大学院生の扶養控除とインターン交通費の扱いについて
現在大学院1年生で、2026年12月31日時点で23歳です。複数の企業でアルバイトや有給インターンをしており、親の税金の負担を増やさないように収入を調整したいと考えています。
親の扶養控除について、以下の点をご教示いただきたいです。
① 扶養控除の年収上限について
2026年は、私の給与収入が年間136万円以下であれば、親は所得税上の扶養控除を受けられるという認識で合っていますでしょうか?
② 短期インターンの交通費・宿泊費について
短期インターンに参加する際、新幹線代や宿泊費を自分で立て替え、領収書を提出して企業から実費精算で返金してもらっています。
この返金額は、親の扶養控除を判定する際の給与収入に含まれるのでしょうか?
また、企業側の経理処理によって扱いが異なる場合、どのような点を確認すればよいでしょうか?
③ 長期インターンの通勤交通費について
長期インターンでは、出社するたびに自宅から会社までの往復交通費が給与と一緒に振り込まれています。
この交通費については、非課税限度額内であれば扶養控除の判定における給与収入に含めなくてよいという認識で合っていますでしょうか?
④ 複数の勤務先での収入計算について
複数の企業から給与を受け取っている場合、各社の源泉徴収票の「支払金額」を合計すれば、扶養控除の判定に使用する年間給与収入を正しく計算できますでしょうか?
また、複数の勤務先がある場合、自分自身で確定申告が必要になる条件も教えていただきたいです。
⑤ 住民税について
所得税上の扶養控除を維持できる場合、親の住民税上の扶養控除も維持できるという認識でよいでしょうか?
質問が多く恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。学業と両立しながら、親御さんの税負担が増えないように収入を調整されているのですね。5つのご質問に順番にお答えします。
結論から申し上げると、ご認識はおおむね合っています。ただ、年齢の区分に一点ご注意ください。
① 2026年の上限について
お書きの136万円は、令和8年分から給与だけの場合に扶養親族の所得要件(合計所得金額の上限)に対応する線です。令和8年12月1日に施行される改正ですので、年末調整では改正後の基準で判定します(国税庁 No.1180)。なお、2026年12月31日時点で23歳の方は、19歳以上23歳未満が対象の特定親族特別控除(No.1177)には当たりません。
② 短期インターンの実費精算
業務のための旅行で、通常必要と認められる旅費は非課税です(所得税法9条1項4号)。ただし、会社の経理処理次第で給与として扱われることもあります。源泉徴収票の「支払金額」に含まれているか、精算の名目は何か、をご確認ください。
③ 通勤交通費
ご認識のとおり、非課税限度額内の通勤手当は給与の収入に含めません(同法9条1項5号、同法施行令20条の2)。限度額を超えた部分は給与になります。
④ 複数の勤務先
各社の源泉徴収票の支払金額を合計して判定します。ただし合計した収入から給与所得控除を差し引いた合計所得金額で判断される点にご注意ください。確定申告が必要かどうかは、給与を2か所以上から受ける場合の条件があり、国税庁 No.1900(所得税法121条)に整理されています。源泉徴収された税の還付を受けるための申告もできます。
⑤ 住民税
所得税と同じとは限りません。住民税は地方税の制度で、改正の適用時期が所得税と異なる年があります。親御さんがお住まいの市区町村にご確認ください。
少しでもお役に立てれば幸いです。ご不明な点があれば、またお気軽にご質問ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/11/04
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る① 扶養控除の年収上限について
あなたのお考えの通り、給与収入が年間136万円以下であれば、所得税上の扶養控除を受けられます。
2026年12月31日時点で23歳であるあなたは、所得税法上の扶養親族に該当します。この場合の条件は以下の通りです。
• 合計所得金額: 62万円以下
• 給与収入換算: 136万円以下(給与所得控除74万円 + 基礎控除62万円 = 136万円)
したがって、すべての勤務先からの給与額面の合計が136万円以下であれば、親御さんは所得税で扶養控除を受けることができます。
② 短期インターンの交通費・宿泊費について
実費精算された交通費や宿泊費は、原則として給与収入(扶養控除の判定額)には含まれません。
これは、あなたが会社の業務(インターン)のために「会社の代わりに立て替えたお金を返してもらっただけ(立替金精算)」であるためです。ただし、企業の経理処理によって扱いが異なる可能性があるため、以下の点を勤務先に確認してください。
• 確認すべきポイント:
• 「この精算金は『立替経費』として処理されていますか? それとも『給与(課税または非課税通勤費)』として処理されていますか?」と人事や経理に確認してください。
• 年末(または退職時)にもらう源泉徴収票の「支払金額」に、その返金額が含まれていなければ問題ありません。
③ 長期インターンの通勤交通費について
非課税限度額(最も経済的かつ合理的な経路による運賃月15万円)内であれば、扶養控除の判定における給与収入に含める必要はありません。
給与明細に「通勤手当」や「交通費」として記載され、それが非課税枠内であれば、税法上の「給与収入」からは除外されます。源泉徴収票の「支払金額」の欄にも、この非課税交通費は含まれない形で記載されます。
④ 複数の勤務先での収入計算と確定申告について
収入計算について
各社の源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている金額をすべて足し算すれば、年間給与収入を正しく計算できます。
※手取り金額ではなく、税金や保険料が引かれる前の「総支給額(額面)」の合計です。
自身で確定申告が必要になる条件
複数の勤務先から給与を受け取っている場合、以下のいずれかに該当すると確定申告をする義務が生じます。
1. メイン以外の会社(乙欄)でもらった給与の合計が「年間20万円」を超える場合
• 年末調整は通常、1つの会社(メインの勤務先=甲欄)でしか行えません。サブの勤務先(乙欄)で得た給与の合計が20万円を超えると申告義務があります。
2. すべての勤務先から得た年間給与収入の合計が「178万円」を超え、かつ年末調整をしていないサブの給与がある場合
【アドバイス】義務がなくても確定申告をした方が得なケース
もし年間給与の総額が178万円以下であっても、サブの勤務先(乙欄)では毎月の給料から高確率で所得税が多めに源泉徴収(先払い)されています。この場合、確定申告(還付申告)をすれば、払いすぎた税金が全額戻ってくるため、申告することをおすすめします。
⑤ 住民税について
所得税上の扶養控除を維持できれば、親御さんの住民税上の扶養控除も基本的にはそのまま維持できます。
また、あなた自身の住民税の基準(非課税枠)は所得税よりも低く(自治体によって異なります)、あなた自身に住民税の均等割などがかかる場合があります。しかし、あなたが住民税を払うことになっても、136万円以下であれば親御さんの住民税の扶養控除が消えることはありませんのでご安心ください。
- 回答日:2026/11/04
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