自社ビルの他社入居に伴うレイアウト変更工事の固定資産計上について
自社ビルに他社が入居するため2Fと3Fで約7千万のレイアウト変更工事を行います。
2Fでは部屋の半分がサーバー室と書庫と執務室、廊下を挟んで半分が大会議室で
壁を壊して一つの執務室を作ります。
また、トイレの数を増やすために他のスペースを壊して拡張工事を行います。
通常は移設や照明器具交換は費用になると思いますが
以下の場合どうなるのでしょうか。
①2F、3Fともに固定資産登録されている特殊な照明システムを
使い勝手を良くするために、対応した照明器具とともにすべて撤去し、
新たな照明器具とランプに交換して切り替え工事、ブレーカー増設工事を行うが
この場合でも費用になるのでしょうか。
②既設のLAN配線やOAタップの配線替えで2Fが100万、3Fが300万位だが
今回のレイアウト変更の一部でも移設になるので費用になるのでしょうか。
今回の工事は、修繕費(費用)となる部分と、資本的支出(資産計上)となる部分が混在すると考えられ、一律に費用処理はできません。判定の基本は、原状回復や単なる移設にとどまるか、価値の増加や使用可能期間の延長を伴うかという実質判断です。
①既存の照明システムを器具ごと撤去し、新設備へ切り替えたうえでブレーカー増設まで行う工事は、単なるランプ交換(国税庁の質疑応答事例では修繕費)とは異なり、機能向上や物理的付加を伴うため、資本的支出とされる可能性が高いと考えられます。また、撤去する旧照明システムの未償却簿価は、固定資産除却損として損金計上の検討が必要です。
②LANやOAタップの配線替えも、単純な移設部分は修繕費ですが、増設や能力向上を伴う部分は資本的支出となります。金額も2F・3F合計で約400万円と大きく、形式基準(60万円未満等)も超えるため、区分判定が重要です。
工事全体を一括で判断せず、工事明細・見積書の内訳ごとに区分することが基本ですので、税理士または所轄の税務署へ具体的にご相談されることをお勧めします。
- 回答日:2026/08/14
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お忙しいところご回答どうもありがとうございました。
投稿日:2026/08/14
回答した税理士
税理士法人クラウドパートナーズ - CloudPartnersGroup -
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 4840), 公認会計士(登録番号: 28575), 社労士(登録番号: 13190554), 中小企業診断士(登録番号: 424441), その他
回答者についてくわしく知るご質問ありがとうございます。7千万円規模の工事になると、費用にできるか資産になるかで決算への影響も大きく、慎重になりますよね。すでに回答が寄せられていますので、私からは判断の根拠となる通達と、見積書の分け方を補わせてください。
結論から申し上げると、今回の工事は全体として「他社が入居するための改装」ですので、資産(資本的支出や新たな設備の取得)として扱う部分が中心になり、費用にできるのは単純な移設や撤去に当たる部分に限られると考えます。
① 用途変更の改装は資本的支出が原則です
法人税基本通達7-8-1では、資本的支出の例として「用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用」と「物理的に付加した部分に係る費用」が挙げられています。壁を壊して執務室を作り直す工事や、トイレを増やす拡張工事はこれに当たり、原則として建物の資本的支出になります。資本的支出は、建物本体と種類・耐用年数を同じくする資産を新たに取得したものとして償却します(法人税法施行令55条1項)。
② 照明設備とブレーカー
照明は、耐用年数省令の別表第一で建物附属設備の「電気設備(照明設備を含む。)」に当たり、耐用年数は15年です(蓄電池電源設備を除く)。既存の照明システムを器具ごと撤去して新しい設備に切り替える場合は、修繕ではなく、新しい設備の取得と考えるのが自然です。撤去する旧設備の未償却残高は除却損として損金になりますので、撤去した設備の明細と撤去の記録を残しておいてください。ブレーカーの増設も、設備を付け加えるものですので資産になります。
③ LAN配線・OAタップ
既存の配線を同じ規模のまま付け替えるだけの部分は、費用にできる余地があります。一方、回線や口数を増やす部分は資本的支出です。区分が明らかでない部分については、60万円未満か、その設備の前期末取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として処理できる取扱いがあります(法人税基本通達7-8-4)。ただし今回は2階100万円・3階300万円とのことですので、この基準には当たりにくいと思われます。その場合でも、継続して「30%相当額と前期末取得価額の10%相当額のいずれか少ない金額を修繕費、残りを資本的支出」とする方法が認められています(同7-8-5)。
④ 見積書の分け方
工事業者さんに、「撤去・解体」「移設(同規模)」「新設・増設」「内装(壁・床・トイレ)」「照明」「電気(ブレーカー)」「LAN・OA」といった単位で内訳を出していただくと、判定と固定資産台帳への登録がずっと楽になります。
大きな工事ですので、着工前に内訳の段階で整理しておかれると安心です。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る①照明設備の刷新について
既存の特殊照明(固定資産)の撤去にかかる未償却残高や撤去費用は「固定資産除却損」となります。一方、使い勝手向上を目的とした新規照明の設置やブレーカー増設は、建物の資産価値や物理的機能を高めるため、一括の費用(修繕費)ではなく「資本的支出」または「新規取得」となる可能性が高いと考えられます。
②LAN・OA配線の移設について
単なるレイアウト変更に伴う既存配線の移設・再配置であれば、原則として「費用(修繕費等)」として処理可能です。ただし、移設時に通信規格を上げるなど明確な機能向上(価値増加)を伴う部分は、資本的支出と判定される余地があります。
- 回答日:2026/08/16
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