在庫の売買について
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法人の在庫を役員に売却する時に原価で販売することは問題ありますでしょうか?
販売価格の50%以上で役員に売却しないといけませんでしょうか?
原価で売ること自体はできます。
ただし、消費税と所得税で目安になる価格が違うため、原価がいくらかによって課税関係が変わります。
役員への在庫の値引販売は、次の2点で判断します。
①消費税
法人が役員に資産を時価より著しく低い価格で売った場合、消費税法の規定により、時価で売ったものとして消費税が課税されます。
在庫(棚卸資産)については、消費税法基本通達の取扱いにより、次の2つを両方満たせば「著しく低い」には当たりません。
・売値が仕入金額以上であること
・売値が通常の販売価格のおおむね50%以上であること
原価が販売価格の50%以上の商品なら、原価で売っても実際の売値で消費税を計算できます。
原価が販売価格の50%未満の商品を原価で売ると、通常の販売価格をもとに消費税を計算することになります。
②役員個人の所得税
値引き分は、役員が会社から受けた経済的な利益として、原則は役員の給与扱いになります。
所得税基本通達の取扱いにより、次の要件をすべて満たす値引販売であれば、課税しなくて差し支えないとされています。
・売値が会社の取得価額以上で、通常の販売価格のおおむね70%以上であること
・値引率が役員・使用人の全員に一律か、地位や勤続年数に応じた合理的な差であること
・数量が一般の消費者が家庭で通常使う程度であること
こちらの目安は50%ではなく70%です。
原価が販売価格の70%未満だと、原価販売による値引き分は役員給与として扱われます。
そうなると源泉徴収が必要になり、会社の損金(法人税の経費)にも算入できない可能性があります。
役員だけを対象に値引きする場合も、この要件を満たしません。
まとめると、50%以上で売らなければ違法というわけではありません。
ただ、課税を避けるには、販売価格の70%以上で、かつ原価以上で売るのが安全な水準と考えます。
- 回答日:2026/10/16
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いくらでも販売はできますが、役員給与の認定等の課題はあります。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm
(課税しない経済的利益……商品、製品等の値引販売)
36-23 使用者が役員又は使用人に対し自己の取り扱う商品、製品等(有価証券及び食事を除く。)の値引販売をすることにより供与する経済的利益で、次の要件のいずれにも該当する値引販売により供与するものについては、課税しなくて差し支えない。(昭51直所3-1、直法6-1、直資3-1改正)
(1) 値引販売に係る価額が、使用者の取得価額以上であり、かつ、通常他に販売する価額に比し著しく低い価額(通常他に販売する価額のおおむね70%未満)でないこと。
(2) 値引率が、役員若しくは使用人の全部につき一律に、又はこれらの者の地位、勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。
(3) 値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。
(注) 食事については、36-24、36-38及び36-38の2参照
- 回答日:2026/10/16
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回答した税理士
🌟Empower Your Dreams🌟【起業から上場まで変えられる未来に伴走します】公認会計士長南会計事務所
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 67029), 公認会計士(登録番号: 4694), その他
回答者についてくわしく知る法人の在庫を役員に原価で売却すること自体は禁止されていません。ただし、時価より著しく低い価格で販売した場合、時価との差額が役員給与(経済的利益)と認定され、法人税・所得税の課税問題が生じる可能性があります。
なお、「販売価格の50%以上」という一律の基準はありません。所得税基本通達36-23では、通常販売価額の70%以上などが判断基準となります。原価販売が妥当かは、通常販売価格や在庫状況等を踏まえて判断します。
- 回答日:2026/10/16
- この回答が役にたった:0
国税庁の法令解釈通達および公表情報に基づき回答いたします。
1. 原価での販売に問題はあるか
法人が役員に対して在庫(棚卸資産)を仕入原価で販売することは、税務上の問題(役員給与としての課税リスク)が生じる可能性が高いです。
国税庁の基準において、役員や従業員に自社商品を安く販売した際に給与課税(経済的利益)を受けないためには、仕入原価以上であることだけでなく、「通常の販売価額のおおむね70%以上」で販売する必要があります。
したがって、仕入原価が通常販売価額の70%を下回っている場合、原価で販売すると差額部分が「役員に対する経済的利益(役員給与)」と認定されます。
2. 「販売価格の50%以上」で売却すればよいのか
50%以上では不十分です。
国税庁の所得税・源泉所得税の規定では、基準は「おおむね70%以上」とされています。
【参考:所得税基本通達36-23(商品、製品等の値引販売)の要件】
役員又は使用人が自己の取り扱う商品の値引販売を受けたことにより受ける経済的利益について、次の3つの要件をすべて満たすときは、課税しなくて差し支えないとされています。
価額の要件:値引販売に係る価額が、法人の取得価額(仕入原価)以上であり、かつ、通常他に販売する価額に比し著しく低い価額(通常他に販売する価額のおおむね70%未満)でないこと。
対象者の要件:値引率が、役員又は使用人の全部について一律に、又はこれらの者の地位、勤続年数等に応じて合理的に定められていること。
数量の要件:値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。
「50%」という数値は、消費税法における役員に対する棚卸資産の贈与・低額譲渡のみなし譲渡特例(タックスアンサー No.6321)や、個人から法人への譲渡所得の特例等で見られる基準ですが、所得税(源泉給与)や法人税の低額譲渡判定において非課税枠を担保する基準ではありません。
3. 税務上で生じる具体的な影響
要件を満たさずに「原価(70%未満)」や「特定の役員のみへの恣意的な価格」で販売した場合、以下の税務上の処理が発生します。
所得税(役員個人)
「適正な販売価額(時価)」と「実際の売買価格」との差額相当額が役員に対する給与(経済的利益)とみなされ、所得税が課税されます。
法人側にはその差額に対する源泉所得税の徴収義務が生じます。
法人税(会社側)
役員に対する差額の供与は「役員賞与(臨時的な給与)」とみなされます。
定期同額給与や事前確定届出給与に該当しないため、差額相当額は法人の損金(経費)に算入できません。
社内規程の不備
価格が70%以上かつ原価以上であっても、「全従業員・役員に共通の社内販売規程がない」「特定の役員だけが特別に購入した」という場合は、要件(2)を満たさず全額給与課税とされる可能性があります。
4. 実行する際のチェックポイント
法人の在庫を役員に販売する場合は、国税庁の通達に則り以下の条件をすべて整えておく必要があります。
販売価格が「仕入原価以上」かつ「通常販売価格のおおむね70%以上」であること。
役員だけでなく従業員も含めた「社内販売規程」等をあらかじめ整備し、同一基準で運用すること。
購入数量が個人的に消費する常識的な範囲(転売目的や過大な数量ではないこと)であること。
- 回答日:2026/10/16
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