



当社は建設業を営んでおり、5年前に比較的大きな受注工事があったため遠方の下請け業者を紹介してもらい無事完工したのですが、その際にその下請け業者から前払金1,000万円を請求され下請け代金と相殺していく方法をとっていました。工事完成後前払金残800万円を返してもらうように請求しているのですが現在返済はありません。遠方のためなかなか会うことはできませんが電話等で連絡をとることは可能です。仮に800万円を貸倒損失処理する場合について質問です。①法基通9-6-1法律上の貸倒については、法律上の破産等はしていないため適用できそうにありません。②同9-6-2事実上の貸倒については、相手の財務内容等の把握は困難で、また連絡すると返す意思はあるとのことですが5年間1円も返済はありません。③同9-6-3形式上の貸倒については、そもそも前払金であり売掛債権ではないこと、及びひとつの現場のみの取引なので継続的ではないことで難しいのかなと思っています。 以上のことから貸倒損失は相手が法律上の破産等しないと損金経理はできないのでしょうか。
税理士からの回答
回答日:2026/10/21
相手方が法律上の破産等の申立てや法的手続きをしていない場合であっても、国税庁が定める要件を満たせば貸倒損失として損金経理することは可能です。
国税庁ホームページ(タックスアンサー No.5320「貸倒損失として処理できる場合」および法人税基本通達)に定められている各基準に基づき、今回のケース(前払金残800万円)における該当性を整理します。
1. 法人税基本通達9-6-1(法律上の貸倒れ)の適用可能性
破産手続き等の決定を受けていなくても、通達9-6-1(4)「書面による債務免除」に該当すれば、貸倒損失として損金算入が認められます。
国税庁HPの要件:
債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対して書面(内容証明郵便等)により債務免除を行ったときは、その免除額を貸倒損失とすることができます。
今回のケースにおける留意点:
相手方に「債務超過が相当期間継続し、弁済を受けることができない」実態があるかどうかが要件となります。客観的な回収不能状態がないまま安易に免除を行うと、国税庁の取扱い上、貸倒れではなく「寄附金」として認定され、損金算入限度額の計算対象となるリスクがあります。相手方の経営実態を調査・確認し、回収不能の客観的証拠を残したうえで書面による免除を行う必要があります。
2. 法人税基本通達9-6-2(事実上の貸倒れ)の適用可能性
法的な整理や書面免除を行わなくても、回収不能であることが客観的に明らかであれば、損金経理により貸倒損失として処理できます。
国税庁HPの要件:
債務者の資産状況、支払能力等からみてその金銭債権の全額が回収できないことが明らかになった場合、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理した金額は損金算入されます(担保物があるときはその処分後)。
今回のケースにおける留意点:
相手方が電話で「返す意思はある」と答えていても、客観的に資産や支払能力が皆無で5年間弁済がない場合、実質的に全額回収不能と判断できる余地があります。ただし、税務調査において「全額が回収不能であったこと」を立証する責任は会社側にあります。督促の履歴、電話記録、相手方の財務状況や現地調査の記録など、「回収努力を尽くしたが回収できる資産が一切ない」ことを裏付ける書類の整備が不可欠です。なお、一部でも回収できる見込みがある段階では損金経理は認められません。
3. 法人税基本通達9-6-3(形式上の貸倒れ)の適用について
ご認識のとおり、本通達の適用は困難です。
国税庁HPの要件:
対象となる債権は「売掛債権」(売買等により生じた売掛金や受取手形などの営業債権)に限定されています。
今回のケースにおける留意点:
未返還の前払金は売掛債権に該当せず、また単発工事の取引であるため「継続的取引の停止後1年以上経過」という要件にもなじみません。したがって、9-6-3を根拠とした1円備忘価額での貸倒処理は適用できません。
未回収債権の貸倒処理は、税務調査でも特に厳格に確認される論点のひとつです。「相手の状況をどう証明すればよいかわからない」「寄附金とみなされないか心配」など、不安な点がございましたら、いつでもお気軽に当社へご相談ください。状況のヒアリングから必要書類の整理まで、親身になってお手伝いいたします。
役員報酬支払を控除を差し引かず振込してしまっています(期の途中でフリー導入、フリー人事上は控除されている計算で会計連携)。期が8月末のため、数字修正がフリー上でできない?と思われます。役員が支払わなければいけない(会社から借りている状態)控除分をどのように登録すればよいですか?また、今期決算申告するうえでどのようにしたらよいでしょうか? 現時点で預り金がマイナスになっておりますが、おそらく源泉徴収税や社保等の関連だと思われます。これまで個人事業主、法人は2025年9月設立です。お手数ですが、宜しくお願いいたします。
税理士からの回答
回答日:2026/10/20
こんばんは、税理士の川島です。
>役員報酬支払を控除を差し引かず振込してしまっています
→ということは、
役員報酬 / 未払金又は現金預金
となっていると思います。
実際は、
役員報酬 / 預り金(源泉所得税)
/ 預り金(社会保険)又は法定福利費
/ 未払金又は現金預金
となりますので、
各月にて、
役員貸付金 / 預り金(源泉所得税)
役員貸付金 / 預り金(社会保険)又は法定福利費
の仕訳が必要です。
※1貸方の法定福利費は、厚生労働省の社会保険料を、会社負担分と個人負担分に分けていない場合に上記の下の仕訳になります。
※2役員借入金がある場合には、借方は変更して下さい。
※3決算で役員貸付金が多い場合には認定利息の計上が必要です。詳しくは顧問税理士の先生にご相談下さい。
お世話になります。 freeeを使用して自社で経理・決算書を作成しております。(一人法人) 融資審査の過程で資本金の不一致が発覚しました。ご確認をお願いしたく、ご質問させていただきます。 【状況】 登記簿上の資本金:1,000,000円 freee決算書上の資本金:1,180,000円 【原因】 固定資産台帳にパソコン(18万円)を登録した際、仕訳の相手科目が誤って「資本金」になっていたと思われます。そのため、こちらも資本金に計上されてしまいました。 【ご質問】 ①この場合、freeeで仕訳を修正して決算書の資本金を1,000,000円に直すことは可能でしょうか。 ②修正した場合、すでに提出済みの法人税申告書(2024年度・2025年度)への影響はありますか。(いずれも赤字決算のため納税金額は変更ないと考えます。) ③決算書の修正と登記変更、どちらで対応すべきでしょうか。 ④融資審査中のため早急な対応が必要です。修正する場合の手順と注意点を教えてください。 何卒よろしくお願いいたします。
税理士からの回答
回答日:2026/10/17
①
freeeで仕訳を直し、決算書の資本金を1,000,000円に戻すことはできます。
資本金は登記簿の金額と一致している必要があるため、誤っている帳簿を直すのが正しい対応です。
代表者個人のお金でパソコンを買った場合、会社が代表者からお金を借りたことになります。
その場合、資本金としていた180,000円は「役員借入金」に振り替えます。
会社の口座から払っていた場合は、実際に支払った口座の科目(普通預金など)に振り替えます。
②
法人税の所得金額は変わらないため、2024年度・2025年度の修正申告は不要と考えます。
資本金と役員借入金の振替は損益に影響しない仕訳だからです。
パソコンを固定資産として正しく減価償却していれば、所得計算もそのままです。
法人税法では、資本金等の額は株主から出資を受けた金額とされ、登記上の資本金が基準になります。
帳簿に出資の実態がない180,000円が上乗せされていても、税務上の資本金等の額は1,000,000円のままです。
法人住民税の均等割もこの資本金等の額で決まるため、納税額は変わりません。
申告書の別表五(一)の資本金欄に1,180,000円と書いていた場合は、次回の申告で正しい金額に直してください。
ただし、代表者がパソコンを会社に無償で譲ったと扱う場合は、受贈益として所得が増えます。
③
決算書の修正で対応してください。
誤っているのは帳簿で、登記は正しい金額です。
登記を1,180,000円に変えるには実際の増資手続きが必要なため、記帳ミスの修正のために行うものではありません。
④
進め方は次のとおりです。
① 領収書や通帳で、パソコン代を誰がどこから払ったかを確かめる
② 申告済みの年度は数字を変えず、当期に「資本金 180,000円/役員借入金(または普通預金)180,000円」の振替仕訳を入れる
③ 修正後の試算表と、誤りの原因と修正内容を書いた簡単な説明書を金融機関に出す
提出済みの決算書を書き換えると、税務署に出した申告書と数字が合わなくなります。
そのため、当期に振替仕訳を入れて直す方法が分かりやすいでしょう。
法人の在庫を役員に卸売する場合の価格について 法人が保有する在庫を役員に卸売り販売する場合、役員が自家消費ではなく販売目的で購入するときは、所得税基本通達36-23の値引販売に関する非課税要件を満たしません。同通達の要件(3)は、値引販売する数量が、一般の消費者が自己の家事のために通常消費する程度であることを求めており、転売する目的での購入はこれに当たらないためです。 「取得価額以上、かつ通常販売価額の70%以上であれば非課税」という目安もそのままは使えません。 消費税法基本通達10-1-2では、棚卸資産を役員に譲渡する場合、仕入価額以上かつ通常販売価額のおおむね50%以上であれば「著しく低い価額」に該当しないとされています。ただし、これは法人の消費税の課税標準を判定する基準であります。 卸売価格はどうしたらいいですか?
税理士からの回答
回答日:2026/10/17
>卸売価格はどうしたらいいですか?
法人が第三者の取引先に卸している価格(通常の卸売価格)と同じ価格にするのが妥当と考えます。
役員が転売目的で買う場合、所得税基本通達の値引販売の非課税の取扱いは使えません。
そのため、時価より安く売った分は、すべて役員への経済的利益として扱われます。
この経済的利益は、法人税法により役員給与に含まれます。
定期同額給与などには当たらないため、法人では損金になりません。
役員側では給与所得として課税され、法人には源泉徴収の義務が生じます。
この取引は商売としての卸売なので、比べる時価は小売価格ではなく、同じ条件の第三者への卸売価格です。
数量や支払条件が同じであれば、他の卸先と同じ価格にしておけば経済的利益は生じません。
消費税法基本通達の「仕入価額以上かつおおむね50%以上」は、消費税を時価で課税するかどうかの基準にすぎません。
この基準を満たしても、所得税や法人税で役員給与とされない保証にはなりません。
第三者への卸売の実績がない場合は、同業者の卸売価格などを参考に、説明できる価格を決めておく必要があるでしょう。
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