お世話になります。スタートアップを経営しており、取締役招聘にあたりストックオプションの設計を検討しています。以下2点について教えてください。
お世話になります。スタートアップを経営しており、取締役招聘にあたりストックオプションの設計を検討しています。以下2点について教えてください。
【会社の状況】
非上場・設立間もないスタートアップ
発行済株式150株(1,000分割予定)
J-KISSにてCAP2億円で資金調達済み
既存株主はJ-KISS保有のエンジェル投資家のみ(未転換)
【質問1】行使価格の算定方法について
2023年7月の国税庁通達により、純資産価額方式で行使価格を算定できると理解しています。
当社は創業間もなく赤字のため、純資産はほぼ出資額(150万円)のみです。この場合、1,000分割後の行使価格を純資産価額方式で算定すると約10円/株になると思われますが、J-KISSのCAP2億円で実際に資金調達が完了している状況でも、純資産価額方式での低廉な行使価格設定は税制適格要件として認められますか?
【質問2】無報酬取締役への付与について
招聘予定の取締役は当面無報酬での就任を予定しています。税制適格SOの要件として「取締役等への無償付与」とありますが、役員報酬がゼロの無報酬取締役への付与でも税制適格要件を満たしますか?
以上、よろしくお願いいたします。
ご質問の税制適格ストックオプションの設計について、2点に分けて回答いたします。
質問1:行使価格の算定方法について
租税特別措置法の規定により、税制適格ストックオプションの行使価格は「契約締結時における株式の1株当たりの価額に相当する金額以上」である必要があります。
非上場会社の株価算定については、純資産価額方式での算定が認められています。ご質問者様の会社が創業間もなく赤字で純資産がほぼ出資額のみという状況であれば、純資産価額方式による算定結果が1,000分割後で約10円/株となることは合理的です。
重要なのは、J-KISSによる資金調達実績があっても、それが直ちに株価算定に影響するわけではないという点です。J-KISSは転換社債型新株予約権であり、実際の株式転換が行われていない段階では、純資産価額方式による算定が税務上適切とされるケースが一般的です。ただし、CAP2億円での調達実績は将来的な企業価値を示唆するものであるため、税務調査等で合理性を問われる可能性もあります。
算定の根拠となる資料(決算書、株主総会議事録、第三者による株価算定書等)を適切に保管し、算定方法の合理性を説明できるよう準備されることをお勧めします。
質問2:無報酬取締役への付与について
税制適格ストックオプションの要件として「取締役等への無償付与」が定められていますが、これは新株予約権自体を無償で付与することを意味しており、役員報酬の有無は直接的な要件ではありません。
無報酬の取締役であっても、その方が会社の取締役として正式に就任し、実際に職務を遂行している限り、税制適格ストックオプションの付与対象となります。むしろ、報酬を受けていない取締役への長期インセンティブとしてストックオプションを活用することは、制度の趣旨に合致しています。
ただし、以下の点にご注意ください。大口株主(発行済株式総数の3%超を保有)やその特別関係者は税制適格ストックオプションの対象外となります。招聘予定の取締役がこれらに該当しないことを確認してください。
また、税制適格ストックオプションには年間行使限度額(1,200万円)や行使期間(付与決議から2年経過後10年以内)等の要件もありますので、制度設計時にこれらの要件も併せてご検討ください。
- 回答日:2026/05/02
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