代表取締役を退任した後どこまで経営に従事できるか
- 投稿日:2026/04/14
- 相続・事業承継・M&A
- 回答数:4件
2社の役員をしています。(家族経営)1社は夫が代表取締役ですが、もう1社は私が代表取締役です。この度夫に代表取締役を譲ろうと考えています。今の役員報酬は150万で在任年数は9年2か月です。役員退職金を3,000万円受取り、退職後は給与として70万を取ろうと考えています。経理全般(銀行や取引先とのやり取り含む)を私がしていますので、退任後もそこは変わらず携わる予定ですがその場合、実質的に退職したと認められないことがあると聞きました。
・どこまでなら退職後も経営に関わって問題ないか(常勤勤務を継続すると問題になるか)
・退職後の給与の適正額はどのくらいか
・その他気をつけること
こちらについて教えてください。
代表取締役から退任して退職金を受け取る場合、実質的に退職したと認められるかどうかが重要なポイントになります。
法人税基本通達では、役員の分掌変更等により「役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められる」場合に退職給与として取り扱うことができるとされています。具体的には、常勤役員が非常勤役員になった場合や給与がおおむね50%以上減少した場合などが該当します。
ご質問のケースでは、役員報酬150万円から70万円への減額は約53%の減少となりますので、給与の激減要件は満たしています。ただし、経理全般を継続して担当される予定とのことですので、実質的な退職と認定されるかは注意が必要です。
経理業務の継続自体は問題ありませんが、重要なのは退任後も経営に関わる範囲をどう設定するかです。重要な契約の締結権限や人事権、経営方針の決定への関与などは避ける必要があります。「実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者」に該当しないことが認定のカギになります。
常勤勤務の継続も問題です。退任後は非常勤として位置づけ、毎日出社して従来と同様の業務を行うのではなく、必要な時のみ出社する形態にするなど、勤務形態を明確に変更することをお勧めします。
退職後の給与70万円が適正かどうかは、実際に従事する業務内容と責任の範囲に見合っているかで判断されます。経理業務のみを担当する非常勤の立場であれば、現在の報酬から大幅に減額されていることから、一般的には妥当な範囲と考えられます。
退職金3,000万円の金額が過大でないかも確認が必要です。在任年数9年2か月に対して3,000万円が適正かどうか、同業他社の水準や功績倍率法による計算結果と照らし合わせて検討してください。また、株主総会での決議や退職の事実を明確にする議事録の作成も忘れずに。
退任後の職務内容や権限を明確に文書化し、従来の代表取締役としての権限とは明確に区別することで、実質的退職の認定を受けやすくなります。
- 回答日:2026/04/17
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・どこまでなら退職後も経営に関わって問題ないか(常勤勤務を継続すると問題になるか)
←経営に関与していると見做されると、否認されるリスクが高いと考えます。過去の判例では、金融機関などの対応を行い、対外的に会社の代表者と同様である場合には、否認されているケースがあります。バックオフィスのみであれば、それに見合った、第三者と同様の給与水準であれば、税務上否認されないと考えます。
・退職後の給与の適正額はどのくらいか
←税務上は、一般的には、最終報酬月額×在任年数×功績倍率の範囲内であれば、否認されないことが多く、今回のケースでは、特段問題ないかと思われます。
・その他気をつけること
←以下を参考にされるとよろしいかと考えます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5203.htm
https://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0204070500.html
- 回答日:2026/04/16
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回答した税理士
🌟Empower Your Dreams🌟【起業から上場まで変えられる未来に伴走します】公認会計士長南会計事務所
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 67029), 公認会計士(登録番号: 4694), その他
回答者についてくわしく知るおはようございます、税理士の川島です。
下記は国税庁より抜粋なのですが、
役員が分掌変更した場合の退職金
例えば、次のように、分掌変更によって役員としての地位や職務の内容が激変して、実質的に退職したと同様の事情にある場合に退職金として支給したものは、退職金として取り扱うことができます。
ただし、未払金等に計上したものは、原則として退職金に含まれません。
1 常勤役員が非常勤役員になったこと。
ただし、常勤していなくても代表権を有する場合や、実質的にその法人の経営上主要な地位を占めている場合は除かれます。
2 取締役が監査役になったこと。
ただし、監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めている場合や、使用人兼務役員として認められない大株主である場合は除かれます。
3 分掌変更の後の役員の給与がおおむね50パーセント以上減少したこと。
ただし、分掌変更の後においても、その法人の経営上主要な地位を占めていると認められる場合は除かれます。
と3つの要件を満たす必要があります。退職ということは、実際には会社を退くと言う事になりますので、例えば経理のなかでも取引先とのやり取りが会社の意思決定に関する物であれば行うことは出来ません。また、勤務日数や勤務時間等も短くならなければ業務が少なくないなっていないと判断されます。
詳しくは顧問税理士の先生にお聞きされたほうがよろしいかと思われます。
- 回答日:2026/04/15
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ご検討中の条件は「税務調査で否認される(退職と認められない)リスクが非常に高い」状態です。特に、経理・銀行交渉を継続しながら月額70万円の給与を受け取る点は、税務署から「実質的にはまだ経営に従事している(分掌変更にすぎない)」と判断される可能性が高いです。
1. どこまでなら経営に関わって問題ないか(分掌変更の壁)
代表取締役を辞めても、引き続き「実質的に経営を支配している」とみなされると、退職金が「役員賞与(経費にならない)」扱いになり、多額の追徴課税が発生します。
実質的に退職したと認められるための基準
法人税法上の「分掌変更(役員としての地位や職務内容が激変すること)」が認められるには、以下の状態にする必要があります。
常勤から非常勤になること: 毎日出勤し、フルタイムで働く場合は「退職」と認められにくくなります。
経営権を完全に手放すこと: 銀行との融資交渉、取引先との契約締結、従業員の採用・評価などの決定権を持ってはいけません。
実務内容の変更: 「経理全般(銀行・取引先対応含む)」は、中小企業においては経営の根幹です。これまでの業務をそのまま継続する場合、肩書きが変わっただけとみなされます。
2. 退職後の給与(役員報酬)の適正額
税務上の慣行(セーフティーゾーン)として、分掌変更後の報酬は「退職前の概ね50%以下」に抑えるのが通例です。
現在の報酬: 150万円
検討中の報酬: 70万円(約46%)
比率としては50%を切っていますが、問題は「業務内容に対して高すぎないか?」です。
もし退職後に「一般事務・経理」として働くのであれば、月額70万円は世間相場(20万〜30万円程度)に比べて高額です。この点が、「実質的な役員報酬の継続」と判断されるリスクがあります。
3. その他気をつけること
① 役員退職金の金額(3,000万円)の妥当性
一般的に以下の計算式が用いられます。
「最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率」
今回のケースでは、功績倍率は約2.17倍となります。
代表取締役の功績倍率は2.0〜3.0倍が相場ですので、退職金の金額自体は妥当で、過大とされるリスクは低いと考えられます。
② 議決権(株主構成)
もし相談者の方が会社の株式の過半数を保有し続けている場合、役員を退任しても「実質的支配者」とみなされやすくなります。可能であれば、代表権の譲渡とともに株式の譲渡(承継)も検討すべきでしょう。
税務署に否認されないためのアドバイス
現状の「月給70万・経理実務継続」のまま3,000万円の退職金を出すのは、かなり危険な橋を叩くことになりますので、以下の対策を検討してください。
業務の引継ぎを明確にする: 銀行交渉や資金繰りの最終決定権は、名実ともに夫(新代表)に移してください。相談者の方の業務内容は、「作成・整理」に留めるべきです。
勤務形態を「非常勤」にする:週2〜3日勤務にするなど、明らかに労働態様が変わった証拠を残してください。
給与をさらに下げる: 月額40万〜50万円程度まで下げ、一般のベテラン事務職員+α程度の納得感がある金額に設定するのが安全です。
議事録の整備: 株主総会で退任と退職金の支給を決定したプロセスを正確に記録してください。
- 回答日:2026/04/15
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