の額を改定した場合の損金不算入額(定期同額給与)」
株主総会等の決議に基づき、その決議後に到来する最初の支給時期から改定後の給与を支給することで定期同額給与として取り扱われる旨が示されています。
- 回答日:2026/08/28
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