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日本非上場法人の株式譲渡に関する、非居住者の日本での課税・申告義務について

    日本非上場法人の株式譲渡に関する、非居住者の日本での課税・申告義務について質問です。

    2026年9月に設立した日本の株式会社(非上場)について、設立時にオーストラリア税務居住者である個人株主が、1株10,000円で75株(750,000円、持株比率75%)を取得しました。

    現在、設立から間もない段階で、この75株のうち20株を、マレーシア税務居住者である個人2名に、それぞれ10株ずつ譲渡することを予定しています。

    譲渡条件は以下のとおりです。

    ・売主:オーストラリア税務居住者の個人
    ・売主の現在の持株比率:75%
    ・買主:マレーシア税務居住者の個人2名
    ・譲渡株式数:各10株、合計20株
    ・取得時の株価:1株10,000円
    ・今回の譲渡価格:1株10,000円
    ・各買主の支払額:100,000円
    ・譲渡総額:200,000円
    ・譲渡する20株の取得価額:200,000円
    ・したがって単純計算上の譲渡益:0円
    ・譲渡後の株主構成:55% / 25% / 10% / 10%
    ・売主は日本の非居住者で、日本国内にPE(恒久的施設)はありません。
    ・会社の資本金は1,000,000円です。
    ・既存株式の個人間売買であり、増資ではありません。

    以下について確認したいです。

    1. この株式譲渡は、所得税法上のいわゆる「事業譲渡類似株式」の譲渡に該当しますか。
    2. 国内法上該当する場合でも、日豪租税条約を適用すると、日本に課税権はありますか。
    3. 取得価額200,000円、譲渡価額200,000円で譲渡益が0円となる場合でも、日本で所得税の確定申告は必要でしょうか。
    4. 日本で申告が必要な場合、売主であるオーストラリア居住者は納税管理人を選任する必要がありますか。
    5. 今回の株式譲渡代金について、買主(マレーシア居住者)、売主(オーストラリア居住者)、または対象会社である日本法人のいずれかに、日本での源泉徴収義務は発生しますか。
    6. 設立から間もなく、第三者増資等もなく、設立時の取得価格と同じ1株10,000円で譲渡する場合、税務上、別途非上場株式の時価評価を行う必要がありますか。
    7. その他、この取引を実行する前に日本税務上行っておくべき届出・手続があれば教えてください。

    株式譲渡実行前に確認したく、ご教示いただけますと幸いです。

    ご質問の株式譲渡に関する日本での課税・申告義務等については、以下のとおりです。

    事業譲渡類似株式への該当性
    日本の所得税法上、非居住者が内国法人の株式を譲渡した際、以下の要件を満たす場合は「事業譲渡類似株式」の譲渡として課税対象となります 。

    所有株数要件: 譲渡年以前3年以内のいずれかの時において、株主とその特殊関係者が25%以上の株式を所有していたこと 。
    譲渡株数要件: 譲渡年において、株主とその特殊関係者が5%以上の株式を譲渡したこと。
    本件では、売主の持株比率が75%(25%以上)であり、今回の譲渡分が発行済株式総数の20%(5%以上)に該当するため、国内法上は「事業譲渡類似株式」の譲渡に該当します 。
    日豪租税条約の適用
    日豪租税条約第13条に基づき、不動産化体株式(価値の50%以上が不動産で構成される法人の株式)や恒久的施設(PE)の事業用資産に該当しない限り、株式の譲渡収益については、譲渡者の居住地国(本件ではオーストラリア)においてのみ課税権が認められます。したがって、通常の事業を行っている日本法人の株式譲渡であれば、日豪租税条約の適用により日本での課税は免除されます。

    確定申告の必要性
    租税条約により日本での課税権が否定されている場合、国内法で課税対象とされる譲渡であっても、最終的に日本での所得税の納税義務は生じません 3。譲渡益が0円であることも含め、租税条約の適用を受けることで日本での申告納税は不要となるのが一般的ですが、その免除を受けるための手続きが必要です。

    納税管理人の選任
    日本で確定申告を行う義務がある場合には納税管理人の選任が必要となりますが、租税条約により日本での課税が免除され、申告が不要となる場合には、そのための選任も不要となります。

    源泉徴収義務
    非居住者による国内株式の譲渡については、不動産の譲渡と異なり、原則として譲渡対価支払時の源泉徴収制度はありません。事業譲渡類似株式に該当する場合でも、課税は申告分離課税(確定申告)によることとされており、買主や対象会社に源泉徴収義務は発生しません 。

    時価評価の必要性
    有償譲渡において対価が適正な額(時価)である限り原則として贈与税等の課税はありませんが、評価額が問題となる場合には、財産評価基本通達に準じた評価(純資産価額方式など)が必要となる場合があります。設立直後で資産構成に変化がない場合でも、税務上の時価を意識した譲渡価額の設定が求められます。

    実行前の届出・手続
    租税条約による免除を享受するためには、「租税条約の適用のための届出書」を、所得の支払者(または所轄税務署)を通じて提出する必要があります 。

    • 回答日:2026/10/03
    • この回答が役にたった:0

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    回答した税理士

    後藤隆一税理士・公認会計士事務所

    後藤隆一税理士・公認会計士事務所

    • 認定アドバイザー評価ランク1
    • 愛知県

    税理士(登録番号: 136817), 公認会計士(登録番号: 29085)

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