取得価額が一部不明な場合の譲渡所得の計算
非上場株式100株を所有しており、今回全株を1,000万円(@10万円)で売却します。数年前に50株を250万円(@5万円)、30株を210万円(@7万円)、20株(不明)で購入したものです。譲渡所得を計算するうえで取得価額は総平均によるとのことですが、20株の取得費が不明のため1,000万円×5%(概算取得費)で計算するのでしょうか。それとも20株分のみ5%で計算してもよろしいのでしょうか。
20株分のみを5%で計算して実費と合算することは認められず、20株の取得価額が不明なままであれば、全株の売却代金(1,000万円)の5%(概算取得費)で計算することになります。
国税庁HP(タックスアンサーNo.1464、No.1466)の定めに記載されている取り扱いは以下のとおりです。
1. 国税庁HPにおける原則ルール
同一銘柄の複数回購入は「総平均法」が原則(No.1466)
同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入した場合の取得費は、すべての購入対価を合算して「総平均法に準ずる方法」で1株当たりの価額を算出し、計算します。
概算取得費(5%)は「同一銘柄ごと」に適用(No.1464)
取得費が分からない場合の概算取得費(売却代金の5%)は、「同一銘柄の株式等ごとに」適用すると規定されています。同一銘柄の中で「一部を実価、一部を5%」として組み合わせて平均化する計算方法は認められていません。
2. 取得費の計算パターン
パターンA:20株の取得価額が不明なまま申告する場合(概算取得費)
対象: 全売却代金 1,000万円
取得費: 1,000万円 ×5% = 50万円
譲渡所得金額: 1,000万円 - 50万円 = 950万円
パターンB:20株の取得価額を調査・立証できた場合(総平均法)
対象: 全100株の実際の取得対価の合計
取得費: 250万円(50株)+ 210万円(30株)+ 20株の確認できた取得価額
譲渡所得金額: 1,000万円ー(上記合計取得費)
3. 20株の取得価額を確認するための手引き
全体を5%で計算すると課税対象(譲渡所得)が950万円となり、税負担が大きくなります。国税庁HP等でも、以下の方法により過去の客観的な取引事実を調査することが推奨されています。
発行会社(非上場会社)に問い合わせ、当時の株主名簿や株主移動の記録、発行価額を確認する
過去の預金通帳の出金履歴や振込明細書を探す
当時の株式譲渡契約書や領収書などの確認
証明可能な客観的資料が得られれば、総平均法を用いて本来の実際の取得費で申告することが可能です。
- 回答日:2026/09/02
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