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個人事業から法人へ譲渡したWebメディアの時価評価と資産区分について

    個人事業として運営していたWebメディアを、2025年10月31日の法人設立時に法人へ譲渡した取扱いについて質問します。

    過去の質問では「112万円について創業支援機関による客観的な時価評価資料がある」と記載しましたが、正確には、公的機関が作成した正式な評価書ではなく、当時の税理士相談用に作成した試算資料でした。前提を訂正します。

    2025年の個人事業の実績は、売上高649,010円、必要経費3,802,093円、事業所得△3,153,083円です。ただし、必要経費のうち約1,397,000円は記事制作費、約2,194,000円はオリジナルテーマ開発費であり、既存コンテンツ及びシステムへの先行投資でした。

    譲渡時点では、約6年間の運営歴、約1,000記事、月間約50万PV、ドメイン、既存コンテンツ、オリジナルテーマ、YouTubeチャンネル、教育機関での利用実績等がありました。法人は設立後、これらを引き継いで同一事業を継続しています。

    この場合、2025年10月31日時点のWebメディア全体の時価を算定するに当たり、どの評価方法を用いるのが適切でしょうか。収益力、記事制作費及びテーマ開発費を根拠として、180万円~200万円程度と評価することに合理性はありますか。

    また、オリジナルテーマ部分をソフトウェア等として区分し、残りを営業権とすべきでしょうか。それともWebサイト全体を営業権として一体評価するのが適切でしょうか。

    個人側は当時免税事業者で、法人側は一般課税です。譲渡価額を税込総額とした場合、法人側で「課対仕入(控80)10%」を適用できるかについても確認をお願いします。

    ご質問を4点に分けて回答します。

    ① どのような方法で時価を考えるか

    Webメディアについて税法上決められた一律の評価算式があるわけではありません。

    今回であれば、過去の制作費を単純に積み上げるより、譲渡時点までの売上・利益の推移、PV等の実績、既存コンテンツやドメイン等が今後の収益にどの程度寄与するか、といった資料から譲渡時点の価値を説明する方が適切だと思います。

    ② 180~200万円という評価は合理的か

    ご記載の情報だけで、その金額を適正時価と断定することは難しいです。

    ただし、2025年が約315万円の赤字だから価値がない、と単純に判断するものでもありません。記事制作費やテーマ開発費が将来の収益獲得のための先行投資であったのであれば、その内容を整理したうえで、過年度を含む収益実績やPV推移などから180~200万円という評価に至った過程を資料として残すことが重要です。

    逆に、「制作費等に約360万円使ったので200万円なら妥当」という説明だけでは、時価の根拠としては弱いと思います。

    ③ ソフトウェアと営業権に分けるべきか

    オリジナルテーマが独立したプログラムとして識別でき、法人へその権利を移転しているのであれば、ソフトウェア等として区分する余地があります。

    一方、記事、ドメイン、アクセス実績等を含むWebメディア全体の価値を、すべて形式的に営業権とすればよいわけでもありません。

    まず「法人へ何を譲渡したのか」を個別に整理し、独立して評価できない事業全体の価値が残る場合に営業権を検討する、という順序がよいと思います。

    ④ 法人側で80%の仕入税額控除はできるか

    2025年10月31日は、免税事業者等からの課税仕入れについて80%控除の経過措置期間内です。

    したがって、法人が一般課税で、譲り受けた資産が課税仕入れに該当し、必要な帳簿・請求書等を保存していれば、経過措置の適用対象となり得ます。「税込」と契約書に記載したことだけで適用が決まるものではありません。

    今回のような本人と自身が設立した法人との取引では、180~200万円という結論を先に置くより、「何を譲渡したか→どう評価したか→その結果いくらになったか」という順序で算定資料と契約内容を整えておくことが重要です。

    最終的な評価額と資産区分については、金額への影響もあるため、資料を確認できる税理士と決めることをお勧めします。

    • 回答日:2026/09/21
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    回答した税理士

    宿り木税理士事務所

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    • 認定アドバイザー評価ランク0
    • 埼玉県

    税理士(登録番号: 112438)

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