支払通知書・仕入明細書によるインボイス対応で相手方の保管不備がある場合について
インボイスについては支払通知書・仕入明細書による対応も認められていると思います。
弊社が買い主で、相手が売り主で、弊社が支払通知書を発行送付する場合について
もし売り主の相手方が支払通知書をきちんと保存していなかった場合(仮に保存していたとしても反面調査の際にどこに保存してあるか分からず税務署に提示出来なかった場合も)買い主である弊社側の仕入税額控除が否認されるようなペナルティがあるでしょうか?
もちろん「送付後一か月以内に連絡ない場合は確認済とします」の文言は記載します。
現金で支払う先について番号は書いてあるのですが税額も税率も記載してない領収書がありまして、仮に今記載をお願いして最初はきちんとされても、手書きで手間がかかるという事でそのうちまた不記載に戻るリスクを考えると、支払通知を送る対応の方が確実かなと思ったのですが、送っても相手に雑な保管をされるとそれもリスクなのかなとも思い。
ちなみに業種的に簡易インボイスに該当するのかも微妙ですし、簡易でも税額か税率のどちらかは記載必要なので簡易インボイスとしての対応も難しいかなと
弊社が10年以上前に民事再生で相手に損失を与えているので請求書による掛け取引も難しい状況です
支払通知書等の書類一式がインボイス制度の要件を満たし、御社がその控えと相手方への送付・確認の事実を適切に保存していれば、相手方が支払通知書を紛失したり提示できなかったりしたことのみを理由として、通常は御社の仕入税額控除が否認されることはありません。
- 回答日:2026/06/16
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売り主(取引先)が支払通知書を紛失・破棄して保存していなかったとしても、それだけの理由で買い主である御社側の仕入税額控除が否認されることはありません。
1. 相手方が保存していなくても御社が否認されない理由
消費税法上、仕入税額控除を受けるために「インボイス(適格請求書等)の保存」が義務付けられているのは、控除を受けようとする「買い主(御社)」です。御社が作成する支払通知書(仕入明細書)をインボイスとする場合、御社側で以下の要件をすべて満たして保存していれば、買い主としての保存義務は全うされています。
御社側で「支払通知書の控え(または電子データ)」を適切に7年間保存していること
支払通知書にインボイスとしての必要事項(相手方の登録番号、税率ごとの消費税額・対象金額など)がすべて網羅されていること
相手方(売り主)の確認(合意)を受けていること(詳細は後述)
税務署の反面調査(売り主への調査)の際に、相手方が「どこにあるか分からない」「捨ててしまった」となった場合、税務署から相手方(売り主)に対して売上不申告や帳簿保存義務違反の疑いで指導やペナルティが入る可能性はありますが、正しく処理・保存している御社側の仕入税額控除が連鎖的に否認される性質のものではありません。
2. 御社側が税務調査で否認されないための「超重要」な2つのポイント
相手方のズボラな保管リスクによって御社が巻き込まれないためには、税務署に対して「法律に則って、お互いの確認(合意)のもとで正しく発行・送付されたものである」という客観的な証拠を提示できるようにしておく必要があります。
①「1ヶ月以内に連絡がない場合は~」の有効性と注意点
ご記載の「送付後一か月以内に連絡ない場合は確認済とします」という文言の記載(通知)による確認方法は、国税庁のインボイスQ&A(問86)【https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/86.pdf】でも明確に認められている適法な方法です。ただし、単に紙を送りつけるだけでは、万が一の税務調査時に「本当に相手に届いていたのか(相手が認識していたのか)」を証明しにくくなります。
② 送付・到達の事実を客観的に記録する(リスク対策)相手方が紛失したとしても、御社側で「確かにこの内容で相手に送り、相手も受け取っている(異議申し立て期間も過ぎている)」というプロセスを以下のいずれかの方法で証拠化しておけば完璧です。
メール+通常郵便(またはFAX)で履歴を残す:メールで「支払通知書を送付します」と送り、確認不備のルールが記載された書面(PDF等)を送信。送信ログをシステム等で残しておく。
郵送時の記録を残す:特に重要な取引であれば、特定記録郵便やレターパックなどを利用して配達記録を残す。
事前の基本合意書(推奨):「今後の現金決済に伴う支払通知書の確認方法に関する覚書」のような簡易な書面を1枚交わし、「今後、弊社から発行する支払通知書について、送付後◯日以内に連絡がない場合は記載内容の通り確認があったものとみなす」というルール自体に、あらかじめ署名か捺印をもらっておくと、税務調査に対する証拠能力が極めて高くなります。
3. 現状の「税額・税率なしの領収書」のままで進めるリスク
「番号は書いてあるが税額も税率も記載してない領収書」
「簡易インボイスとしての対応も難しい」
ご認識の通り、このままの手書き領収書で仕入税額控除を適用するのは極めてリスクが高い(というか、原則不可能です)。
インボイス(簡易インボイス含む)は、税率か消費税額のどちらか一方は絶対に記載されていなければなりません。買い主側が勝手に手書きで税額や税率を「追記・修正」することは法律で禁止されています。相手方が手書きの手間を惜しんで不記載に戻ってしまった場合、御社はその取引について仕入税額控除が一切できなくなり、御社が消費税を余分に被ることになります。過去の民事再生の経緯から、相手方に強い要望(システムの変更や厳格な請求書の発行)をお願いしづらいという力関係・ご事情があるからこそ、御社が主導権を握って正確な書類を作れる「支払通知書方式」への切り替えは極めて合理的で確実な選択肢と言えます。
まとめ・今後の進め方相手方の保管状況を御社がコントロールすることはできませんが、「御社側が正しい支払通知書を作り、確認ルールを通知し、その控えを御社でガッチリ保存する」という一点を徹底すれば、御社の税務リスクはゼロに抑えられます。領収書の手書き不備におびえるよりも、支払通知書の送付に切り替えるのが実務上最も安全です。
- 回答日:2026/06/15
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