電子請求書・領収書で税率・税額が見当たらない研修費の扱い
法人の業務研修費について、受領した電子的な原請求書・領収書を確認した限り、税率・税額の記載が見当たりません。
適格請求書等の記載要件を満たすための補完や経過措置の適用を検討するには、発行者の登録状況・取引日など、何を確認すべきでしょうか。発行者への訂正・追加資料の依頼が必要となる条件も知りたいです。
要件を満たす場合と仕入税額控除を行わない場合に分けて、freeeの税区分・適格設定も教えてください。
ご質問ありがとうございます。研修費の請求書に税率や税額の記載が見当たらず、仕入税額控除ができるのか、発行者に何を頼めばよいのか、迷われているのですね。順を追ってご説明します。
まず安心していただきたいのは、記載が足りなくても、すぐに「控除できない」と決まるわけではないという点です。確認する順番を整理すると、判断しやすくなります。
① 発行者の登録状況を確認します
適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者として登録を受けた方だけです。請求書に登録番号(Tから始まる番号)があるかを見て、国税庁の公表サイトで番号が実在するか、取引日の時点で登録が有効だったかを照らし合わせます。
② 請求書の記載事項を確認します
適格請求書には、登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等、交付を受ける側の名称などが必要です(消費税法57条の4第1項、国税庁タックスアンサーNo.6625)。税率や税額が欠けていて、登録番号がある場合は、発行者に修正した適格請求書の交付を依頼するのが基本です。なお、そもそも消費税がかからない取引(非課税や不課税)であれば、税額の記載がないのは自然ですので、研修の内容や主催者の区分もあわせてご確認ください。
③ 登録がない場合は経過措置を確認します
発行者が登録事業者でない場合は、一定の割合を控除できる経過措置があります(平成28年改正法附則52条・53条)。割合は取引日の属する期間で変わり、令和8年度の改正も入っていますので、取引日とタックスアンサーNo.6498で最新の内容をご確認ください。帳簿への記載など、適用のための条件もあります。
④ freeeの税区分について
要件を満たす場合は、課税仕入の区分を選びます。経過措置を使う場合は、控除割合が付いた区分を選びます。控除しない場合は、仕入税額控除の対象にならない区分を選びます。freeeでは、適格請求書に該当するかのチェック設定が既定値で外れていると、控除割合付きの区分になることがありますので、設定もご確認ください(画面の表示は変わることがあります)。
また、電子データで受け取った請求書は、電子データのまま保存する必要があります。
少しでもお役に立てれば幸いです。ご不明な点があれば、またお気軽にご質問ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/29
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
回答者についてくわしく知る業務研修先に確認されるのが一番だと思います。請求書・領収書はお手元にあるようですので、消費税について質問されれば良いと思います。もし、消費税は10%と言われたら、インボイスの再発行をお願いしてください。インボイスが発行できないと言われても、区分記載請求書等保存方式というインボイス導入前の形で再発行してもらってください。
また、貴社の課税売上高が1億円以下でその研修費が1万円未満であれば、帳簿に記載するだけで仕入税額控除が可能です。
- 回答日:2026/10/29
- この回答が役にたった:0
おはようございます、税理士の川島です。
請求書の記載事項に不備(税率・税額の記載漏れなど)がある場合、受領者側で勝手に加筆・修正することは認められておらず、発行者へ連絡して正しい記載のある請求書を再発行してもらうのが原則となります。
実務上の確認手順、およびfreeeでの具体的な処理については以下の通りです。
1. 発行者への依頼・確認すべき事項
発行者のインボイス登録状況の確認
まず、国税庁の「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」等で、相手方が適格請求書発行事業者であるかを確認します。
取引金額の確認(少額特例の判定)
1件あたりの金額が 1万円未満(税込) である場合、法人の規模等の要件を満たしていれば「少額特例」が適用できます。この場合、インボイスの保存がなくとも帳簿の保存のみで仕入税額控除が可能です。
訂正・追加資料の依頼条件
金額が1万円以上であり、適格請求書として保存する必要があるにもかかわらず税率・税額の記載がない場合は、原則通り発行者に連絡し、適格請求書の要件を満たした原請求書(または修正請求書)の再発行を依頼してください。
2. freeeの税区分・適格設定について
パターン A:要件を満たす場合(再発行を受けた場合、または少額特例を適用する場合)
適格請求書の要件を満たしている(または少額特例により控除が認められる)状態であれば、通常のインボイス対応の税区分を選択します。
freeeの設定例
税区分:課対仕入 10%(または軽減8%)
適格請求書(インボイス)設定:
発行者から適格請求書を受領した場合:「適格(インボイス)」にチェック(または該当する設定)
少額特例を適用する場合:社内規定や特例の適用状況に合わせて、帳簿保存のみで控除できる設定(※freeeの仕様・事業者設定における少額特例の扱い、または「区分記載」等ではなく通常の仕入税額控除として処理)
パターン B:仕入税額控除を行わない場合(非適格事業者からの仕入、または経過措置・控除対象外とする場合)
発行者が適格請求書発行事業者ではなく、かつ少額特例の対象外である場合、あるいは仕入税額控除をとらずに全額を費用(または控除対象外)として処理する場合の設定です。
freeeの設定例
税区分:
インボイス制度の経過措置(80%控除・50%控除)の対象期間であれば、該当する経過措置用の税区分(例:「課対仕入 10%(経過80%)」など)を選択。
全く仕入税額控除をとらない(あるいは免税事業者からの課税仕入れ等で控除対象外とする)場合は、「対象外」または「控除対象外」の税区分を選択。
適格請求書(インボイス)設定:
「非適格(または対象外)」に設定。
状況(取引金額の規模や、発行者の登録有無)に合わせて、まずは発行者への再発行依頼をご検討ください。
- 回答日:2026/10/29
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受領した電子的な請求書・領収書に税率・税額の記載がない場合、原則としてそのままではインボイス(適格請求書)として認められず、仕入税額控除を受けられません。 発行者の登録状況や取引日、免税事業者からの仕入れに対する経過措置の適用可否をインボイス制度のルールに基づいて確認する必要があります。
1. 確認すべきポイント
まずは以下の3点をステップ順に確認します。
① 発行者の登録状況(インボイス登録番号の有無)
• 登録番号がある場合(適格請求書発行事業者):
• 書類に「T+13桁の数字」が記載されているか、または事前に通知されているか確認します。
• 記載がない場合、発行者はインボイスを発行する義務(または修正したものを再発行する義務)があります。
• 登録番号がない場合(免税事業者など):
• インボイスとしての補完は不可能です。後述する「経過措置」の適用を検討します。
② 取引日(利用日・実施日)
• 研修の実施日または支払日がいつであるかによって、適用できる経過措置の割合(控除率)が異なります。
• 2023年10月1日 〜 2026年9月30日: 仕入税額相当額の 80% 控除可能
• 2026年10月1日 〜 2029年9月30日: 仕入税額相当額の 70% 控除可能
③ 税率の確認(一取引のみ、または品目)
• 業務研修費は原則として 標準税率(10%) です。軽減税率(8%)の対象外であるため、対象取引が10%のみであることが明白であれば、実務上の補完(自社での追記・計算)が一部認められる場合があります。
2. 発行者への訂正・追加資料の依頼が必要となる条件
自社で勝手に税額を計算して追記することは原則として認められません(※例外:受領者が作成する仕入明細書等で相手方の確認を得る場合など)。そのため、以下の条件に該当する場合は発行者へ修正インボイスの再発行や不足情報の提供を依頼する必要があります。
依頼が必要な条件
• 相手方が「適格請求書発行事業者」であるにもかかわらず、税率・税額や登録番号の記載が漏れている場合
• インボイスの必要要件(登録番号、適用税率、消費税額等)を満たした正しい電子データの再送、または不足分を補完する追加の電子的書面の交付を依頼してください。
• 取引内容から適用税率(10%か8%か)が客観的に判別できない場合
依頼が不要な(自社で対応できる)条件
• 相手方が免税事業者であることが確定している場合(再依頼してもインボイスは出せないため、そのまま経過措置を適用)。
• 電子的データ(PDF等)のほか、メール本文や会員サイトのマイページ等に「登録番号」「適用税率」「消費税額」が分かれて記載されており、複数のデータを合わせることでインボイスの要件を満たせる場合。
3. freee会計での税区分・適格設定
状況に応じて、freeeでの取引登録時の設定を使い分けます。
状況(ステータス) 税区分(例:10%の場合) 適格設定(インボイス枠) 概要・仕入税額控除の影響
要件を満たす場合
(再発行等でインボイスが揃った) 課対仕入 10% 適格 消費税額の 100% が控除されます。
経過措置を適用する場合
(相手が免税事業者だった) 課対仕入 10% 不適格(80%控除) または
不適格(70%控除) ※1 取引日に応じた割合(80%または70%)が自動計算され、控除されます。
仕入税額控除を行わない場合
(要件を満たせず経過措置も対象外) 対象外(または税込処理なら免税仕入等) ※2 設定不要(または不適格) 消費税の控除は 0% となり、全額が費用(または資産)になります。
• ※1:freeeでは、取引日を入力すると自動的にその期間に応じた経過措置(80%または70%)の選択肢が表示されます。現在の取引日に合わせて正しいものを選択してください。
• ※2:そもそも消費税の計算対象から外す(控除しない)場合は、税区分を「対象外」にするのが最も確実です。
- 回答日:2026/10/29
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