個人事業主に源泉徴収する8つの業種に関して
個人事業主に源泉徴収する8つの業種にはあてはまりませんが得意先から外注費の中から所得の源泉徴収されます。(仕事は建設業かんれんですが建築士でも技術士でもありません)。10.21%払ってもらえません。得意先からは税務調査がきたら指摘されるといいます。おかしいと思うのですが。ご教示していただけませんでしょうか?
こんにちは、税理士の川島です。
結論から申し上げますと、ご指摘の通り、今回のケースでは得意先が源泉徴収を行う必要ないかと思われます。
理由は以下の通りです。
1. 法律上の源泉徴収対象ではない
個人事業主に対する支払いで源泉徴収が必要なものは、法律(所得税法)で「原稿料」「デザイナーや税理士の報酬」「建築士・技術士の報酬」など特定の業務に限定されています。
建設業関連であっても、建築士等の資格に基づく業務ではなく、現場での施工や人工(労務提供)の対価であれば、これら**「源泉徴収が必要な8つの業種・業務」には該当しません。**
2. 得意先が誤解している「税務調査のリスク」
得意先が「税務調査で指摘される」と心配しているのは、おそらく**「外注費ではなく『給与』ではないか」と税務署から疑われるリスク**のことです。
税務署は、個人への外注費の中に「実質的には雇用(給与)と同じではないか」というものが混ざっていないかを厳しくチェックします。もし給与と判定されると、得意先に大きなペナルティが科されます。
しかし、ここで重要なのは**「10.21%の源泉徴収をしていれば外注費として認められる」わけではない**、という点です。源泉徴収をしていても、実態が給与であれば税務調査で指摘を受けます。逆に、実態が完全な「外注(独立した事業者間の取引)」であれば、源泉徴収をしていなくても一切指摘はされません。
今後の対応策(得意先への伝え方)
おかしい状態のまま引き下がられる必要はありませんので、得意先の担当者(または経理責任者)へ、以下のように確認・交渉してみてはいかがでしょうか。
「自分は建築士や技術士の業務ではなく、現場の施工(人工)として請け負っているため、所得税法上の報酬・料金の源泉徴収対象には該当しないはずです。国税庁のホームページ等でも確認できます」と伝える。
「もし、税務調査での『給与認定(外注費か給与か)』を心配されているのであれば、源泉徴収をするかどうかではなく、契約書の内容や、外注としての実態(道具の自己負担、時間の自由度など)を整えることが正しい対策になります」と説明する。
独立した事業者として対等な取引を行うためにも、一度「法的な根拠」をベースに得意先と話し合われることをお勧めいたします。
もし得意先が「どうしても引かないと支払えない」と頑なな場合は、実務上は「今回は引かれた状態で受け取り、確定申告で前払税金(源泉徴収税額)として全額精算(還付)を受ける」という着地もありますが、資金繰りや手取り額の面でも、最初から正してもらうのがベストです。
- 回答日:2026/06/05
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