消費税の2重支払い
複数の販売事業者の売上をまとめて一つの事業者が、ある1つの販売先へ売上をしました。
取りまとめている事業者は各販売事業者の売上を回収して、各販売事業者の売上分を販売先から回収して分配し渡しています。まとめている事業者には利益は発生しない内容です。
この取りまとめしている事業者は、別の商売をしていて消費税は簡易課税制度を取っています。
そのため売上金額に対する消費税を支払うことになるのですが、実際に販売する複数の販売事業者でもその金額に対する消費税を支払うことになります。
一つの商取引において発生する消費税を2重に支払うことになると考えられますが、1つの商取引において発生する消費税額まで還付してもらう方法はないのでしょうか。
預かり金処理をすれば良いのだと思います。
取りまとめ事業者が「自社の売上」として処理してしまうと簡易課税の対象となり損をしてしまいますが、これを売上ではなく「預り金(または立替金)」として処理すれば、取りまとめ事業者に消費税は一切かかりません。
この問題を解決するための仕組みと具体的な対策は以下の通りです。
現在の処理において問題が発生するのは、取りまとめ事業者が販売先への請求額「すべてを自社の売上」として帳簿に記録していることが原因です。簡易課税制度は「売上高」に対して一律で消費税を計算するため、他社の分まで売上に計上すると、その全額に消費税が課されてしまいます。
解決するための方針ですが、消費税法では、取引の形式ではなく「真にその売上を得たのは誰か(実質所得者課税の原則)」を重視します。今回のケースでは、取りまとめ事業者は単に「お金を回収して分配する窓口(代理人)」に過ぎず、利益も得ていません。そのため、帳簿上も売上ではなく「通過点」として処理する必要があります。
1. 契約内容と請求書の形式を整える
取りまとめ事業者が「自分の商品を売った」のではなく、「複数事業者の代理として一括請求した」という形を明確にします。
請求書の記載: 請求書を発行する際、可能であれば「〇〇事業者分:◯◯円、✕✕事業者分:✕✕円」と内訳を明記するか、各事業者の連名(または代理発行である旨)を記載します。
2. 帳簿の勘定科目を「預り金」に変更する
取りまとめ事業者は、販売先からお金が入ってきた時、および各事業者に支払った時に「売上」や「仕入(経費)」の科目を絶対に使わないでください。
販売先から入金された時
(借方)現預金 / (貸方)預り金(または立替金) ※不課税
各販売事業者に分配(送金)した時
(借方)預り金(または立替金) / (貸方)現預金 ※不課税
このように処理すれば、取りまとめ事業者の「課税売上高」には1円も算入されないため、簡易課税による消費税の2重課税は発生しません。
3. インボイス制度(適格請求書)への対応
もし販売先が消費税の仕入税額控除を受けるために「インボイス(適格請求書)」を求めてきている場合は、以下のいずれかの方法をとる必要があります。
媒介者交付特例の活用: 取りまとめ事業者がインボイス登録していれば、各販売事業者の代わりに自身の登録番号でインボイスを発行できます。ただし、各販売事業者もインボイス登録店である必要があります。
各社のインボイスを添付: 各販売事業者が発行したインボイスを、取りまとめ事業者の請求書に添付して販売先に渡します。
- 回答日:2026/05/29
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