法人で資産運用する場合と個人事業主で資産運用する場合、長期的にどちらが有利ですか?
現在、法人をこのまま続けるか、法人を廃業して個人事業主に戻るか悩んでいます。
資産運用の面で、法人に利益を残して投資信託を運用する場合と、個人事業主として得たお金で投資信託を運用する場合では、長期的にどちらが有利でしょうか。
比較を単純にするため、NISAなどの非課税制度は使わず、どちらも同じ投資信託を年率5%で長期運用する前提で考えています。
税金や社会保険料、運用益に対する税金、最終的に法人のお金を個人へ移す際の税負担まで含めて比較したいです。
税負担や社会保険料、将来の資金引き出しまで考慮すると、長期的な資産形成では「個人」として運用する方が有利になるケースが一般的です。
法人:法人で投資信託を運用する場合、益に対して法人税(約25〜35%)が課税されます。さらに、増やした資産を個人に移す際(役員報酬や退職金)、所得税・住民税や社会保険料が再度発生し、二重で税負担が生じます。
個人:個人運用であれば、売却益に対する課税が約20.315%で完結します。
法人は「経費化できる範囲」等で有利な側面もありますが、純粋な投資運用益の個人還元という観点では個人運用が勝ることが多いかと思います。
- 回答日:2026/09/10
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ご質問ありがとうございます。法人を続けるか個人に戻るかを、資産運用の面からも比べて考えたいというのは、とても大切な視点だと思います。
結論から申し上げると、どちらが有利かは、事業の利益の水準と、法人に残したお金を「いつ・どの形で」個人に移すかによって変わり、一般論としてどちらと言い切ることはできません。比べるときに押さえておきたい点を、順に整理します。
① 運用の元手にかかる税金
・法人:利益に法人税がかかります。資本金1億円以下の法人なら、年800万円以下の部分は15%、超える部分は23.2%です(タックスアンサー5759)。これに法人住民税・事業税が加わります。
・個人:事業所得に、5%から45%の累進税率の所得税(タックスアンサー2260)と、住民税・個人事業税がかかります。
利益が大きいほど個人の税率が上がるため、同じ利益から運用に回せる元手は、利益が大きいほど法人のほうが多くなりやすく、利益が小さければ差は縮むか逆転します。
② 運用益にかかる税金
・個人:投資信託の分配金や売却益は、原則として所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の分離課税です。
・法人:分配金や売却益は、出た事業年度のほかの利益と合算して法人税等の対象になります。
運用益そのものへの税率は、法人の利益の規模によって個人より低くも高くもなります。
③ 法人のお金を個人に移すときの税金
ここが比較の大きな分かれ目です。
・役員報酬:給与所得として所得税・住民税がかかり、社会保険料もかかります。
・退職金:(退職金−退職所得控除額)×1/2に分離課税されるため、負担は比較的軽くなります(タックスアンサー1420)。ただし、役員としての勤続年数が5年以下だと2分の1の計算が使えません。
・配当や解散時の分配:配当所得などとして課税されます。
将来、退職金として受け取る形が取れるかどうかで、結果が大きく変わります。
④ 社会保険料と維持の費用
法人では役員報酬の額に応じて健康保険・厚生年金がかかり、個人では国民健康保険・国民年金になります。また、法人は赤字でも住民税の均等割がかかり、決算や申告の手間も増えます。
比べ方としては、ご自身の見込み利益で、(a)法人に利益を残して運用し、将来退職金などで受け取る場合と、(b)個人で税引き後の資金を運用する場合の、最終的な手取りを年数ごとに試算されることをお勧めします。利益額、役員報酬、運用期間、出口の方法といった前提を変えると結論が変わりますので、いくつかの前提で比べておくと安心です。
少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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