非常勤役員に対する退職金について
10年ほど前に代表取締役から非常勤役員へ変更した際に、分掌変更による退職金を支給しております。今回、非常勤役員からも退任する予定ですが、再度退職金を支給しても問題ないのでしょうか。
結論から申し上げますと、今回の退任時に改めて退職金を支給すること自体は可能で、原則として役員退職給与として損金算入の対象になり得ると考えられます。
以前の分掌変更時の支給は、代表取締役から非常勤役員へと職務内容が大きく変わり実質的に退職と同様の事情があるとして退職金を支給されたものと思われます。今回は非常勤役員としての地位からも完全に退任されるため、これは通常の退職に当たり、そのことに問題はないと考えられます。
なお、退職金の金額が不相当に高額と判断される部分は損金に算入できない場合があります。金額の妥当性は、在任期間や最終報酬月額、同規模同業他社の水準などを踏まえて検討することになりますが、前回支給分との関係で在任期間の数え方をどう整理するかも論点になり得ます。
具体的な金額の算定や適正額の判断については、税理士または所轄の税務署にご相談いただくことをお勧めします。
- 回答日:2026/07/24
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回答した税理士
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- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 4840), 公認会計士(登録番号: 28575), 社労士(登録番号: 13190554), 中小企業診断士(登録番号: 424441), その他
回答者についてくわしく知るご質問ありがとうございます。一度分掌変更で退職金を受け取っていると、「二度目は認められるのだろうか」と心配になりますよね。支給できるという点はすでに回答がありますので、私からは金額の考え方と、受け取る側の所得税の計算を補わせてください。
結論から申し上げると、今回の完全な退任で再び退職金を支給すること自体は可能です。ただし、計算の基礎にできるのは前回の支給の後の期間(非常勤役員としての約10年)で、受け取る側の勤続年数も同じように数えます。
① 会社側(法人税)
10年前の支給は、常勤から非常勤になるなど地位や職務の内容が激変し、実質的に退職したのと同様の事情があったことで、退職給与として扱われたものです(法人税基本通達9-2-32)。今回は役員を退任されるので、通常の退職に当たります。
ただし、役員退職給与のうち不相当に高額な部分は損金になりません(法人税法34条2項)。前回の分で代表取締役時代の功労はすでに報いていますので、今回は非常勤役員としての在任期間と報酬を基礎に、金額を組み立てることになります。例えば「最終報酬月額×在任年数×功績倍率」で計算する場合は、非常勤のときの報酬月額と、前回の支給後の在任年数を使うのが自然です。支給額は株主総会の決議(または決議に基づく取締役会の決定)で定め、議事録を残しておいてください。
② 受け取る側(所得税)
同じ会社から前に退職手当等を受け取っている場合、前回の支給の計算の基礎になった期間の末日以前は、今回の勤続期間に含めません(所得税法施行令69条1項1号ハ)。今回の勤続年数は、前回の支給の後の約10年で数えることになります。
勤続年数が10年であれば、退職所得控除額は40万円×10年=400万円です。役員としての勤続年数が5年を超えていますので、控除後の金額の2分の1が課税の対象になります(5年以下の「特定役員退職手当等」には当たりません)。
支給の前に「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出していただければ、会社が正しい税額を源泉徴収し、原則として確定申告は不要です。
③ 確認していただきたいこと
前回の支給の際に、計算の基礎とした期間(就任日から分掌変更の日まで)がどのように記録されているか、議事録や規程を確認しておいてください。今回の勤続期間の起点と、金額の妥当性の説明の両方に使います。
長くお務めになったご功労に、気持ちよく報いることができますように。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
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- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る再度、退職金を支給することは問題ありません。
10年前の支給は役位変更に伴う「分掌変更による打切支給」であり、今回は非常勤役員からの「完全な退任」です。それぞれの支給原因が異なるため、独立した退職給与として損金算入が認められます。
- 回答日:2026/07/24
- この回答が役にたった:1
再度支給すること自体は可能ですが、税務上否認されないよう慎重な算定が求められます。前回の分掌変更による退職金は代表取締役時代の功労報償であるため、今回の退職金は「非常勤役員として勤務した直近10年間」のみを対象として計算しなければなりません。具体的には、非常勤としての最終報酬月額と妥当な功績倍率に基づき算定し、適正な株主総会決議を経ることが必須です。
- 回答日:2026/07/27
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