YouTube広告収入(AdSense)の発生主義での計上時期と仕訳について
個人事業として、YouTubeの広告収入(AdSense for YouTube)を発生主義で記帳する場合の考え方について、一般論として教えてください。
【前提】
・前月分の収益は、毎月7〜12日頃に確定します。
・残高が支払基準額に達していれば、21〜26日頃に入金されます。
・収益が確定した時点で「売掛金/売上高」、入金時に「普通預金/売掛金」と仕訳する想定です。
【質問1】12月分の収益の計上年
12月分の収益は翌年1月に確定します。この場合、12月に稼いだ分として当年の売上にすべきでしょうか。それとも確定した翌年1月の売上にすべきでしょうか。
【質問2】支払基準額に届かず繰り越された収益
支払基準額に届かず入金が翌月以降に繰り越された収益も、確定した時点で売上・売掛金として計上すべきでしょうか。
【質問3】米国源泉税の差し引き分の処理
米国の視聴者から得た収益について、米国の税金が差し引かれる場合があります。この差し引き分は、どの勘定科目で処理するのが適切でしょうか。また、外国税額控除の対象になるでしょうか。
【質問4】消費税の区分
日本居住者の場合、AdSenseの契約先はシンガポールの法人とされています。この広告収入は、国外取引として「不課税(対象外)」に区分するのが正しいでしょうか。それとも「輸出免税」とする考え方が正しいのでしょうか。
【質問5】期中を入金基準にする簡便法
期中は入金時に売上を計上し、期首と期末だけ発生主義に修正する簡便な方法は、青色申告でも認められるでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。収益の確定と入金の時期がずれるうえ、海外の源泉税や消費税の区分まで絡むので、どこを基準にすればよいか迷われますよね。順にご説明します。
① 12月分の収益の計上年
所得税では、その年に「収入すべき金額」を収入とします(所得税法36条)。事業所得の収入の時期は取引の種類ごとに通達で示されており、たとえば役務の提供の期間や程度に応じて報酬を受ける取り決めがある場合は、その期間の経過などに応じて収入すべき事由が生じた日とされています(所得税基本通達36-8(5)ただし書)。月ごとに収益が積み上がる仕組みであれば、12月分は当年の売上として、年明けに確定した金額で12月末に売掛金を計上する考え方が自然です。
② 支払基準額に届かず繰り越された収益
入金が翌月以降に繰り越されても、収益が生じた時期は変わりません。確定した時点で売上・売掛金に計上し、入金されたときに売掛金を消し込むのがよいと思います。
③ 米国の源泉税
売上は差し引かれる前の総額で計上します。差し引かれた税は、外国税額控除(所得税法95条)を受けるなら必要経費にできませんので(同法46条)、事業主貸などで処理し、控除を受けない場合は租税公課として必要経費にする方法があります。なお、租税条約で軽減・免除される部分を超えて差し引かれた額は控除の対象になりません(所得税法施行令222条の2第4項4号)。まずはGoogleに提出する税務情報で条約の手続が済んでいるかを確かめていただくと安心です。控除を受ける場合は、申告書に明細書等の添付が必要です(所得税法95条10項)。
④ 消費税の区分
電気通信回線を介した著作物の提供や広告の掲載などの「電気通信利用役務の提供」に当たれば、受ける側の所在地で国内か国外かを判定しますので、シンガポール法人向けなら国外取引(不課税)です(消費税法2条1項8号の3、4条3項3号)。当たらない役務の提供であれば国内取引となり、非居住者向けの輸出免税(消費税法7条、施行令17条2項)を検討します。YouTubeの広告収入をどちらとするか国税庁が直接示した資料は確認できませんでした。課税売上高や課税売上割合の計算に影響しますので、管轄の税務署にご確認いただくと安心です。
⑤ 期中を入金基準にする方法
年分の所得は①の考え方で計算する必要がありますので、期中は入金時に記録し、年末に未入金の収益を売掛金として計上して年初にその分を振り戻す処理を毎年続ければ、年分の売上は発生主義と同じになります。なお、届出をして入金・支払の時期で計算する「現金主義の特例」(所得税法67条)を選ぶと、複式簿記を前提とする上乗せの青色申告特別控除は受けられない点にご注意ください(国税庁タックスアンサーNo.2072)。
少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
- 回答日:2026/10/22
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回答した税理士
年商3,000万円未満の個人事業・小さな会社専門|ふじみの会計事務所(公認会計士・税理士)|決算だけのスポットもOK・全国オンライン
- 認定アドバイザー
- 埼玉県
税理士(登録番号: 150146), 公認会計士(登録番号: 32993)
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