ハンドメイド商品の棚卸方法について
2年前よりハンドメイド作品をオンラインで販売し、売上は少ないですが青色申告をしております。これまで在庫管理(棚卸)をしておらず、今期の確定申告にて期末棚卸高に入れることで対応できればと考えています。
これまでの制作に掛かる材料費(月に2万円以下)は全て領収書があり、購入時に消耗品費として処理しています。
①2025年度の材料費(現状 消耗品費で処理)は10万円程あり、その内商品の主要となる生地の費用が5万円程あります。売上原価を計算するためにも、生地だけ「仕入」に仕訳し直した方がよろしいでしょうか。
②販売中・仕掛品・未使用分の在庫が10万円程、販売はしないが生地を張り替えて再利用するため残している在庫が4万円程あります。再利用予定の在庫も棚卸資産として計上するべきでしょうか。
③期首棚卸高は「0」になると思いますが、期末棚卸高の仕訳(借方/貸方の勘定科目)をどうすればよいのかがわかりません。仕入と期末棚卸高が同額となるようにするのでしょうか。
事務処理が素人のため、大変お手数お掛けして申し訳ございませんが、ご教授のほど何卒よろしくお願いいたします。
まず、一般論から。消耗品・貯蔵品: 毎期同量購入し、期末在庫に大きな増減がない事務用消耗品、包装材料、作業用消耗品などは、棚卸し作業を省略しても良い事になっています。
さて、ご質問の件ですが、
① 生地の費用を「仕入」に振り替えるべきか
「仕入(または仕入高)」に振り替えるのが望ましいです。
理由としては、 「消耗品費」は原則として、使った分だけを費用にする科目です。一方、「仕入」は売上原価を算出するための標準的な科目です。主要な材料である生地(5万円分)を「仕入」として管理することで、「いくら仕入れて、いくら残ったか(=いくら分売れたか)」という計算が明確になります。副資材(糸、針、ボタン、梱包材など)は、少額であればそのまま「消耗品費」として処理し、棚卸しの対象外(購入時に全額経費)としても実務上は容認されることが多いです。
② 再利用予定の在庫も計上すべきか
はい、基本的には棚卸資産に含める必要があります。
「価値があり、将来的に販売するものに形を変える(またはその一部になる)もの」は在庫となります。4万円分の在庫ですが、生地を張り替えて再利用するのであれば、それは「材料」としての価値を保持しています。今期に費用化(経費にする)するのではなく、資産として計上し、再利用して販売できたタイミングで経費にするのが正しい会計処理です。
③ 期末棚卸高の仕訳について
期首が「0」の場合、期末の仕訳は非常にシンプルです。
1. 振替の仕訳(決算整理仕訳)
帳簿上の「仕入」から、残っている在庫分を差し引いて「棚卸資産」に移す作業を行います。
借方(左) 金額 貸方(右) 金額
商品棚卸高(資産) 140,000円 期末商品棚卸高(収益のマイナス) 140,000円
補足: 会計ソフトを使っている場合、振替伝票で入力するか、決算書作成画面で「期末棚卸高」の欄に「140,000」と入力するだけで自動計算される仕組みが一般的です。
2. 「仕入と期末棚卸高を同額にする」べきか
いえ、同額にする必要はありません。
売上原価の計算式は以下の通りです。
期首残高+期中仕入れ-期末残高
今回の場合(期首 0円、仕入 5万円、期末 14万円と仮定した場合)、売上原価がマイナスになってしまいます。これは「これまでの年度で経費(消耗品費)として落としすぎていた分が、在庫として戻ってきた」ことを意味します。
これまで「消耗品費」で処理していた分も含めて棚卸しを行うため、今期は一時的に「利益が大きく出る(経費が減る)」形になりますが、これが正しい修正プロセスとなります。
今後の運用へのアドバイス
今後は、購入時に以下のように使い分けると管理が楽になります。
主要な材料(生地など)は 購入時に「仕入」で記帳。
少額の副資材・道具: 購入時に「消耗品費」で記帳(棚卸し不要)。
冒頭に述べたように、生地の仕入れを本当に原価計算をすることが必要な事業状態なのかどうかは、難しいですが、極端に少額の場合には、省略するという選択肢も有りなのかなとも思いますよ。
- 回答日:2026/02/27
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ご丁寧にご回答いただきまして誠にありがとうございます。
生地を仕入にして棚卸を行うか、そもそもハンドメイド作品の売上自体がほぼ無い状態ですので省略するかを検討します。
わかりやすいご説明ありがとうございました。投稿日:2026/02/27
