解体費用のほうが高くなる場合の売買金額について
当方は法人です
現在ある個人の方が持っている土地建物を買おうとしています
その物件は
建物はだいぶ老朽化していて解体に600万円ほどかかる見込みです(業者の見積もり済み)
現状その土地建物の評価額的には200万円ほどです
なので解体すると赤になるため、この土地建物を1円で買います
という話をし、相手もそれで納得しているのですが
質問1 この1円というは赤の他人であるお互いが納得しているので時価ということでよいか
質問2 だとするとこの場合低額譲渡的な話にはならないか?
付け加えると、購入後この建物を実際に壊すかどうかはまだ決めていません
ご質問ありがとうございます。お相手も納得しての1円での取引でも、税務上どう見られるのか不安になりますよね。既存のご回答で見方が分かれていますので、追加でお尋ねの2点も含めて、考え方を整理してみます。
結論から申し上げると、税務で問題になるのは「当事者が納得したか」ではなく「その不動産の時価(通常の取引で成立する価額)に照らして低すぎないか」です。解体費が土地の価値を上回る物件であれば、1円が時価として説明できる余地は十分にあると考えます。ただし、その説明を支える資料をそろえておくことが大切です。
① 低い価格で買った場合に起こること
法人が時価より低い価格で資産を譲り受けると、時価との差額は受贈益として法人の益金になります(法人税法22条2項)。この差額は、時価の2分の1以上で買っていても生じます。
売主の個人側は、法人に対して時価の2分の1に満たない価格で譲渡すると、時価で譲渡したものとみなして譲渡所得を計算します(所得税法59条1項2号、同法施行令169条)。
ですから、1円が時価から大きく離れていると判断されると、双方に課税が生じるおそれがあります。
② 1円を時価と説明するには
古い建物付きの土地は、買い手から見れば「土地の価値から解体費を差し引いた額」で値付けされると考えるのが自然です。土地の価値が約200万円、解体費が約600万円であれば、通常の取引でも値段がつかない物件と見る余地があります。
そのため、解体業者の見積書、不動産業者の査定書、近隣の売出事例、建物の傷み具合が分かる写真など、「この物件は誰が買っても1円程度にしかならない」ことを示す資料を保存しておくと安心です。第三者同士の交渉で決まった価格であることも、時価を裏付ける事情の一つになります。
③ 解体前提かどうかで変わること
購入後おおむね1年以内に取壊しに着手するなど、当初から建物を壊して土地を使う目的であることが明らかな場合は、建物の帳簿価額と取壊費用は、損金ではなく土地の取得価額に含めます(法人税基本通達7-3-6)。600万円の解体費をその期の経費にできるわけではない点にご注意ください。
解体しないで建物を使う場合は、建物にも価値があることになりますので、1円の説明は解体前提の場合より難しくなると考えます。
④ 固定資産税評価額で買えば安心か
固定資産税評価額は固定資産税を計算するための価格で、この額で売買すれば法人税や所得税の時価として当然に認められる、という定めはありません。逆に、時価より高く買ったと見られる可能性もありますので、評価額を使う場合も②と同じ資料で金額を説明できるようにしておくことをお勧めします。
少しでも判断の材料になれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
- この回答が役にたった:0
回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る税務上、評価額という側面からは、理論的には、税務署からの指摘を受ける可能性はあります。
ただし、不動産の譲渡における時価は、評価額とは異なります。
第三者間において決定された取引価格であれば、税務署側から否定される可能性が高くはないと考えます。
- 回答日:2026/09/10
- この回答が役にたった:0
回答した税理士
🌟Empower Your Dreams🌟【起業から上場まで変えられる未来に伴走します】OLIViENT GLOBAL PARTNERS 税理士法人(旧:長南会計事務所)
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 67029), 公認会計士(登録番号: 4694), その他
回答者についてくわしく知るこんにちは、税理士の川島です。
質問1:1円を「時価」としてよいか?
認められないリスクが非常に高いです。
固定資産税評価額は公的な「公示地価」をベースに算定されており、税務署や裁判所が最重視する客観的基準だからです。「解体が未定(利用できる可能性がある)」である以上、当事者間の合意だけを根拠に1円を時価と主張しても否認される可能性が高いです。
質問2:低額譲渡にならないか?
低額譲渡とみなされ、双方に課税リスクが生じます。
法人(買主): 評価額との差額約200万円が「受贈益」となり法人税が発生。
個人(売主): 200万円で譲渡したとみなされ「みなし譲渡所得課税」の対象。
- 回答日:2026/09/09
- この回答が役にたった:0
大変ありがとうございます
追加で確認ですが
・仮に解体前提の場合であれば、妥当か・解体前提にしないのであれば、いわゆる固定資産税評価額での売買が
色々うるさく言われないということか投稿日:2026/09/09
