親の介護資金について
昨年まで一人暮らししていた母親と同居することになりました。
私の兄が母の面倒をみると考え、実家の名義は父が他界した時に兄名義にしていました。
兄と相談して、実家を売却した費用は、母の介護や医療費用にすることになりました。
【確認】私名義の銀行に実家売却費用を入金して、兄に預かり書にサインしてもらい、介護や医療費用を引き落とししても、贈与とはみなされないでしょうか?
他に何か問題や、良い方法があれば、教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
こんばんは、税理士の川島です。
ご質問の「実家の売却費用を質問者様の口座で預かり、お母様の介護・医療費に充てる場合」の税務上の留意点と回答について、整理して解説いたします。
【1. 結論:贈与税がかからないようにするためのポイント】
国税庁の通達(No.4405)にもある通り、「扶養義務者(親子・兄弟など)から生活費や医療費・介護費として支出されるお金で、通常必要と認められるもの」には贈与税がかかりません。
ただし、贈与税が非課税となるのは「必要な都度、直接その支払いに充てた場合」に限られます。売却代金というまとまった金額を一度に移動させて口座に保管しておくと、税務署から「兄からあなたへの贈与」または「兄から母への一括贈与」と疑われるリスクが生じます。
したがって、「贈与を受けたのではなく、兄からお金を預かって代理で支払っているだけ(預り金)」という実態を客観的に証明できるようにしておくことが重要です。
【2. 実行する際の具体的な注意点と対策】
■ 預り金契約(預かり書)の書面化
質問者様が考案されている「預かり書」の作成は大変有効です。「お兄様が所有する実家の売却代金のうち〇〇万円を、母の介護・医療費用等の支払い代行を目的として、質問者様が預かり保管する」旨を明記した「金銭保管契約書(または預り証)」を双方で交わしておきましょう。
■ 使途の記録と領収書の保存
預かった口座からは、お母様の介護費用や医療費、生活費に直接充当したことが分かるよう、通帳の記載を残し、領収書や請求書を保管してください。あまり関係のない私的な支出と混同しないよう、専用の口座を1つ用意して管理することをお勧めします。
【3. より安心な代替案(おすすめの方法)】
もし可能であれば、以下のような方法をとるとより税務上の疑義が生じにくくなります。
■ 兄名義の口座から直接引き落とし・振込をする
お兄様名義の専用口座を作り、そこから介護施設や病院へ引き落としを設定するか、質問者様が代理人カード等で管理して必要な都度支払う形にすると、資金移動の疑いを持たれにくくなります。
ご計画のやり方(預かり書の作成+介護費用の都度払い)自体は適切なリスク対策が考慮されていますが、使途の証拠書類はしっかり残して管理なさってください。
- 回答日:2026/11/06
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