



合同会社を設立したばかりで、今後約2年間は法人で事業を行い、2年後を目安に法人を解散・清算して、再び個人事業主として事業を行う予定です。 現在、個人事業主としても開業しているのですが、法人で事業を行うこの2年間についても、個人事業の廃業届を出さず、そのまま残しておくことは税務上問題ないでしょうか。 個人事業を残しておきたい理由は、2年後に法人を解散した際に再度開業届などの手続きをする手間を減らしたいことと、小規模企業共済について、個人事業主から法人役員への切り替え、その後再び法人役員から個人事業主への切り替えを行う手間を避けたいからです。 なお、この2年間の売上については、基本的にすべて法人で受ける予定で、個人事業としての売上は発生しない想定です。 また、2年後に個人事業主へ戻った後は、消費税の課税事業者として事業を行う予定です。消費税の免税期間を利用することを目的として法人と個人事業を切り替えるものではありません。
税理士からの回答
回答日:2026/09/10
おはようございます、税理士の川島です。
>現在、個人事業主としても開業しているのですが、法人で事業を行うこの2年間についても、個人事業の廃業届を出さず、そのまま残しておくことは税務上問題ないでしょうか
→廃業届出さずに個人事業主として残しておくこと自体は問題ありません。
2026年4月に法人を設立しました。代表取締役1名で自分のみです。 初年度は役員報酬をゼロにしたいです。会計ソフトへの入力等の手続きは必要でしょうか。 私は2025年9月に会社を定年退職となり、現在は引継ぎのために嘱託で雇用されており、 社会保険も定年前と同様に加入しています。 2027年4月からは役員報酬を設定して、社会保険も自分の法人で加入したいと思っています。
お聞きしたいことは次の3点です。 1. 設立前の費用を遡って計上できるのは、実務上どこまでですか(半年/1年/それ以上)。 2. 次のものは創立費または開業費に入りますか。入らないものがあれば教えてください。 ・業務に関連する研修や資格取得講座の受講料 ・打ち合わせの飲食代、交通費 ・異業種交流会の参加費、懇親会費 ・名刺、チラシの制作費 ・会計ソフトの年間利用料 約11万円(設立前に個人カードで支払済み) ・生成AIツールの月額利用料、書籍代 ・経営コンサルタントへの顧問料 月3万円 3. 交通費など領収書が出ないものは、どう記録すれば足りますか。 【前提】 ・2026年10月設立予定の株式会社。代表取締役1名のみ。決算期9月 ・現在は個人事業主として同種の仕事をしており、青色申告をしています ・上記はすべて個人名義のカード・現金で支払っています あわせて、繰延資産として任意償却できるという理解で合っているか、1期目に全額を計上するのと翌期以降に回すのとで、どちらを選ぶかの判断基準もご教示ください。1期目は赤字の見込みです。
税理士からの回答
回答日:2026/09/02
1. 設立前費用の遡及期間
実務上、設立前の費用を遡って計上できる期間は一般的に1ヶ月〜数ヶ月程度、最長でも1年が限度とされています。
税法上で明確に「〇ヶ月前まで」という期間の規定はありません。しかし、設立に「直接必要な費用」である必要があるため、あまりに長期間前のものは法人のための支出として認められにくくなります。今回は現在すでに個人事業主として活動されているため、「個人事業の経費」と「法人の設立準備費用」を明確に区別する必要があります。10月設立であれば、早くとも2026年に入ってからの支出(約10ヶ月前まで)が実務上の限界ラインと考えられます。
2. 各項目の創立費・開業費の判定
ご提示いただいた項目はすべて創立費または開業費として計上可能です。法人の事業を開始するために「直接要した費用」と認められるためです。それぞれの分類と注意点は以下の通りです。
業務に関連する研修や資格取得講座の受講料
開業費に含められます。ただし、代表者個人のみに帰属する国家資格の取得費用などは、個人の資産とみなされて法人の経費(開業費)にできないケースがあるため注意が必要です。
打ち合わせの飲食代、交通費
開業費(交際費・旅費交通費の性質を持つもの)に含められます。
異業種交流会の参加費、懇親会費
開業費(交際費等の性質を持つもの)に含められます。今後の取引先開拓のための支出として説明できるようにしておきます。
名刺、チラシの制作費
開業費(広告宣伝費の性質を持つもの)に含められます。
会計ソフトの年間利用料(約11万円)
開業費に含められます。11万円という金額ですが、会計ソフトのライセンス利用料(通信費や消耗品費の性質)であれば、一括して開業費としてまとめて問題ありません。
生成AIツールの月額利用料、書籍代
開業費(通信費・図書費の性質を持つもの)に含められます。
経営コンサルタントへの顧問料(月3万円)
開業費に含められます。設立や開業準備のための経営指導料として合理的な支出です。
※なお、会社の設立登記そのものにかかった費用(公証人の手数料、登録免許税、司法書士への報酬など)は「創立費」、設立登記後から事業開始までにかかった費用(上記のご質問内容など)は「開業費」に区分します。
3. 領収書が出ない交通費などの記録方法
領収書が出ない公共交通費などは、「出金伝票」を作成するか、Excelなどで「旅費交通費精算書(移動明細)」を記録すれば十分です。記録すべき必須項目は以下の4点です。
支払った日付訪問先や目的(例:〇〇株式会社 設立打ち合わせのため)移動区間(例:〇〇駅 〜 〇〇駅、片道/往復)金額
現在は個人名義のカードや現金で支払われているとのことですので、カードの利用明細と合わせて、これらの明細(出金伝票)を保管しておけば税務調査でも問題なく認められます。
繰延資産の任意償却と判断基準
「任意償却ができる」というご理解は完全に正しいです。創立費と開業費は、税法上で「繰延資産」となり、税法上の原則は5年(60ヶ月)の均等償却ですが、特例としていつでも好きな時に、好きな金額を費用化できる「任意償却」が認められています。極端に言えば、設立1期目は0円、2期目に全額といった処理も可能です。今回、「1期目は赤字の見込み」とのことですので、1期目は全額を計上せず、翌期以降に回す(繰り延べる)のが最も有利な判断基準となります。赤字の会社がさらに費用を増やしても、当面の節税メリットがないため1期目に全額を費用(償却)してしまうと、赤字の額が膨らむだけになります。黒字化した期に費用化することで、ダイレクトに法人税を減らせるため創立費・開業費を資産として残しておき、2期目以降に利益(黒字)が出たタイミングで必要な分だけ償却(費用化)すれば、その期の利益を圧縮して法人税を安く抑えることができます。したがって、1期目の決算では創立費・開業費を「資産」のままとし、償却費は0円(または赤字を増やさない程度の少額)にしておくことをおすすめします。
お聞きしたいことは次の4点です。 1. 1期目の役員報酬を0円にして、生活費は会社から借りる(役員貸付金)という形を勧められました。実務上、これはありでしょうか。認定利息など注意点があれば教えてください。 2. 役員報酬0円だと、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できないという理解で合っていますか。 3. 日本政策金融公庫の創業融資の審査で、役員報酬0円は不利に働きますか。 4. 役員報酬を出す場合、いつまでに決める必要がありますか。設立から3か月以内という理解で合っていますか。 【前提】 ・2026年10月設立予定の株式会社。代表取締役1名のみ、従業員なし ・決算期9月/資本金200万円 ・1期目の売上見込みは月20〜40万円程度、固定費は年90万円ほど ・設立後に創業融資300万円程度の申込を予定 ・現在、健康保険に未加入の期間があり、設立を機に社会保険へ加入したいと考えています 知人の経営者から「自分は今年の役員報酬をゼロにした。給与でもらわず会社から借りる形もある。ただ決算書はきれいには見えない」と言われました。 融資と社会保険の両方をふまえて、どちらを選ぶべきか判断の分かれ目を教えてください。
税理士からの回答
回答日:2026/09/10
ご質問のケースでは、融資と社会保険の両方を考えると、役員報酬を0円として会社から生活費を借りる方法は、あまりおすすめしません。
まず、役員貸付金として処理すること自体は可能ですが、実際に返済することを前提として、貸付額・返済期限・返済方法・利率などを明確にしておく必要があります。無利息・低利で貸し付けた場合、原則として一定の利率で計算した利息との差額が役員への給与として課税される可能性があります。 また、生活費を継続的に会社から借りる形になると、役員貸付金が膨らみ、決算書上も会社から役員への債権が増えるため、資金繰りや財務内容の説明が難しくなる点にも注意が必要です。
社会保険については、今回のように代表取締役1名のみで、その役員が無報酬の場合、健康保険・厚生年金の被保険者がいないため、法人として新規適用を受けることができません。設立を機に社会保険へ加入したいのであれば、実際に役員報酬を設定することが重要です。
日本政策金融公庫については、「役員報酬0円だから融資に通らない」という明確な基準があるわけではありません。ただし、公庫は創業計画や必要資金・調達方法、事業開始後の資金繰りなどを確認します。役員報酬を0円にして生活費を会社から借りる計画よりも、生活に必要な報酬を適切に設定し、そのうえで会社の運転資金を確保する計画のほうが、事業と個人の資金を明確に分けやすいでしょう。
役員報酬を設定する時期については、「設立から3か月以内」という理解は概ね正しいですが、正確には事業年度開始の日から3か月を経過する日までに改定することが、定期同額給与として損金算入するための原則です。今回、10月設立・9月決算であれば、原則として第1期開始から3か月以内に決定することをおすすめします。
今回の条件であれば、「社会保険に加入したい」「生活費を安定して確保したい」「創業融資を受ける予定がある」という3点を考慮し、無理のない範囲で役員報酬を設定し、会社からの役員貸付金に依存しない資金計画にすることが基本的にはおすすめです。具体的な報酬額は、月20~40万円程度の売上見込み、固定費、融資額、生活費を踏まえて決めるのがよいでしょう。
実際の役員報酬額や社会保険の取扱いは、設立時期や報酬額、事業実態によっても異なるため、設立前に税理士・社会保険労務士へ確認しておくと安心です。
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