親会社・子会社間でのサブリース取引について、企業会計基準第33号に基づく個別・連結上の会計処理および契約スキームについて確認させてください。 【前提・取引スキーム】 大元の賃貸人から子会社が物件を借り受け(ヘッドリース)、その物件を親会社へ転貸(サブリース)しています。 現状、子会社はヘッドリースに関して実質的なリスクを負わない契約内容(サブリースの借手から支払いがない限り支払義務を負わない等)となっています。 【質問事項】 現在の処理の適否 子会社がヘッドリースに対してリスクを負わない場合、企業会計基準第33号第92項(中間的な貸手がリスクを負わない場合の取扱い)に該当し、「子会社:オフバランス」「親会社(または連結):オンバランス」という処理で正しいでしょうか。 処理の選択性およびスキーム見直しの可能性 上記(子会社オフ/親会社オン)以外の処理(例:子会社側をオンバランス、親会社側をオフバランスとする処理)を任意に選択することは可能でしょうか。 もし選択不可であり、子会社側でオンバランス処理を行いたい場合、子会社がヘッドリースに対するリスク(空室リスクや支払義務等)を負う契約に変更するスキーム見直しが必要という認識で合っていますでしょうか。
税理士からの回答
回答日:2026/10/28
ご質問ありがとうございます。新しいリース会計基準の適用に向けて、グループ内のサブリースをどう整理するかは、悩まれる会社が多い論点だと思います。原文を確認したうえでお答えします。
まず前提として、ご質問の取扱いは、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」を受けた企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(2024年9月13日公表、2026年10月16日改正)の第92項に定められています。
① 現在の処理の適否
第92項の例外(中間的な貸手がヘッドリースの使用権資産・リース負債を計上せず、受け取るリース料と支払うリース料の差額を損益に計上する処理)は、次の3つの要件を「いずれも」満たす取引に使えます。
・サブリースの借手から支払を受けない限り、ヘッドリースの貸手に支払う義務を負わないこと
・ヘッドリースの支払額が、サブリースで受け取る金額にあらかじめ定めた料率を掛けた金額であること
・中間的な貸手が、サブリースの契約条件(借手の決定を含みます)と、借手がいない期間の物件の使い方のどちらも決める権利を持たないこと
ご質問の契約は1つ目に当たりますが、2つ目と3つ目も満たすかを契約書で確かめる必要があります(要件の趣旨は同適用指針BC129項)。3つとも満たせば、子会社はオフバランスとすることができます。
親会社は物件を実際に使う借手ですので、短期リース・少額リースの簡便的な取扱い(同第20項・第22項)に当たらない限り、使用権資産とリース負債を計上します。連結上は、グループ内の取引を相殺消去したうえで、グループ外の大元の賃貸人との契約について借手の処理が反映された姿になっているかをご確認ください。
② 処理の選択とスキームの見直し
親会社は借手ですので、親会社側をオフバランスにする処理は選べません。
一方、子会社側については、第92項は「〜することができる」という定めで、要件を満たしても適用するかどうかは選択になります。適用しなければ、原則(第89項)どおり、ヘッドリースは借手として、サブリースは貸手として処理します。したがって、子会社でオンバランスにしたいという理由だけで、子会社がリスクを負う契約へ変更する必要はないと考えられます。
なお、原則の処理では、サブリースがファイナンス・リースに当たると、子会社は使用権資産の消滅を認識し、リース債権又はリース投資資産を計上します(同第89項・第91項)。「オンバランス」の中身が使用権資産のまま残るとは限らない点にご注意ください。
③ そのほかの注意点
選んだ処理は会計方針として継続して適用し、サブリース取引の注記(同第101項)もあわせてご確認ください。法人税の取扱いは会計とは別の定め(法人税法64条の2など)がありますので、申告調整の要否も別途確かめていただくと安心です。監査を受けている会社では、処理を決める前に監査人と認識をすり合わせておくことをお勧めします。
少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
続きを読む以前設立した会社を今年の9月に休眠を解き、組織変更で株式にしました。 今後は個人ではなくて法人で活動をしたいのですが、新しい会社で役員報酬を出しても休眠明けなら損金計上可能でしょうか。 決算月は3月末です。
税理士からの回答
回答日:2026/10/16
結論として、休眠明けという理由だけで損金になる特例はありませんが、今期は絶対に無理と決まるわけでもありません。
まず前提の確認です。持分会社から株式会社への通常の組織変更であれば、法人税の取扱い上、事業年度はその組織変更によっては区分されず継続します。別途決算期を変更していない3月決算の会社であれば、9月に新しい事業年度が始まるという扱いにはなりません。ここは結論を大きく左右しますので、登記簿と定款でご確認ください。
そのうえで、定期同額給与の改定が認められるのは、原則として会計期間開始の日から3か月を経過する日までです。3月決算なら6月末で、すでに過ぎています。残る道は、事業の再開が臨時改定事由、すなわち役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更、その他これらに類するやむを得ない事情に当たるかどうかです。休眠明けを直接扱った取扱いは確認できませんでしたので、支給を始める前のご確認をお勧めします。
事前確定届出給与の届出期限は、原則として決議をした日から1か月を経過する日と、会計期間開始の日から4か月を経過する日のいずれか早い日です。
最も確実なのは、今期は支給せず、翌期の期首から定期同額給与を始める方法です。
続きを読む社内保育所を利用している従業員の子どもに対し、ハロウィンイベントとして少額のお菓子を配布した場合、当該従業員に対して給与課税(経済的利益の供与)を行う必要がありますでしょうか。
税理士からの回答
回答日:2026/10/14
原則として給与課税を行う必要はありません。
社内保育所を利用する子どもへのハロウィン菓子の配布は、社会通念上一般的な季節行事に伴う慶弔・福利厚生の一環と考えられます。金額が少額(数百円程度)であり、換金性のある金銭等ではなく現物であること、また利用対象児へ一律に提供されるものであれば「著しく多額な経済的利益」とはみなされず、福利厚生費として非課税での処理が可能と考えます。
新築建物の持分には建物本体価格のみでしょうか?付帯工事費も含めるのでしょうか? 新築購入にあたり、連帯債務でローン支払予定です。夫:妻=2:1で支払予定で、土地は2:1で登記済です。建物本体は1600万、付帯工事費1150万。夫親からの援助1000万、残り夫:妻=2:1で支払予定。 土地同様2:1で問題ないのか?建物だけ持分割合を変えるべきなのか分からず悩んでいます。変える場合は、割合を教えて頂きたいです。 夫親からの援助の話しが出た為、持分割合の計算が分からなくなりました。 助言をお願い致します。
税理士からの回答
回答日:2026/10/14
結論:建物の持分は、建物の取得に要した費用を誰がいくら負担したかに合わせるのが基本です。付帯工事費も、建物の取得に必要な部分は含めて考えます。登記の持分と実際の負担割合が大きくずれると、差額は贈与とみなされるおそれがあります。土地が2:1で登記済みなら、土地と建物を合計した負担額に合わせて、建物側で調整する考え方です。
①根拠
・他人の名義で不動産を取得した場合などは、原則として贈与として扱われます(相続税法9条、相続税法基本通達9-9)。
・夫婦の連帯債務で、夫が妻に代わって負担する借入金は、夫から妻への贈与になります。住宅ローン控除の対象となる借入金も、自分の持分の取得に充てた部分に限られます(国税庁質疑応答事例「共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算」)。
②お示しの数字での試算
前提:総額5,100万円、ローン2,600万円の内部負担は夫2:妻1、親からの1,000万円は夫への贈与として夫の出資、土地1,700万円は2:1で登記済み、解体費・外構・諸費用も含めて土地以外の3,400万円を建物側と扱う。
夫は「援助1,000+頭金1,000+ローン約1,733」で約3,733万円、妻は「頭金500+ローン約867」で約1,367万円です。土地分(夫約1,133、妻約567)を除くと、建物側は夫約2,600万円(約76%)、妻約800万円(約24%)で、ご想定の3/4:1/4〜4/5:1/5の範囲です。外構や解体費などを建物の費用に含めない整理にすると、割合は変わります。実際の支払額で確認してください。
③1,000万円の援助
夫の親からの贈与は、直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税(令和6年1月1日〜令和8年12月31日の贈与。省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円まで)の対象になる場合があります。贈与を受けた年の翌年3月15日までに資金の全額を新築等に充て、居住することなどが要件で、受贈者が家屋の共有持分を持つ必要もあります(措置法70条の2、タックスアンサー4508)。住宅の性能区分によっては非課税枠を超え、適用を受けるには贈与税の申告も必要です。
④付帯工事
太陽光設備や外構など、建物の一部か別の資産かで、住宅ローン控除の対象などの税務上の扱いが変わります。契約書の内訳で区分してください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
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