外注費が給与とみなされるかについて
外注費で、以下の内容で事務員(知り合いの方)に事務作業を委託しています。
・報酬は固定で20万円
・作業内容は経理や事務、雑用
・作業場所や作業時間は当社事務所で時間も指定した日に来てもらう
・契約書や請求書等はなし
・事務員の方の交通費の支給等はなし
以上ですと、給与とみなされるリスクがありますでしょうか。
また、外注費に引き続きするためには、どのようにしたらよいのでしょうか。
限りなく給与であると感じます。
ご提示いただいた条件では、税務署から「実態は外注ではなく給与である」とみなされるリスクが非常に高いと言えます。
特に、場所・時間の拘束や指揮命令の有無が判断の焦点となります。
一例を挙げます。市区町村が医師に予防接種を依頼した場合ですが、一般的に公共施設で行う接種は給与で、その医師の医院で行うものは報酬となります。この差はなんでしょうか。
以下の点は、税務調査において「雇用関係(給与)」と判定される典型的な特徴です。 自社の事務所で指定した日に来てもらう形式は、空間的・時間的な拘束が強く、指揮命令下にあるとみなされます。また、 作業時間や成果に関わらず定額を支払う形式は、労働の対価(給与)としての性質が強いと判断されがちです。更に、外注であれば、独立した事業主として自ら請求書を発行し、請負金額を計算するのが一般的です。これがないと「独立した事業者」とは認められにくくなります。また、 事務所の備品やPCを使用している場合、受注者が自己の資材で業務を完結させていないため、給与認定の要因となります。
引き続き外注費として処理するためには、「相手が独立した事業主として業務を請け負っている実態」を整える必要があります。 そのためには、雇用関係ではなく「業務委託(請負・準委任)」であることを明文化します。
また、毎月、本人に請求書を作成・発行してもらってください。
そうして一番重要なのは、「何時から何時まで」という時間指定ではなく、納品期限や業務完了を条件とする形式に変えます。本人の裁量で作業できる部分を増やしてください。単なる固定額ではなく、作業内容や成果物の分量に基づいた算出根拠を設けることも重要かと思われます。
私が税務署員時代であった頃ならば、お申し出の内容は即給与として是正していたと思います。ご注意を。
- 回答日:2026/01/05
- この回答が役にたった:1
所得税基本通達で個人事業者と給与所得者の区分が次のように定義されています。
事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
⑴ その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
⑵ 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
⑶ まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
⑷ 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。
上記の定義を基に、お尋ねの支払いが個人事業者に対する外注費になるか、給与所得者に対する給与になるかを現在の状況で判断すると、税務調査において「給与」と認定されるリスクが非常に高い状態です。
1 高いリスクの主な理由
⑴ 指揮命令関係がある:自社事務所での作業指定や日時の指定があり、会社の管理下に入っている。
⑵ 時間・場所の拘束:「当社事務所」「指定した日に来てもらう」など、勤務時間・場所が固定されている。
⑶ 契約書・請求書がない:業務委託(請負・委任)としての客観的な証拠が一切ない。
2 否認された場合のペナルティ
⑴ 源泉所得税、不納付加算税及び延滞税の追徴
⑵ 消費税の仕入税額控除の否認(外注費は消費税対象、給与は対象外のため)
⑶ 各種加算税(過少申告や重加算税)の発生
3 外注費として認められるための改善策
外注費としての実態を整えるためには、契約内容や働き方の実態を「会社からの指揮命令を受けない独立した業務」に変更する必要があります。
⑴ 契約・書類面の整備
業務委託契約書の締結
① 雇用契約ではなく、請負契約または準委任契約の契約書を必ず作成する。
② 「作業内容」「納品物」「成果物の検収方法」「報酬の支払い条件」を明記
する。
③ 請求書・領収書の授受
・ 毎月、相手方から当月分の請求書を発行してもらい保管する。
・ 報酬支払い時には、振込明細書や領収書を残す。
⑵ 働き方・実態の変更
① 時間・場所の自由度を持たせる
② 事務所への出社義務や日時指定をなくし、納期までのスケジュールを相手の裁量に委ねる。
③ リモートワーク(在宅)や、成果物ベースでの進行に切り替える。
⑶ 業務の代替性を認める
本人以外が作業(または補助)を行うことを認める契約にする。
⑷ 報酬・経費の調整
① 成果や業務量に応じた報酬設定
② 単なる「固定給のような20万円」ではなく、業務量や成果物のボリューム
に連動した金額設定にする。
⑸ 交通費の扱いを見直す
交通費を支給しない場合でも、それが自己責任による業務遂行の対価であることを契約書等で裏付ける。
現状の「事務所に時間指定で来てもらう形」を続けるのであれば、外注費としての処理は極めて困難です。リスクを完全に避けるためには、通常の「アルバイト・パート等の給与」として雇用契約に切り替え、源泉徴収や社会保険・労働保険の手続きを行う方向もご検討ください。
- 回答日:2026/10/15
- この回答が役にたった:0
