法人成りをする時、固定資産の処理はどうすれば良いですか?
法人成りを検討している個人事業者です。
事業所得と不動産所得があります。
此度の質問は、「個人事業として所有している固定資産を法人成りをしたとしたら法人名義に絶対に書き換えないといけないのか? またその譲渡額は残存簿価で良いのか?」というものです。
事業所得は飲食店を経営しており、店内備品は全て買い切りでリース契約のものはありません。減価償却は備忘価額1円になっているものもあれば、まだまだ半分以上簿価が残っているものもあります。それらの備品をそのまま法人として使用する場合、個人の備品を法人が買い取るような処理になると思うのですが、譲渡所得の確定申告は極力したくありません。残存簿価のまま法人に渡す、という処理をすれば良いでしょうか?(工具器具備品/役員借入金 という仕訳かな?と思っていますが、間違っていたらご教授ください。)
それと、そんな手続きは踏まずにそのまま法人として使い続けても問題ないでしょうか?(償却資産申告がまずい気もするのですが…)
不動産所得についてはテナント貸出し2件と、居住用マンション4室の賃貸収入です。この不動産も法人名義にしようと思ったら不動産取得税がかかってしまうのも嫌なので、まだ悩み中ですが、もし法人名義に寄せるとなった場合は残存簿価での譲渡処理はまずいでしょうか? やはり市場価額に準ずる価額を設定し、自分(個人)から自分(法人)への譲渡ではあるものの、きちんと譲渡所得の確定申告をしないといけないのでしょうか…?
すみません、乱文で申し訳ないのですが、ご教授頂けると幸いです。
冷蔵庫や電子レンジは長年使っていれば中古ショップでも二束三文にしかならないですね。
その場合は、簿価(1円)を時価とみなして法人へ譲渡しても良いかと思います。
- 回答日:2026/04/07
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ありがとうございます、安心しました!
お忙しい所質問対応していただき感謝します。投稿日:2026/04/07
法人成りに際し固定資産を必ず法人名義へ移転する義務はありませんが、使用主体と所有主体が乖離する場合は、賃貸借や使用貸借等の契約関係を明確にすることが不可欠です。個人資産のまま法人で使用すること自体は可能ですが、減価償却や固定資産税・償却資産申告の帰属、賃料設定の妥当性などに留意が必要となります。
次に、個人から法人への資産移転については、原則として「時価」による譲渡と認定されます。したがって、残存簿価での譲渡は、時価との差額について贈与認定やみなし譲渡課税のリスクが生じ得ます。特に工具器具備品であっても同様であり、単純に「工具器具備品/役員借入金」とする処理は、税務上の適正価格を満たす前提が必要です。譲渡益が生じる場合は、個人側で譲渡所得または事業所得として申告が求められます。
不動産についても同様に、法人へ移転する場合は時価譲渡が原則となり、譲渡所得課税に加え、不動産取得税や登録免許税等の負担が発生します。このため、実務上は無理に移転せず、個人保有のまま法人へ賃貸するスキームを採用するケースも多く見られます。
最終的には、課税コストと資産管理の一体性を比較衡量し、全体最適の観点から移転の要否と方法を設計することが肝要です。
- 回答日:2026/04/07
- この回答が役にたった:1
”課税コストと資産管理の一体性を比較衡量”
正に仰る通りです。
税を無視して良いのなら法人に全て寄せたいのですが、中々それも難しく…。
よくよく検討致します。投稿日:2026/04/07
法人名義に必ず変えないといけないわけではありません。
ただし、個人と法人は別人格なので、個人名義のままの資産をそのまま法人の固定資産として計上・償却するのは避けたほうが安全です。法人で減価償却したいなら、売買や現物出資などで個人から法人へ移すのが基本です。個人名義のまま使うなら、実務上は個人から法人へ貸している形で整理します。
譲渡額も、残存簿価でそのままでよいとは限りません。
個人が法人へ資産を時価の2分の1未満で譲ると、税務上は時価で譲渡したものとして扱われます。ですので、備忘価額1円の備品を1円で法人へ移すような処理は危険です。特に、法人への現物出資や贈与も「譲渡」扱いになります。
また、個人が事業用資産を法人へ売る場合は、建物・機械・備品などは消費税の対象になり得ます。償却資産税も1月1日現在の所有者ベースで申告するので、所有関係ははっきりさせておくのが大事です。
なので実務的には、
「法人へ売るもの」と「個人所有のまま貸すもの」を分けて、売るものは簿価ではなく時価を意識して決める、という進め方がおすすめです。
- 回答日:2026/04/07
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ご丁寧な回答誠にありがとうございます。
やはり時価ベースでの譲渡としないといけないこと、よく分かりました。
車やバイクであれば買取査定価額、建物や土地であれば固定資産税課税明細でなんとなくは分かるのですが、事業として使い続けたちょっとした器具備品は”時価”と言われてもいまいち適正な金額が分かりません。(例えば店舗用の冷蔵庫や電子レンジは長年使い続けたものなので、中古ショップに持ち込んでも二束三文にしかならない気がします)
さすがにそういったものは省いても実務上は問題ないでしょうか?(Yes/Noで明言しにくい所なのは重々理解しておりますので、本会等により先生の御立場が悪くなるようなことになる恐れがございましたら御放念ください。)投稿日:2026/04/07
法人成りに伴う固定資産の取り扱いについて、個人と法人は税務上別人格として扱われるため、適正な価額での譲渡が必要となります。
法人として事業用資産を使用する場合、原則として法人名義に変更する必要があります。個人名義のまま法人が使用し続けることは、所有者と使用者が異なる状態となり、税務上問題となる可能性があります。特に償却資産申告においては、実際の所有者名義で申告する必要があるため、名義変更を行わないと申告に齟齬が生じます。
個人から法人への資産譲渡は、時価との差額が寄附金として認定される可能性があるため注意が必要です。法人税法の規定により、法人が時価より低い価額で資産を取得した場合、その差額は受贈益として益金に算入されることになります。市場価格が明らかでない場合、税務上の時価として残存簿価相当額が認められるケースもありますが、これは資産の性質や状況により個別に判断されます。
不動産については、より慎重な検討が必要です。不動産の時価と残存簿価に大きな乖離がある場合、残存簿価での譲渡は寄附金課税のリスクが高くなります。また、個人側では譲渡所得の課税対象となり、所得税法の規定により譲渡益に対して課税されます。不動産取得税の負担を避けたい場合は、個人名義のまま法人が賃借する形態も検討できますが、この場合は適正な賃料設定が必要となります。
法人側の仕訳は「資産勘定/役員借入金」となりますが、譲渡価額は適正な時価で計上する必要があります。個人側では事業用資産の譲渡として、譲渡所得の計算を行い確定申告が必要となります。
法人成りは複雑な税務処理を伴うため、具体的な資産の評価や譲渡価額の設定については、事前に税理士にご相談ください。
- 回答日:2026/04/07
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ご丁寧な回答誠にありがとうございます。
”不動産取得税の負担を避けたい場合は、個人名義のまま法人が賃借する形態も検討できますが、この場合は適正な賃料設定が必要となります。”
これば、個人⇒法人⇒居住者 のいわば、又貸し状態になっても良いから 個人⇒法人 の間で適正な賃貸借契約を結ばないといけないということでしょうか?投稿日:2026/04/07
