修理費を資産化できるか?
事業用乗用車。例年になくエンジン回りの故障が相次ぎ、30万円を超える修理費を支払いましたが、修理が複数回(エンジン回りの異なる故障)になったため、一回の費用は10万円未満でした。これらをエンジン回りの更新として資産化することは可能でしょうか?赤字決算を避けるための必要からの質問です。
ご質問ありがとうございます。例年にない故障が続いて修理代がかさみ、決算が赤字になりそうだと気が重くなりますよね。お気持ちはよく分かります。
結論から申し上げると、エンジン回りの故障を直して元の状態に戻すための修理であれば、その費用は性質として「修繕費」にあたり、後から「エンジン回りの更新」としてまとめて資産に計上するのは難しいと考えます。
① 修繕費か資産かは「中身」で決まります
資産に計上する支出(資本的支出)は、修理によって車の価値を高めたり、使える期間を延ばしたりする部分です。部品を特に性能の高いものに取り替えたときの、通常の取替えを超える部分などがこれにあたります(法人税基本通達7-8-1、所得税基本通達37-10)。一方、通常の維持管理や、壊れた部分を元に戻すための費用は修繕費です(法人税基本通達7-8-2、所得税基本通達37-11)。箇所の異なる修理を一つにまとめて呼んでも、それぞれが元に戻す修理であれば、扱いは変わりません。
②「少額なら修繕費にできる」という取扱いについて
1回の修理にかかった金額が通達の定める少額の基準に満たない場合は、修繕費として処理することを認める取扱いがあります(法人税基本通達7-8-3、所得税基本通達37-12)。これは、資産か修繕費か判断が難しいときに使える簡便な目安で、「できる」と書かれているのはそのためです。もともと修繕費にあたるものを資産にしてよい、という意味ではありません。基準となる金額は、年分や事業年度によって見直されることもありますので、通達の本文でご確認ください。
③ 赤字になっても、損をするわけではありません
青色申告をしていれば、赤字は翌期以後に繰り越して、将来の黒字と相殺できます。繰り越せる年数は、法人(法人税法57条)と個人事業の方(所得税法70条)とで異なり、欠損金の生じた時期によっても違いますので、条文や国税庁のタックスアンサーでご確認ください。金融機関への説明が気になる場合は、一時的な修理費で赤字になったことを説明資料で伝える方が、数字を動かすより安心だと思います。
④ 念のためご確認いただきたいこと
修理の中に、元の部品より明らかに性能の高い部品への交換や、新しい装置の追加が含まれている場合は、その部分だけは資産になり得ます。整備工場の明細で、交換した部品と作業内容を確かめておかれると安心です。
思わぬ出費が続いて大変だったと思います。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/19
- この回答が役にたった:1
どうもありがとうございました。
投稿日:2026/10/19
回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る修繕費にすることができるという規定ですので、資産計上しても税務署は問題にしないと思われます。
30万円程度で赤字になるとすると、他の経費を見直した方が良いかと思います。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1379.htm
- 回答日:2026/09/08
- この回答が役にたった:1
よくわかりました。どうもありがとうございました。
投稿日:2026/09/08
ところで、ストラーダ税理士法人様は、修繕費にしなければならない、と。まったく異なる見解なのですが、判断の根拠が知りたいです。
投稿日:2026/09/08
修繕費については、資産計上が必要な資本的支出との区分が困難なところがあるため、タックスアンサーでの表現は「できる(計上しても大丈夫)」という表現を使用していると思われますが、規定上は法人税基本通達37-11(修繕費に含まれる費用)で「業務の用に供されている固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又は災害等によりき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となる」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/07.htm
と記載されています。
赤字回避等のために、費用となる修繕費を、資本的支出として資産計上すと、粉飾として決算書の信頼性を損なうリスクがあります。
参考にしてください。
- 回答日:2026/09/08
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むむむむ、そうですか。どうやら難しそうですね。わかりました。有難うございました。
投稿日:2026/09/08
単なる修理の場合は修繕費として計上する必要があります。
赤字決算を避けるためには、例えば法人の場合には減価償却費の計上の有無等税法に沿った対応が考えられますので、会社の状況を良くご存じな顧問税理士にご相談されてはいかがでしょうか。
参考にしてください。
- 回答日:2026/09/08
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唐澤ルミ税理士事務所様は、修繕費にすることができる、と。ストラーダ税理士法人様は、修繕費にしなければならない、と。まったく異なる見解なのですが、判断の根拠が知りたいです。
投稿日:2026/09/08
