特定口座での資産運用による所得は、確定申告時に記入する必要はありますか?
特定口座での債券投資を考えています。
特定口座での利子・配当・譲渡所得は源泉徴収され、確定申告が不要なこと、承知しています。
しかし、債券投資の期間中に、個人年金の一時金受取による一時所得や、不動産売却による譲渡所得が発生する年があり、その年の確定申告は必ず必要になります。
その確定申告にて、上記の利子・配当・譲渡所得は、記入する必要はありますか?
また、公的年金の受給時、確定申告不要制度の条件として、「公的年金等以外の所得金額が20万円以下」の条件がありますが、この「公的年金等以外の所得金額」に、上記の利子・配当・譲渡所得は含まれますか?
これら質問の意図は、社会保険料増加の対策です。
以上、ご回答いただきたく、よろしくお願いいたします。
結論:源泉徴収ありの特定口座は、ほかの所得(一時所得や不動産の譲渡所得)で確定申告をする年も、口座ごとに申告不要を選べます。選んだ分は申告書に書かず、「公的年金等以外の所得金額20万円以下」の判定にも含まれません。既存の回答に、条件と注意点を補います。
①申告不要の選び方
・譲渡益:源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡による所得は、口座ごとに申告する・しないを選べます(租税特別措置法37条の11の5、タックスアンサー(コード1476))。
・利子・配当:口座に受け入れる届出(源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書)を証券会社に出す必要があり、これも口座ごとに選びます。1回の支払ごとの選択はできません(措法37条の11の6、コード1476)。
・国債・地方債なども上場株式等に含まれ、特定口座で扱えます(コード1463)。預貯金の利子などは源泉分離課税で、申告できません(国税庁「株式・配当・利子と税」)。
・選択は申告の時点で決まります。上場株式等の配当等を除いて申告したあと、修正申告で総所得金額に含めることはできません(国税庁質疑応答事例、措法8条の5)。
②20万円の判定
公的年金等の確定申告不要制度は、年金収入が400万円以下で、年金以外の所得金額が20万円以下のときに使えます(所得税法121条3項)。申告不要を選んだ口座の所得は、この金額から除外されます(措法37条の11の5)。ただし、不動産の譲渡や一時所得などで年金以外の所得が20万円を超える年は、この制度が使えず、年金も含めて申告します。
③社会保険料への影響
申告不要を選んだ所得は申告書に載りません。一方、次の場合は申告が必要で、その所得は申告書に載ります。
・他の口座の損益と通算する場合、損失を繰り越す場合(コード1476の注)。
・申告した利益は合計所得金額を押し上げ、扶養や基礎控除の判定、国保料に波及することがあります。
国保料や後期高齢者医療の保険料にどう反映されるかは、加入先の算定方法によります。実際の取扱いは、お住まいの市区町村にご確認ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/14
- この回答が役にたった:1
回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知るおっしゃる通り、確定申告に債券投資の情報を載せてしまうと収入となり、社会保険料が増えてしまう場合があります。通常は源泉徴収ありの特定口座は申告する必要はありません。損失が出た場合は申告して、損失を繰越しても社会保険料に影響はありません。問題は、利益と相殺する場合です。この場合だけは、社会保険料に注意が必要になります。
- 回答日:2026/10/12
- この回答が役にたった:1
特定口座(源泉徴収あり)で運用されている債券の利子・配当・譲渡所得は、他の一時所得や不動産の譲渡所得で確定申告をする場合であっても、申告書に記入(記載)する必要はありません。申告不要制度を選択したまま除外できます。
また、公的年金等の確定申告不要制度における「公的年金等以外の所得金額(20万円以下)」の計算にも、特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選択した所得は含まれません。
- 回答日:2026/10/10
- この回答が役にたった:1
