設立前に個人カードで払った会計ソフト代を、法人口座から自分へ払い戻してよいですか
お聞きしたいことは次の4点です。
1. 設立前に個人名義のクレジットカードで支払った会計ソフト代(約11万円)を、法人口座の開設後に法人から自分へ払い戻す処理は問題ありませんか。仕訳もあわせて教えてください。
2. その場合の証憑は、事業者から届いたメールの控えや、管理画面からダウンロードした領収書のPDFで足りますか。
3. 個人カードで払った経費を精算しないままにすると役員立替金として残ると聞きました。どのくらいの金額から注意が必要ですか。払い戻しはどのくらいの頻度で行うのがよいですか。
4. 逆に、社長が会社にお金を貸す(役員借入金)のは、どのくらいまでなら問題ありませんか。利息を設定する必要はありますか。
【前提】
・2026年10月設立予定の株式会社。代表取締役1名のみ。決算期9月/資本金200万円
・法人口座と法人カードは設立後でないと作れないため、当面は個人カードで払って精算する形が続きます
・クラウド会計ソフト(法人向け)で自分で記帳します。顧問税理士はまだいません
設立前の支払いと設立後の支払いとで扱いが変わるようでしたら、その違いも教えてください。
ご質問ありがとうございます。設立直後は法人口座も法人カードもないので、立替えの精算や社長と会社のお金の出入りをどう整理するか、最初に決めておきたいところですよね。
結論から申し上げると、設立前に立て替えた会計ソフト代を会社から払い戻すことは問題ありません。会社が負担する費用であることを記録に残し、「未払金(役員)」で計上してから精算します。社長から会社への貸付け(役員借入金)も、金額の上限はなく、無利息でも通常は問題ありません。
1. 会計ソフト代の払い戻しと仕訳
会社の事業に使うソフトの代金であれば、会社の費用として社長に払い戻して構いません。ただ、年間利用料は、会社の設立そのもののための費用(創立費)ではなく、設立後に使うための費用ですので、利用期間に応じて費用にするのが素直です。
・設立日:前払費用 110,000円/未払金(役員) 110,000円
・毎月:支払手数料(月割額)/前払費用
・払い戻し時:未払金(役員)/普通預金
2. 証憑
メールの控えや、管理画面からダウンロードした領収書のPDFで足ります。宛名が個人でも、立替精算書(日付・内容・金額・会社が負担する理由)を作って一緒に保存すれば、会社の取引として説明できます。メールやWebで受け取った領収書は電子取引にあたるため、印刷ではなくデータのまま保存しておくと安心です(電子帳簿保存法7条)。
3. 精算しないまま残る立替え
社長が立て替えた分は、会社から見ると社長への借り(未払金)で、金額の大小で税金がかかるものではありません。ただ、残したままだと、どの支払いが未精算か分からなくなりやすいので、月に1回など決まった頻度で精算書を作り、まとめて払い戻すと管理しやすいです。注意が必要なのは逆向き、つまり会社のお金を社長が個人的に使う「役員貸付金」で、こちらは利息の計上や役員への給与とされる問題が生じます(法人税基本通達9-2-9)。
4. 役員借入金
利息を付けるかどうかは自由ですが、付ける場合は、社長個人の側で受け取る利息が所得になります。社長から見た会社への貸付金は社長の財産ですので、将来の相続では相続財産になります。返す見込みのないまま積み上げないよう、残高を時々確認していただくと安心です。
5. 設立前と設立後の違い
設立前の支払いは、会社の負担とすることを明らかにしたうえで、設立日に会社の帳簿に取り込みます。設立のための費用は「創立費」、設立後から営業開始までの開業準備の費用は「開業費」となり、いずれも一度に費用にすることも、分けて費用にすることもできます(法人税法施行令14条1項、64条1項1号)。設立後の支払いは、通常の経費として処理します。
少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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