バーチャルオフィスを本店とし、別の都道府県の社宅で業務をしている場合の法人住民税均等割
本店はバーチャルオフィス(A県)で、役員はB都の社宅に住み、PCでの作業の大半を社宅で行っています。社宅には看板や従業員はなく、来客もありません。
1. この社宅は、法人住民税の「事務所等」に当たり、B都で均等割の申告が必要になるでしょうか。
2. 当たらないようにするために、運用上注意すべき点はありますか。
役員が社宅で継続して業務を行っている以上、この社宅は「事務所等」に当たると考えます。B都での均等割の申告は必要になる可能性が高いです。
地方税法では、都道府県内や市町村内に事務所または事業所(事務所等)を持つ法人に、均等割を課すと定めています。
事務所等の意味は総務省の取扱通知で示されています。事業のための人や設備があり、そこで継続して事業を行う場所のことです。
看板や登記、従業員の有無ではなく、実態で判断されます。
社宅の状況に当てはめると次のとおりです。
①人の面では、役員がそこで業務をしています。
②設備の面では、業務用のPCなどがあります。
③業務の大半を、継続してそこで行っています。
来客がないことや看板がないことは、この判断を変える理由にはなりません。
B都が東京都の特別区(23区)の場合は、地方税法の規定により都が都民税として一括で課税します。この場合の申告先は都税事務所です。
一方、A県のバーチャルオフィスは、住所を借りて郵便を転送してもらうだけであれば、人も設備もありません。その場合は事務所等に当たらないとされる余地があります。
ただし、社宅での作業がたまたまの一時的なもので、業務の拠点が別にある場合は、社宅は事務所等に当たりません。
事務所等かどうかは実態で判断されます。そのため、書類や名目を変えるだけでは、当たらないようにすることはできません。
当たらないようにするには、次のように業務の実態そのものを社宅の外に移す必要があります。
・実際に作業する拠点を、社宅以外の場所に設ける
・業務用の設備や書類を社宅に置かない
・社宅での作業は一時的なもの、付け足し程度のものにとどめる
今の働き方を続けるのであれば、B都に事務所等を設けたとして申告するのが妥当だと思います。
- 回答日:2026/10/18
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結論:役員が社宅で継続的に業務を行っている場合は、その社宅が「事務所又は事業所」に当たり、B都で法人住民税(均等割)の申告が必要になる可能性があります。社宅であることだけで事務所等から外れるわけではなく、実態で判定されます。最終的な判断は、管轄の都税事務所・市区町村が行います。
①事務所等の定義(質問1)
地方税法は、事務所又は事業所を有する法人を、均等割・法人税割の納税義務者としています(24条1項3号、294条1項3号。均等割は52条・312条)。総務省の取扱通知は、事務所等とは、自己の所有かどうかにかかわらず、事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで継続して事業が行われる場所をいうとしています(地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)第1章6)。人(役員の就業)、物(机、PC、通信設備など)、継続性の3つがそろうかが見られます。
一方、専ら従業員の宿泊や監視など内部的・便宜的な目的だけに使われる宿泊所等は、事務所等に含まれないとされています(同通知)。また、社員住宅のように特定の従業員の居住のための施設は、均等割の対象となる「寮等」には含まれません(同通知 第2章51)。居住の施設としての社宅と、事業を行う場所としての事務所等は、別に判定されます。
お示しのように、社宅で作業の大半を行い、事業の拠点になっているなら、事務所等に当たる可能性は否定できません。通知の定義には看板や来客は挙げられておらず、人的・物的設備と継続性があるかが中心になると考えられます。
②運用上の注意(質問2)
・実態に合わせた判断が前提で、名義や書類上の工夫で事務所等かどうかを変えることはできません。事業を行う場所が社宅なら、そこが判定の対象になります。
・本店(バーチャルオフィス)側も同じ基準で判定されます。登記だけで、そこに人も物もなく事業も行われていないなら、事務所等に当たらないと考えられますが、A県・市に確認しておくと安全です。
・社宅が事務所等と判断された場合の届出、申告先、均等割の税額(資本金等の額と従業者数で決まります)は、B都の都税事務所・区市町村でご確認ください。法人税の納税地は本店所在地です(法人税法16条)が、地方税は事務所等を基準に判定されます。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/14
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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