所有権の無いゴルフ場の広告看板の製作費・改修費の処理について
毎年ゴルフ場にティーフェンス広告代として12万円支払っております。
このゴルフ場の広告看板について看板製作会社より「内容:広告看板板面製作」として25万円の請求が来ました。
この看板について所有権はゴルフ場にあって弊社には無いかと思うのですが、資産計上すべきかどうかに所有権は関係ないでしょうか?
駅前や道路沿いの看板広告も一般的には同様でしょうか?
個別具体的な内容次第かとは思いますが、一般的に可能性の高い処理としては、新たな資産の取得ではなく資本的支出に該当するでしょうか?
資本的支出は原則として40万未満の少額減価償却資産の中小特例の対象外な一方で、通達では原則通りになる訳ではない旨が示されているかと思いますが、このような看板改修(板面製作)だとどう考えられるでしょうか?
今回の場合は器具備品の耐用年数3年の看板の可能性が高いでしょうか?
赤の他人のゴルフ場の看板とはいえ建物附属設備や構築物といった可能性もあるでしょうか?
所有権が無い他人の看板な事が影響して税務上の繰延資産だったりになる可能性もあるのでしょうか?その場合は期間はどう考えるべきでしょうか?
当初の取引がどう仕訳されていたか遡って確認すると、6年前に前任者は35万円の請求(今回と同じ看板製作会社からの請求)を広告宣伝費として全額を一時の損金にしているようでした。これは誤りで、本来は資産計上でしょうか?
求人雑誌等へ求人情報やPR情報を掲載するケースを考えると広告宣伝費も妥当そうな気もするものの、ゴルフ場の看板広告は毎年契約更新する限りは半永久的に掲載可能と考えると資産計上が妥当な気も。最近はWEB広告や動画サイトは配信サイトやSNSにアーカイブとして残る案件広告もあったり、ケースバイケースで複雑なんですかね?
ご質問ありがとうございます。毎年支払っている広告料に加えて、看板の板面製作の請求が来て、資産なのか費用なのか、かなり丁寧に調べておられるのですね。考え方を整理してご説明します。
結論から申し上げると、看板の所有権がゴルフ場にあるのであれば、貴社の「器具備品」などの固定資産として計上する場面は少なく、実務では、広告宣伝費として費用にするか、効果が長く続くものを繰延資産として扱うか、のどちらかで検討することが多いと考えられます。どちらになるかは、契約の内容によります。
① 所有権の影響
減価償却は、自社が所有して事業に使う資産について行う処理です。看板がゴルフ場の所有であれば、耐用年数が3年か、建物附属設備や構築物かといった区分で悩む場面は、あまりないと考えられます。
② 繰延資産に当たるか
法人税法では、自社が便益を受けるために支出した費用で、その効果が支出の日から1年以上に及ぶものを「繰延資産」とし、効果の及ぶ期間で費用にしていきます(法人税法施行令14条1項6号)。ご質問のように、他人が所有する看板の製作費を負担し、複数年にわたり掲載できる前提であれば、この繰延資産に当たるかどうかを検討する余地があります。一方、広告料を毎年支払い、その年の掲載のための製作費であれば、期間の費用(広告宣伝費)として整理できる場合もあります。
③ 資本的支出や少額の特例について
資本的支出は、自社が持つ資産の価値を高める支出についての考え方です。他人の看板の板面製作は、これに当てはめにくいと思います。少額減価償却資産の特例は、減価償却資産が対象で、繰延資産の取扱いとは別です。
④ 前任者の処理について
一概に誤りとは言えません。契約書で、掲載期間、更新の仕組み、製作費が広告料に含まれるのか、撤去の負担はどうなるのかを確認し、効果が及ぶ期間を判断してください。明らかに誤りと分かった場合は、金額や影響を見て、今期以降の処理を改めるのか、過去の申告の訂正まで必要かを、税理士にご相談ください。
⑤ ご確認いただきたい資料
・看板製作会社の請求書の内訳
・ゴルフ場との広告掲載の契約書
・看板の所有者と撤去費用の取り決め
広告の種類によって処理が分かれるのは、複雑に感じられると思います。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/29
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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