1. 税理士TOP
  2. 税理士相談Q&A
  3. 節税対策
  4. 研究助成金を所属機関へ移した際の寄付控除について

研究助成金を所属機関へ移した際の寄付控除について

    私はとある大学で教員をしています。このたび、財団からの研究助成に採択され、助成金を貰えることになりました。この助成金は私個人の口座に振り込まれるものの使途が決まっており、使用期限や報告義務も定められ、未使用額については返金を要するなど、覚書を交わすこととなります。本助成金は所得税法第9条第1項第13号ニに基づく非課税所得に該当し、所得税の申告も不要と整理されています。
    私の所属機関(大学)では研究助成金を機関で管理してくれる制度があります。使途特定の寄付という形で上記のお金を機関へ移し、自身の研究費として使用したいと思っております。
    この際、寄附金受領証明書を所属機関から受領できるので、これを用いれば寄付控除を受けられるという認識です。
    本来は所得でないお金の分で控除を受けられるので非常に利益を感じられるのですが、税法上特に問題ないという認識でよろしかったでしょうか。

    結論:「税法上、特に問題ない」と言い切るのは難しいと考えます。寄附金控除は、特定寄附金を実際に支出したことが前提で、寄附をした人に特別の利益が及ぶものは対象外とされています。助成金を機関に移して自分の研究費に使う形は、この点が問題になり得ます。事実関係により結論は変わります。

    ①寄附金控除の要件
    寄附金控除は、特定寄附金を支出した場合に受けられ、控除額は「特定寄附金の合計額−2,000円」です(所得税法78条1項、国税庁タックスアンサーNo.1150)。特定寄附金には、国・地方公共団体、特定公益増進法人などへの寄附金があり、寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるものは含まれません(国等への寄附は所得税法78条2項1号に明記。全体についてはNo.1150)。寄附先の大学が、どの区分の受け手に当たるかは、大学が発行する受領証の記載で確認してください。

    ②問題になり得る点
    ・特別の利益:寄附した金額が、そのまま自分の研究費として自分で使えるなら、実質的に自分に戻るお金です。この場合、特別の利益が及ぶと判断される可能性があります。
    ・助成金の性格:使途、使用期限、報告、未使用額の返還が覚書で定められているなら、自由に処分できる自分のお金とはいえません。機関への移管が覚書で認められているかを、財団に確認してください。認められていなければ、寄附として扱われない可能性もあります。
    ・非課税所得との関係:非課税所得を原資とする寄附を、寄附金控除から除く定めは、所得税法78条には見当たりませんでした。ただし、上記の要件を満たすことが前提です。

    ③助成金の非課税の確認
    所得税法9条1項13号ニの非課税は、国等から交付される金品のうち、対価の性質を有しないもので、財務大臣が指定したものに限られます。指定の有無は、財団の案内などで確認してください。ご質問では整理済みとのことなので、前提としています。

    ④進め方
    大学の経理担当と財団に相談し、最初から機関が管理する形で助成金を受け入れる方法があるか確認する方が、リスクは低いと考えます。寄附金控除を受ける場合は、受領証と、寄附の趣旨を説明できる書類を保管してください。判断が分かれる点は、管轄の税務署への事前確認も有効です。

    ※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。

    • 回答日:2026/10/14
    • この回答が役にたった:0

    必須

    あと字

    必須

    質問投稿者以外は返信できません。メールアドレスは質問者の確認のみに利⽤します。

    回答した税理士

    質問への回答を投稿してください

    あと字

    タグ指定・タグ変更

    タグのみ変更する場合は変更するタグを選択し、投稿内容は何も書かずに「投稿する」ボタンを押してください。

    知識がなくても安心 税理士選びを専門コーディネーターが丁寧にサポート 相談予約はこちら