事業所得と雑所得について
今年の4月より講師業を始めたのですが、集客に苦戦し、売上が数万円程度に対して経費が100万円程度かかってしまいました。
そのため、事業をたたんで就職予定なのですが、確定申告をする際は、これは事業所得として申告してもいいものなのかどうか知りたいです。
①仕事内容
オンライン家庭教師
②顧客数・取引回数
数名、2〜3ヶ月程度
③1週間平均稼働時間
約40時間
④開業届・青色申告承認申請書の提出状況
提出済み
今後事業を完全に終了する予定です。
請求書・領収書・入出金記録は残っています。
ご質問ありがとうございます。週40時間も講師業に打ち込まれたのに、思うように集客できなかったのはお辛かったと思います。それでも記録をきちんと残していらっしゃるので、申告の準備はしっかりできる状態です。すでに回答が寄せられていますが、判断の根拠と、赤字を今後に生かす方法を補わせてください。
結論から申し上げると、事業所得として申告して差し支えないと考えます。そして青色申告の承認を受けている年の赤字であれば、就職後のお給料と差し引ける可能性があります。
① 事業所得といえるか
事業所得かどうかは、その活動が社会通念上「事業」と呼べる程度で行われているかで判定されます。取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は、原則として雑所得になるとされています(所得税基本通達35-2の注)。今回は、開業届を出し、週40時間程度を継続して充て、請求書・領収書・入出金の記録を残していらっしゃいます。結果として売上が少なかったことだけで、事業ではないとされるものではありません。集客のために行ったこと(広告、教材づくりなど)の記録も一緒に保管しておくと、事業として取り組んでいたことの説明に役立ちます。
② 赤字の使い道
事業所得の赤字は、同じ年のほかの所得(年内に就職してお給料を受け取れば、その給与所得など)と差し引きできます(所得税法69条)。差し引ききれない赤字(純損失)は、その年に青色申告をしていれば、翌年以後3年間繰り越して、お給料などの所得から差し引けます(所得税法70条1項)。
ただし繰り越すには、赤字の年の確定申告書を提出し、その後も毎年続けて確定申告書を出すことが条件です(所得税法70条4項)。会社員になると年末調整で済ませがちですが、繰り越した赤字を使う年は、ご自身で確定申告をしてください。
なお、雑所得とされた場合は、この差し引きや繰越しはできません。だからこそ①の記録が大切になります。
③ 青色申告の承認について
青色申告の承認申請書は、年の途中で開業した場合、開業日から2か月以内に出すことになっています(所得税法144条)。期限内に出していて、年末までに却下の通知がなければ、今年分から承認を受けたものとみなされます(所得税法147条)。念のため、提出日をご確認ください。
④ 事業をやめるときの手続
廃業したら「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します(所得税法229条。現在の規定では、廃業した年分の確定申告期限までの提出です)。事業を廃止した場合、翌年分以後の青色申告の承認は効力を失いますので(所得税法151条2項)、取りやめの届出を別に出す必要はありません。
新しい職場でのご活躍を心から応援しています。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/18
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知るいずれにしても最終的に赤字となり、事業の継続も考えていないのであれば、帳簿書類を整えたうえで、廃業届とともに事業所得で提出されても問題ないと思います。また、青色申告決算書の3ページ目の「本年中における特殊事情」の欄に事業が上手く行かなかったことや廃業することなどを書かれると良いと思います。
- 回答日:2026/09/03
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