1. 税理士TOP
  2. 税理士相談Q&A
  3. 節税対策
  4. 外国からの送金受け取りへの課税の有無、あるいは回避方法について

外国からの送金受け取りへの課税の有無、あるいは回避方法について

    外国からの送金を国内の口座で受け取る場合、収入とみなされ課税されるかどうかという疑問です。外国の弁護士の口座から日本国内の私の銀行個人口座への振り込みという形になり、額は数百万円となります。私は日本国籍者ですが、外国の公的機関で勤務し、その国の銀行口座に預金していました。その預金が巧妙な手口でほぼ全額盗難に遭ったため、銀行相手に管理責任を問う裁判を起こし、このほど勝訴いたしました。もともと口座に預金していた額(自分のお金)+裁判で争っていた期間の利子から弁護士費用を引いた額が送金額になります。今回は外国の弁護士の口座から国内の私の個人口座への送金になるため、日本の税務署に収入と判断され、多額の税金がかけられはしないかと心配しております。犯罪に遭い、裁判で争って勝訴し、もともと自分のお金(+裁判で争っていた期間の利子)であることを証明する書類を弁護士さんに作ってもらえば、非課税とする事ができるのでしょうか?自分が汗水たらして得た収入を奪われ、それを4年かけて裁判で争い、取り戻したものという思い入れがあり、可能な限り非課税で送金を受け取りたいと考えております。

    【結論】 海外から送金を受けること自体には、所得税はかかりません。所得税は「所得」にかかる税金です。 ・もともとの預金(元本)そのもの(外貨ベース)が戻ってきた部分は、新たな所得ではないため課税されません。 ・課税の可能性があるのは、上乗せされた「利子・遅延損害金」の部分だけです。それも、その性質と、受け取る時点で日本の居住者かどうかによって変わります。 ・「証明書類を作れば非課税になる」のではありません。性質が非課税のものは、もともと課税されません。書類は、それを説明するための資料です。

    ① 元本部分 銀行に預金の払戻しを求めた(預金返還請求)のであれば、ご自身の財産が戻ってきただけで、所得は生じません。 盗難の損害について損害賠償として受け取った場合も、「不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金」は非課税です(所得税法9条1項18号、所得税法施行令30条2号)。 いずれにしても、元本部分に課税されることはないと考えられます。なお、もともとの預金が外国勤務時代の給与だった場合も、今回の受取りで改めて課税されることはありません。 ただし、外貨建ての預金・賠償金を円に換えて受け取る場合、預入れ時からの円安による為替差益が雑所得として課税される可能性があります(同法57条の3)。

    ② 利子・遅延損害金部分 判決の中で、この部分がどう位置づけられているかによって、取扱いが分かれます。 (a) 預金契約に基づく約定利息の場合は、利子所得です(同法23条)。日本の預金利息は15%の源泉分離課税ですが、これは「国内において支払を受けるべき」利子が対象です(租税特別措置法3条1項)。外国の銀行の預金利息は対象外なので、給与などと合算する総合課税になると考えられます。 (b) 損害賠償に付随する遅延損害金の場合は、元本の損害賠償が非課税であれば、遅延損害金も非課税とされた裁決例があります(国税不服審判所 平成22年4月22日裁決。元勤務先の不法行為に基づく損害賠償金に係る遅延損害金の事案で、本件に当てはまるかは個別判断です)。一方、銀行の預金返還債務の履行遅滞による遅延損害金と構成されれば、雑所得として課税される可能性があります。個別の事実関係により判断が分かれますので、判決文で請求の根拠(契約か不法行為か)と内訳を確認してください。

    ③ 居住者か非居住者か 日本国籍の方が日本に住所を有する居住者であれば、全世界の所得が課税対象です(同法2条1項3号・4号、7条1項1号)。国外勤務中に居住者・非居住者のどちらだったかは、住所の実態(生活の本拠)で判定します(所得税基本通達2-1)。 ・判決が確定し支払を受ける年(令和8年中なら令和8年分、令和9年以降ならその年分)に日本の居住者であれば、②で課税される部分はその年分の確定申告の対象になります。外国で税金が差し引かれていれば、外国税額控除(同法95条)の対象になり得ます。 ・その時点で海外に住む非居住者であれば、日本で課税されるのは国内源泉所得に限られます(同法7条1項3号)。外国の銀行から生じた利子等は、通常これに当たらないと考えられます。 帰国の時期と、判決確定・支払の時期の前後関係が重要です。

    ④ 弁護士費用 課税部分が雑所得であれば、それに対応する弁護士費用(按分)を必要経費として差し引ける余地があります(同法35条2項2号・37条1項)。利子所得には必要経費の控除がありません(同法23条2項)。元本と利子に按分した明細を弁護士に作ってもらうと、整理しやすくなります。

    ⑤ 雑損控除について 盗難の損失についての雑損控除(同法72条)は、居住者の資産が対象で、損害賠償で補塡される部分は除かれます。今回のように取り戻せた場合や、盗難当時が非居住者だった場合は、関係しないと考えられます。

    ⑥ 実務上の注意 100万円を超える海外からの送金は、受け取った金融機関が「国外送金等調書」を税務署に提出します。そのため、送金があったこと自体は税務署に把握されるとお考えください。 判決文(翻訳)、銀行の預金残高の記録、弁護士の精算書(元本・利息・弁護士費用の内訳)、送金明細を保存しておけば、問い合わせがあっても元本部分が所得でないことを説明できます。 分割して送金する、他人名義で受け取るといった方法は「回避」にならず、かえって問題になります。正しく区分すれば、課税は利子部分などの必要最小限で済みます。

    最終的な判断には判決内容の確認が必要です。帰国時期と判決書をお持ちのうえ、お近くの税理士にご相談ください。

    • 回答日:2026/11/03
    • この回答が役にたった:1

    必須

    あと字

    必須

    質問投稿者以外は返信できません。メールアドレスは質問者の確認のみに利⽤します。

    回答した税理士

    後藤隆一税理士・公認会計士事務所

    後藤隆一税理士・公認会計士事務所

    • 認定アドバイザー評価ランク1
    • 愛知県

    税理士(登録番号: 136817), 公認会計士(登録番号: 29085)

    回答者についてくわしく知る

    海外からの入金の全てに税金がかかる訳ではありません。その入金が倍書金である書類を作ってもらっておく必要はあります。税務署からお尋ねが来た時は、その書類を基に説明してください。
    外貨を円に換えた段階で為替差損益が出る可能性があります。

    • 回答日:2026/11/03
    • この回答が役にたった:1
    • 昨日「外国からの送金受け取りへの課税の有無、あるいは回避方法について」という件名で質問したものです。迅速なご回答、まことにありがとうございます。ご回答を参考に、「倍書金である書類」を作成してもらえるよう、弁護士に相談したいと存じます。取り急ぎ、お礼を申し上げます。

      投稿日:2026/11/03

    必須

    あと字

    必須

    質問投稿者以外は返信できません。メールアドレスは質問者の確認のみに利⽤します。

    回答した税理士

    唐澤ルミ税理士事務所

    唐澤ルミ税理士事務所

    • 認定アドバイザー評価ランク3
    • 神奈川県

    税理士(登録番号: 134162)

    回答者についてくわしく知る

    ご質問ありがとうございます。4年にわたる裁判の末に勝訴されたとのこと、まずは本当にお疲れさまでした。取り戻したお金が、受け取る段階で課税されてしまわないかというご心配は、もっともだと思います。順を追ってご説明します。

    結論から申し上げると、「国外から送金を受けたこと」自体で課税されるわけではなく、受け取るお金の中身ごとに課税の有無が決まります。ご自身のお金が元に戻る部分は、所得にならないと考えられますが、利息などの部分は整理が必要です。

    ① 送金を受けただけでは課税されません
    日本の居住者の方は、国内外を問わず全ての所得が所得税の対象になります(所得税法7条1項1号)。ただ、課税されるのは「所得」であり、もともとご自身の預金だったお金が返ってくる部分は、新たに得た所得ではなく、元本が戻ってきたものと考えられます。送金の経路が外国の弁護士さんの口座経由であることも、課税関係は変えません。

    ② 判決で認められた内訳を確認してください
    受け取る金額は、元の預金、裁判期間中の利息、弁護士費用の差引きなどで構成されているとのことです。このうち、不法行為や突発的な事故で資産に生じた損害について受ける損害賠償金は、所得税が非課税とされています(所得税法9条1項18号、同施行令30条)。国税庁のタックスアンサー No.1700 も参考になります。一方、利息にあたる部分や弁護士費用の扱いは、判決や和解書での名目と性質によって変わり得ますので、内訳が分かる書類で個別にご確認いただくと安心です。

    ③ 書類について
    弁護士さんに作ってもらう書類は、課税・非課税を決めるものではなく、税務署から尋ねられたときに、お金の性質を説明するための資料になります。判決文、和解書、送金の明細、元の預金の残高が分かる書類を併せて保管しておくと、説明しやすくなります。

    ④ ほかに確認すると安心な点
    ・円に換える時期や方法によって、為替差損益が生じる場合があります。
    ・過去の確定申告で、盗難による損失を申告に反映させたことがある場合は、回収分の扱いが変わることがありますので、あらためてご相談ください。
    ・国外からの送金の受領では、金融機関への告知書の提出が必要になる場面があります(国外送金等調書法3条)。
    ・お勤めだった外国の制度による課税の有無も、念のためご確認ください。

    金額が大きいため、受け取りの前に、判決文などをお持ちのうえ、国際税務に詳しい税理士に個別にご相談いただくことをお勧めします。

    少しでもお役に立てれば幸いです。ご不明な点があれば、またお気軽にご質問ください。
    ※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。

    • 回答日:2026/11/04
    • この回答が役にたった:0

    必須

    あと字

    必須

    質問投稿者以外は返信できません。メールアドレスは質問者の確認のみに利⽤します。

    質問への回答を投稿してください

    あと字

    タグ指定・タグ変更

    タグのみ変更する場合は変更するタグを選択し、投稿内容は何も書かずに「投稿する」ボタンを押してください。

    知識がなくても安心 税理士選びを専門コーディネーターが丁寧にサポート 相談予約はこちら