過年度の会計処理を期首残高で修正した場合の別表五(一)の記載について
**件名:過年度の会計処理を期首残高で修正した場合の別表五(一)の記載について**
法人税申告書の別表五(一)について質問させてください。
過年度の税金に関する未払額について、会計上の残高に誤りがあったため、当期首に利益剰余金を直接減額し、負債を増額する修正を行いました。
この修正は当期の損益計算書を経由していません。
その後、別表五(一)の「繰越損益金」を決算書と一致させたところ、別表四・別表五(一)・別表五(二)の検算で、修正額と同額の差額が発生しました。
そこで、別表五(一)の空欄に「過年度誤謬訂正」という調整項目を設け、期首の繰越損益金も調整してみたところ、検算差額は解消されました。
ただし、この方法では追加した調整項目の残高が期末にも残り、翌期に繰り越されることになります。
**以下の点について教えていただけますでしょうか。**
1. 過年度の誤謬訂正により期首利益剰余金を直接修正した場合、別表五(一)の空欄に調整項目を設ける方法は一般的に適切でしょうか。
2. その調整項目の金額が期末にも残り、翌期へ繰り越されることに問題はないでしょうか。
3. このような場合、別表五(一)の調整だけでなく、別表四にも何らかの税務調整が必要になるのでしょうか。
検算差額を解消するだけでなく、税務上適切な記載方法を確認したいと考えています。
一般的な取扱いや参考になる記載例などがございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
結論:検算差額を消すためだけに、別表五(一)の空欄へ「過年度誤謬訂正」という行を作る方法は、一般的な記載方法とはいえないと考えます。期末に説明のつかない残高が残り、翌期以降も引きずるためです。まず何の税金の未払いかを分けて、税務上の取扱いを決める順序をお勧めします。事実関係により結論は変わります。
①別表五(一)の考え方
・別表五(一)は、税務上の利益積立金額を計算する表です。空欄は、税務上の否認金額のうち留保した金額など、利益積立金額に係る名称を書く欄とされ、当期の増減は原則として別表四の留保の金額と連動します(国税庁「法人税のあらましと申告の手引(令和7年版)」の別表五(一))。
・繰越損益金は、期首を前期の期末と、期末を決算書の繰越利益剰余金と合わせるのが通常の確認点です。
・利益積立金額の計算では、その事業年度の所得に対する法人税・住民税として納付することとなる金額が、別に差し引かれます(法人税法施行令9条1項1号)。決算書で負債の計上が漏れていたことと、税務上の金額は別の話です。
②税金の種類で分ける(質問3)
・法人税・地方法人税・法人住民税は、納付しても損金にならないため(法人税法38条1項・2項)、期首の剰余金を直接修正しても所得は動きません。この場合、別表四の調整は通常不要で、別表五(一)の既存の欄(繰越損益金、納税充当金、未納税額)の増減で、決算書と整合させる考え方になると思われます。
・事業税のように損金になる税は、申告書を提出した日の属する事業年度の損金とされるため(法人税基本通達9-5-1)、期首の修正が損金の時期や金額に影響しないかを確認し、必要なら別表四で加減算して、留保項目として別表五(一)に載せます。
③質問1・2について
空欄に調整項目を設け、その残高が期末にも残る処理は、将来の認容が見込まれる否認額など、税務上の留保として説明できる場合に限られます。差額の穴埋めだけの項目は、期末に残らない形に直すのが安全と考えます。
④添付書類
過年度事項の修正の内容は、株主資本等変動計算書等に記載します(法人税法施行規則35条1項2号ロ)。
freee申告での入力方法は、freeeのヘルプ・サポートにご確認ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/14
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回答した税理士
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- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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