年収の壁についてお伺いしたいです。 24歳大学院生なのですが年間収入がどこまでいったら壁を越えてしまうのかがよくわかっておりません。親の扶養、社会保険料、住民税等々あると思います。諸々含めて自分が支払わなくて良い、つまり控除がされる収入の最低ラインを教えていただきたいです。 知識不足で容量を得ない質問ですが、よろしくお願いいたします。
税理士からの回答
回答日:2026/10/30
ご質問ありがとうございます。「年収の壁」は言葉だけが先に広まっていて、どの制度の話なのか分かりにくいですよね。まずは、壁がいくつかに分かれていることを整理してみます。
結論から申し上げると、「ここまでなら全部かからない」という一本の線はなく、制度ごとに別々の線があります。そのため、最低ラインを一つの数字でお答えすることはできませんが、考え方と確認先をご案内します。
① 本人にかかる所得税
アルバイトなどの給与収入から、給与所得控除と基礎控除などを差し引いた残りに税金がかかります。この控除の額は年分ごとに改正があり、令和8年分からは基礎控除や給与所得控除が見直されています。ご自身の年の見込みは、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」などでご確認いただくと安心です。
② 親御さんの税金(扶養控除)
24歳の方が親御さんの控除対象扶養親族に当たるかどうかは、お子さんご自身の合計所得金額(収入から給与所得控除などを引いた後の金額)で判断されます。この所得の線も令和8年分で見直されていますので、年分を確かめてください(国税庁タックスアンサー1180番)。お子さんが扶養から外れても、お子さんご自身に所得税がかかるとは限りません。この二つは別の話です。
③ 勤労学生控除
大学院などの学生さんで、一定の要件を満たす場合は、ご自身の所得税で勤労学生控除を受けられることがあります(タックスアンサー1175番)。通っている学校が対象かどうかも含めて、要件をご確認ください。
④ 社会保険
ここは税金とは別の基準です。親御さんの健康保険の扶養に入れるかどうかは、親御さんの加入先(健康保険組合や協会けんぽなど)が基準を決めていますので、加入先に直接お問い合わせください。また、20歳以上の学生さんは、扶養の有無にかかわらず国民年金の加入対象になりますが、学生納付特例という仕組みもあります。日本年金機構のご案内をご覧ください。
⑤ 住民税
住民税は市区町村ごとの扱いがありますので、お住まいの市区町村の税務課へご確認ください。
まとめますと、①〜⑤それぞれの線を、ご自身の年間の見込み収入に当てはめて確認していくことになります。収入が増えそうなときは、増える前に親御さんの勤務先や加入先に確認しておくと、後から慌てずに済みます。
少しでもお役に立てれば幸いです。ご不明な点があれば、またお気軽にご質問ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
2026年1月より、青色事業専従者である同居家族1名に、月額80,000円の給与を支払っています。 2026年分から青色申告を行う予定で、「青色事業専従者給与に関する届出書」は提出済みです。 これまで給与から源泉所得税を差し引かず、毎月80,000円を全額支払っていました。 また、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は受け取っておらず、源泉所得税の納付および所得税徴収高計算書の提出も行っていません。 先日、税務署から年末調整関係書類と納付書が届いたことで、これらの手続きが必要であることを知りました。 なお、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も提出していません。 今後は、家族から2026年分の扶養控除等申告書を受け取り、納期の特例を申請する予定です。 以下について、ご教示いただけますでしょうか。 1. 2026年1月から現在までの給与について、源泉所得税は乙欄で計算し、過去の各月分を納付する必要がありますか。 2. 未提出の所得税徴収高計算書は、各月分を個別に作成・提出すればよいでしょうか。 3. 過去に源泉徴収しなかった税額を事業主がいったん負担して納付する場合、家族との精算や帳簿上の処理はどのようにすればよいでしょうか。 4. 今から扶養控除等申告書を受け取った場合、今後の給与から甲欄を適用して問題ないでしょうか。また、年末調整で過去分をどのように扱えばよいでしょうか。 5. 納期の特例を今から申請した場合、いつの給与支払分から適用されるでしょうか。 税務手続きに不慣れなため、必要な対応を確認したく質問いたしました。 お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
税理士からの回答
回答日:2026/10/29
ご質問ありがとうございます。税務署から書類が届いて初めて手続きに気づかれ、どう整えればよいか不安になりますよね。ただ、気づいた時点で動かれているのは大切なことです。ご質問の番号順にご説明します。
1. 過去分の源泉所得税について
青色事業専従者に給与を払う事業主の方も、源泉徴収をする立場になります(所得税法183条)。扶養控除等申告書が出ていない間の給与は乙欄で計算する扱いです(所得税法185条)。徴収していなかった月分も、本来の税額を納める必要があります。納付が遅れた分には、不納付加算税や延滞税が関係してくる場合があります(国税通則法67条、60条)。税務署から連絡が来ているようですので、金額や納付方法は、書類を持って管轄の税務署に相談されると安心です。
2. 徴収高計算書について
給与を支払った月ごとの扱いですので、月別に作成する形が基本です。まとめ方は税務署で確認してください。
3. 精算と帳簿について
徴収し損ねた税額は、本来はご家族の給与から差し引くべきものでした。ご家族から精算していただくか、事業主が負担するかを決めることになります。事業主が負担する場合、その分が給与の上乗せとして扱われる可能性もあるため、税務署か税理士にご確認ください。どちらの場合も、経緯と金額を書面に残しておくと安心です。
4. 扶養控除等申告書と年末調整について
申告書は給与の支払を受ける日の前日までに出す決まりです(所得税法194条)。提出後に支払う給与には甲欄が適用されます。また、年末調整は、年末調整を行う日までに申告書を提出していることが対象の条件です(国税庁タックスアンサーNo.2665)。年の中途で出した場合に、過去分を含めてどう精算するかの細かい扱いは確認できていないため、税務署へご確認ください。
5. 納期の特例について
国税庁タックスアンサーNo.2505によると、申請書を提出した月の翌月に源泉徴収する分から適用されます。たとえば2月に出せば、3月以降に源泉徴収する分が対象です。それより前の月分には及びません。
まずは未納分の整理を優先され、その後に今後の運用を整えていく流れが現実的です。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
続きを読む2026年度から青色申告になった個人事業主です。 ヤフオク、メルカリで物販をしています。 社会保険上の扶養の条件が年収130万未満とのことですが、こちらの計算は売り上げから必要経費を引いたもので合ってますか? また、必要経費とは、毎月のスクール代(こちらを支払わないと仕入れができません)、仕入れ金額、送料や手数料、梱包材などの経費をいれてもいいのでしょうか。
税理士からの回答
回答日:2026/10/28
ご質問ありがとうございます。青色申告を始めた年に、物販の収入で扶養から外れないか気になりますよね。税金の「所得」と社会保険の「収入」が同じなのか、迷われるのはもっともです。
結論から申し上げると、「売上から経費を引いた金額で見る」という考え方は大枠では合っていますが、どの経費を引いてよいかは税金のルールではなく、ご家族が加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)が決めます。そのため、確定申告で認められる経費と、扶養の判定で差し引ける経費は一致しないことがあります。
① 税金(所得税)での必要経費について
所得税では、売上を得るために直接かかった費用や、事業のために通常必要な費用が必要経費になります(所得税法37条1項)。物販であれば、仕入れの金額、送料、販売手数料、梱包材は、事業との結び付きがはっきりしているので、必要経費として扱うのが通常です。
毎月のスクール代は、仕入れ先を使うための会費のように、支払わないと仕入れができないという実態があれば、事業に必要な費用として説明しやすくなります。一方で、ノウハウを学ぶための受講料という性格が強い場合は、内容を確認されることがありますので、契約内容や支払明細を残しておくと安心です。
② 社会保険の扶養の判定について
扶養に入れるかどうかの判定は、健康保険の保険者がそれぞれの基準で行います。ご質問にある130万円の線を、どの金額と比べるのかも保険者の確認事項になります。個人事業の場合、売上から差し引ける経費を、仕入れのように直接かかったものに限る保険者もあり、確定申告書の所得金額をそのまま使えるとは限りません。また、青色申告特別控除は税金の計算のための控除ですので、扶養の判定で差し引けるかどうかも、あわせて保険者に確認しておくと安心です。
③ 確認していただきたいこと
ご家族の勤務先を通じて、加入している健康保険に「個人事業の収入は、どの経費を差し引いて判定するか」を、スクール代・手数料・梱包材など項目を挙げて確認していただくと安心です。あわせて、売上と経費の内訳が分かる帳簿や、月ごとの売上の推移を出せるようにしておくと、手続きがスムーズです。
税金の経費と扶養の判定は、似ているようで別の物差しです。両方を分けて考えていただくと、安心して事業を続けられると思います。少しでもお役に立てれば幸いです。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
続きを読む2026年1月初旬に夫の海外赴任への帯同のため出国しました。(住民票はその際に海外転出となっています)日本で勤務していた勤務先とは雇用関係が継続しており、現在は休職中です。 2025年分については、職場から源泉徴収票の交付を受けています。一方で、2025年中の勤務に関連する残業代や遡及支給が、出国後の2026年1月および2月に支払われました。 このような状況において、2025年分の年末調整が適切に完了していると考えてよいか、また、出国後に支払われたこれらの給与については2026年分の所得として取り扱われ、年末調整が必要なのかどうかご教授いただきたいです。
税理士からの回答
回答日:2026/10/27
1. 2025年分の年末調整が適切に完了しているか
原則として、2025年分の年末調整は適切に完了しており、やり直しの必要はありません。
国税庁「タックスアンサー No.2509 給与所得の収入金額の収入すべき時期」(所得税基本通達36-9)において、給与等の収入すべき時期(何年分の所得になるか)は次のように定められています。
支給日が定められている給与・手当(通常の残業代など)
契約や慣習により支給日が定められているものは、「その支給日」の属する年分の給与所得となります(所基通36-9(1))。2025年12月勤務分の残業代であっても、支給日が翌年1月である場合は、2026年分の収入金額になります。
給与規程等の改訂(ベースアップ等)に伴う遡及差額
支給日が定められているときは「その支給日」、支給日が定められていないときは「改訂の効力が生じた日」の属する年分の給与所得となります(所基通36-9(3))。
したがって、今回支給された残業代や遡及分が「通常の翌月以降の支給期到来」や「給与規程改訂に基づく差額支給」である限り、これらは2026年分の収入となるため、2025年分の年末調整および交付済みの源泉徴収票に含める必要はなく、適正に完了しています。
※ 例外となるケース
国税庁質疑応答事例『過去に遡及して残業手当を支払った場合』によると、給与規程の改訂等ではなく、計算誤りや未払いなど「本来各支給日に支払うべきであった残業手当」を一括して追加支給したような場合には、本来支払われるべきであった各支給日の属する年分(2025年分)の所得となります。このケースに該当する場合のみ、会社側で2025年分の再計算(源泉徴収票の再交付等)が必要となります。
2. 出国後の給料の取扱いと2026年分の年末調整の要否
出国後に支払われた給料は2026年分の所得となりますが、年末調整の対象にはなりません(不要です)。
(1) 所得の区分と課税関係(非居住者の国内源泉所得)
非居住者の判定
1年以上の予定で配偶者の海外赴任に帯同して出国し、住民票を海外転出とした場合、出国日の翌日(または出国時)から日本の所得税法上の「非居住者」となります(国税庁「タックスアンサー No.2875 居住者と非居住者の区分」、所得税法施行令第15条)。
国内源泉所得の該当性
非居住者となった後に支払われる給料であっても、出国前の日本国内において行った勤務に対応するものは「国内源泉所得」に該当します(所得税法第161条第1項第12号イ、国税庁「タックスアンサー No.2878 国内源泉所得の範囲」)。
源泉徴収税率(20.42%)
国内勤務に基因する手当等全額を非居住者に対して支払う場合、支払の際に一律20.42%(所得税および復興特別所得税)の税率で源泉徴収が行われます(所得税法第212条、第213条、国税庁「タックスアンサー No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収」)。
(2) 年末調整が不要である理由
国税庁の各種手引(『日本における給与に係る源泉徴収制度の概要』等)に「非居住者は年末調整の対象にはなりません」と明記されています。
年末調整は「居住者」を対象として税額を精算する制度です(所得税法第190条、国税庁「タックスアンサー No.2665 年末調整の対象となる人」)。
非居住者が支払いを受ける国内源泉所得の給与については、会社側で20.42%の源泉徴収が行われることで日本での課税関係が原則として完結するため、2026年分の年末調整は行われません。
勤務先への確認事項
源泉徴収税率の確認
2026年1月・2月の支給明細において、出国後の支払分が「非居住者に対する国内源泉所得」として20.42%の税率で正しく源泉徴収されているかをご確認ください。もし居住者扱いのまま通常の税額表(甲欄等)で控除されている場合、会社側で源泉徴収の是正が必要となります。
交付書類の確認
非居住者期間に支払われた給与については、通常の年末調整済みの源泉徴収票ではなく、年末調整未済の源泉徴収票や「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞与の支払調書」が会社から交付される取り扱いとなります。
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