日本で株式会社を設立しました。資本金は100万円で、日本在住の代表取締役とオーストラリア在住の外国人取締役がいます。 事業はAI教育アプリの開発で、現在売上・役員報酬・従業員・給与支払はありません。 日本法人が事業および知的財産権を保有する予定ですが、海外在住取締役がオーストラリアからアプリ開発や経営判断に関与しています。 以下についてご教示ください。 1. オーストラリアから経営・開発業務を行うことで、日本法人にオーストラリアでの法人税申告・納税義務が発生する可能性はありますか? 2. 現地での恒久的施設(PE)や法人の税務上の居住地が問題となるのは、どのような場合でしょうか? 3. 海外取締役が無報酬で開発・経営活動を行う場合、税務上の注意点はありますか? 4. 日本法人を事業主体とするために、経営判断の記録、契約書、知的財産権の帰属などで整備すべき事項はありますか? 5. この状況では、日本とオーストラリアのどちらの税務専門家に相談すべきでしょうか?
税理士からの回答
回答日:2026/10/25
オーストラリアで申告・納税が必要になる可能性はあります。
ただし、その判断はオーストラリアの税法と日豪租税条約によります。
日本の税法だけでは結論が出ません。
まず、オーストラリアでの法人税申告・納税義務が発生する可能性についてですが、日本の法人税法では、国内に本店がある法人を内国法人(日本の法人)とします。
ご質問者様の会社は、日本で各事業年度の所得に法人税が課されます。
一方、オーストラリア側で納税義務があるかどうかは、オーストラリアの法律で判定されます。
取締役が現地で経営判断や開発をしていると、課税関係が生じる可能性は否定できません。
次に、PEや法人の税務上の居住地が問題となる場合についてですが、恒久的施設(PE、現地の事業拠点)は、支店のような事業を行う一定の場所や、会社のために契約を結ぶ権限を持つ人がいる場合に問題になります。
オーストラリアに住む取締役の自宅が事業拠点とみなされる場合や、取締役が現地で継続して契約を結ぶ場合が典型です。
法人の居住地は、重要な経営判断を主にどこで行っているかが問われる場合があります。
双方の国で居住法人とされたときの扱いは、日豪租税条約の規定で決まります。
また、海外取締役が無報酬で開発・経営活動を行う場合の税務上の注意点ですが、日本側では、報酬を支払わなければ源泉徴収の問題は生じません。
将来報酬を支払う場合は注意が必要です。
内国法人の役員として国外で行う勤務の報酬は、所得税法の規定により日本の国内源泉所得とされ、源泉徴収の対象になります。
経営判断の記録、契約書、知的財産権の帰属などについては、取締役会・株主総会の議事録を作成して重要な決定を日本法人として行った記録を残すこと、取締役との間で無報酬であることや業務の範囲を定めた契約書を交わすこと、取締役が開発したプログラム等の著作権・知的財産権が日本法人に帰属する旨の譲渡・帰属契約を結ぶこと、この3点を整えておくべきと考えます。
最後に、日本とオーストラリアのどちらの税務専門家に相談すべきかについては、両方の専門家に相談すべきです。
日本側の申告や源泉徴収は日本の税理士、PEや法人の居住地の判定はオーストラリアの税務専門家が担当する分野です。
日本で株式会社を設立しました。現在は売上・役員報酬ともになく、青色申告承認申請書は提出済みです。 オーストラリア在住の外国人取締役が、会社のAI教育アプリ開発のため、以下のサービス費用を個人のクレジットカードで支払っています。 * 利用サービス:Lovable、ChatGPT、Claude等 * 支払総額:約AUD 8,000 * 設立前:約AUD 4,000〜6,000 * 設立後:約AUD 2,000〜4,000 * 支払通貨:豪ドル(AUD) * 主な用途:アプリ開発・AIサービス利用(一部私的利用あり) 開発したアプリの知的財産権は日本法人に帰属させる予定です。 以下についてご教示ください。 1. 設立前後の開発費を日本法人の経費またはソフトウェア資産として計上できますか? 2. 一部私的利用がある場合、事業利用分を合理的に按分すれば計上できますか? 3. 海外取締役の個人立替分を「役員借入金」として処理し、後日AUDで返済できますか? 4. 外貨建て費用の円換算には、どの日付の為替レートを使用すべきですか? 5. 開発成果物の知的財産権を日本法人へ帰属させる際、契約書や税務上の手続きは必要ですか? よろしくお願いいたします。
税理士からの回答
回答日:2026/10/24
設立前後の開発費は、どちらも日本法人で計上できます。
設立前の分は、法人がその費用を負担すると取り決めたうえで、創立費または開業費として計上するのが妥当と考えます。
法人税法施行令では、創立費は法人の設立のために支出する費用で法人が負担すべきもの、開業費は設立後に事業を始めるまでの開業準備のために特別に支出する費用とされています。
どちらも繰延資産(支出の効果が将来に及ぶため、資産に計上して数年で費用にしていくもの)です。
償却限度額は未償却残高の全額なので、好きな事業年度に好きな金額を償却できます。
一方、アプリを作るためにかかった費用は、法人税基本通達の取扱いにより、そのアプリ(ソフトウェア)の取得価額に含まれます。
製作に直接使ったAIツールの利用料は、完成まではソフトウェア仮勘定とし、完成して使い始めた時点でソフトウェアとして減価償却します。
製作と直接関係しない利用料は、支出した時の経費(支払手数料など)にします。
2の一部私的利用がある場合も、事業で使った分を合理的な基準で按分すれば計上できます。
基準は、利用時間や用途ごとの利用状況など、後から説明できるものにしてください。
私的利用分は取締役個人の負担とし、会社の帳簿には載せません。
3の取締役が立て替えた分は、役員借入金(または未払金)として処理し、後日AUDで返済して構いません。
立替時の円換算額と返済時の円換算額に差が出た場合、その差額は為替差損益として計上します。
4の円換算は、法人税基本通達の取扱いにより、原則としてそれぞれの取引日(各サービスの利用・決済日)の電信売買相場の仲値(TTM)を使います。
継続して同じ方法を使うことを条件に、費用については取引日の電信売相場(TTS)も使えます。
同じく継続適用を条件に、前月末日の相場や前月の平均相場も認められています。
5の知的財産権を日本法人に帰属させるには、取締役と法人の間で、権利の譲渡(帰属)に関する契約書を交わしておくべきです。
特に設立前に作った成果物の権利は取締役個人にあるため、契約がないと法人の権利だと説明できません。
税務署への届出などの手続きは不要です。
ただし、権利を無償で譲り受けた場合は、法人側で受贈益(ただで受け取った利益)として課税されることがあります。
立替費用の精算と引き換えに権利を譲り受ける内容にしておくのが無難と思います。
妻(外国籍)が妻の国の妻名義の不動産を売却し、その売却代金を妻名義の日本国の銀行口座に送金をした場合、税務申告は必要ですか。もし、必要である場合、どのような手続き(必要書類等)になりますか。 なお、 売却代金は3~4千万円の見込みです。
税理士からの回答
回答日:2026/10/22
ご質問ありがとうございます。海外にある財産を売って、そのお金を日本の口座へ送金されるとのこと、手続きが気になりますよね。金額も大きいですので、整理してご説明します。
結論から申し上げると、申告が必要かどうかは、奥様が日本の税法上どの区分に当たるかで変わります。区分は「非永住者以外の居住者」「非永住者」「非居住者」の3つです(所得税法2条1項、7条1項)。
① 非居住者の場合
日本に住所も、継続した居所もない方は、課税の対象が日本国内で生じた所得に限られます。海外の不動産の売却益は、日本の申告の対象にならないのが基本です(所得税法7条1項3号)。
② 非永住者以外の居住者の場合
国内外を問わず、全世界の所得が課税の対象です。海外の不動産を売った譲渡所得も、国内の不動産と同じように申告します(タックスアンサー3560)。
③ 非永住者の場合
国外で生じた所得のうち、国内で支払われた分、または国外から日本へ送金された分が課税の対象です(所得税法7条1項2号)。売却代金を日本の口座へ送金すると、課税の対象になり得る点にご注意ください。非永住者に当たるかは、国籍と日本での居住期間で決まります(同法2条1項4号)。
申告が必要なときは、確定申告で、売却代金から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得を計算します。そろえておくと安心な資料は、次のとおりです。
・売買契約書と、代金の入金がわかる書類
・取得したときの契約書や、購入代金・取得費用のわかる書類
・仲介手数料など譲渡費用の領収書
・現地で税金が課された場合の納税の書類(日本の外国税額控除で二重課税を調整できます。タックスアンサー1240)
・為替レートのわかる資料(外貨は、原則として取引日の仲値で円に換算します。タックスアンサー3560)
なお、国外への送金や国外からの受取りは、金額によって金融機関から税務署へ調書が出されます。ご夫婦の間でお金を移すときは、別に贈与税の検討が要ることもあります。奥様の在留の状況と、売却日・取得時期をお手元にご用意のうえ、税務署または税理士へご相談いただくと安心です。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
続きを読む高齢に伴い両親の財産の洗い出しをしています。 30年前アメリカに住んでおり現地で証券を購入しました。日本に帰国して10年が経ちますが、そろそろアメリカの証券を売却し日本に送金する予定です。 アメリカにある財産については弟が管理しており書類、売却手続き全て依頼できます。 お聞きしたいのは、どちらで税金が取られるのか、また両方で税金が取られるのかと言う点です。 売却すると自動的にアメリカで税金が取られます。日本に送金、その後、税務署に書類を提出する流れでしょうか? また為替差益は発生しますか? アドバイス頂けたら幸いです。
税理士からの回答
回答日:2026/10/14
日本にお住まいであれば、日米租税条約により株式の売却益は原則日本で課税され、アメリカでは原則課税されません。米国で源泉徴収された場合は、W-8BENの提出状況を証券会社にご確認ください。日本では上場株式等の譲渡所得として確定申告が必要で、為替の影響は購入時・売却時のレートで円換算することで譲渡所得の計算に含まれます。
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