10万円以下の事業転用品の価値を算出し開業費とする場合の考え方
2026.7.1に開業した写真家(個人事業主)です。
写真家としての開業を決意する前のアマチュア時代に購入した写真撮影用機材(10万円以下、古いものでは10年前に購入したもの)が30点程度あります。 これらはそのままプロとしての写真撮影業の機材として利用可能です。(こういう行為を「事業転用」と呼ぶと理解していますので、以降「事業転用」という言葉を使います。)
以上の前提のもと、10万円以下の事業転用品の価値を開業費に加算したいのですが、その価値をどう考えればいいですか? ネットを調べると、下記の通り諸説紛々としており混乱しています。
1.事業転用品は中古品であっても価値は下がっていないという説
1-1.領収書があれば購入した価格を現在の価値とし開業費とする
1-2.領収書がなければ発売時の実勢価格を証明し、これを現在の価値とし開業費とする
2.事業転用品=中古品だから価値が下がっているという説
2-1.事業転用品を開業日に中古品として買った場合の価格を証明し、これを現在の価値とし開業費とする
2-2.事業転用品を開業日に中古品として売った場合の価格を証明し、これを現在の価値とし開業費とする
2-3.領収書があれば、10万円以下であっても固定資産の減価償却の考えを適用して「事業転用した時点(=開業日)の未償却残高」を計算し、これを現在の価値とし開業費とする
追伸:こう考えれば開業費として非の打ち所がない、と言える手堅い選択を目指しております。
ご質問ありがとうございます。複数の説があって混乱されている状況、よく分かります。開業前から持っていた機材を事業で使う場合の考え方を、条文に沿って整理しますね。
まず結論から申し上げると、事業に転用した機材は、購入時の金額をそのまま経費にするのではなく、転用した日の価額(未償却残高)を基に考えるのが、条文に沿った整理だと考えられます。
① 考え方の筋道
個人の資産を事業に使い始めた場合は、使い始めた日までの「減価」を取得価額から差し引いた残りが、事業に使い始めた日の価額になります。この減価は、法定耐用年数を1.5倍にした年数で、旧定額法に準じて計算します(所得税法施行令85条)。計算の方法は、国税庁のタックスアンサー(No.2108、No.2109)に例があります。購入時期の領収書や、購入価格が分かる資料が基になります。
② 開業費ではなく、機材の経費として整理する
ご質問では「開業費に加算したい」とありますが、機材は開業準備のために支出した費用というより、事業に使う資産です。取得価額が10万円未満であれば、少額の減価償却資産として、事業に使い始めた年に必要経費に入れる整理があります(所得税法施行令138条)。条文は「取得価額」と書かれており、事業転用した資産の評価について明確な書き方はありませんので、転用日の価額を基に計算した額を経費にする方法が、説明しやすいと考えられます。
③ ご質問の説について
・「購入時の価格をそのまま」:事業を始める前の期間の価値の減少を無視することになり、慎重な見方からは勧められません。
・「中古市場の売却価格や購入価格」:客観的な資料を点数ごとに用意するのが難しく、証明する手間が大きくなります。
・「転用日の未償却残高」:条文と国税庁の案内に沿った計算で、資料も購入時の記録で足ります。
④ 点数が多い場合の実務
約30点を1点ずつ計算するのは大変ですので、購入時期・購入金額・耐用年数を一覧表にして、一定の計算式で一括して計算する方法が現実的です。購入金額が分からないものは、同等品の当時の価格の資料を残してください。
⑤ 手堅く進めるために
最終的な取扱いに迷う場合は、管轄の税務署で相談し、相談した日付・担当者を記録しておくと安心です。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/19
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る結論として、これらの機材を「現在価値」で評価して開業費に加える処理は避けた方がよろしいかと思われます。
開業費は、開業準備のために特別に支出した費用であり、機材などの資産取得費は対象外です。
各機材は事業へ転用した資産として個別に扱います。当初の実際の取得価額が10万円未満であれば、所得税法施行令上、事業で使い始めた年に、その取得価額を必要経費に算入するのが基本です。中古相場、買取価格または発売当時の定価で現在価値を算定するものではありません。
非業務用期間の減価を差し引いて未償却残高を計算する方法は、通常の減価償却を行う資産について、転用後の減価償却の基礎を求める場合の取扱いです。したがって、取得価額10万円未満の機材に一律に適用し、その残高を開業費とすることが法令上定められているわけではありません。
10万円未満の古い私物を多数転用する場合の具体例が示されていないため、購入額の資料がないものや高額な合計額になる場合は、機材一覧を持参して所轄税務署または税理士へ事前確認するのが安全です。
- 回答日:2026/07/13
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10万円未満のカメラ機材を事業転用する際の手堅い考え方について
税務署から指摘を受けにくい方法は、事業転用時点の「未償却残高」をベースに評価する方法です。10万円未満の機材には明確な一律ルールがないため、購入時の金額や感覚的な時価ではなく、減価償却の考え方に沿って客観的に算出するのが安全です。
未償却残高を使う理由ですが、カメラ機材は経年劣化や新型モデルの登場により価値が下がる減価資産です。古い機材を購入時の金額のまま開業費に計上すると、実態より高く評価していると見られるおそれがあります。一方、中古相場を1点ずつ調べる方法は有効な場合もありますが、点数が多いと証拠集めの負担が大きく、過去相場の確認も困難です。未償却残高を使えば、法定の考え方に沿って誰でも同じ基準で計算でき、説明しやすい点が強みです。
10万円未満のカメラ機材を開業費に加える場合は、次の手順で整理します。
主要機材は未償却残高を計算する
主要な機材は、非業務用資産を事業用に転用する場合の考え方で評価します。カメラ機材(光学機器)の法定耐用年数は5年で、非業務用の場合は1.5倍の7年として定額法で計算します。計算式は「転用時の価値=購入金額-(購入金額×0.9×0.143×経過年数)」です。経過年数の端数は、6か月以上を1年、6か月未満を切り捨てます。
例:5年前に60,000円で購入したレンズは、60,000円-(60,000円×0.9×0.143×5年)=21,390円となり、この金額を開業費として扱います。計算結果が極端に低いものやマイナスになるものは、価値が残っていないものとして除外するのが安全です。
減価償却の考え方による場合による場合には、10万円以下は消耗品として価値がないといった考え方にもなってしまう可能性があります。
一番のオススメは、所轄の税務署に予約の上相談に行き、相談担当者の指示に従う。この時に必ず担当者の所属と名前を記録しておいてください。
- 回答日:2026/07/04
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