「税理士に頼めば節税できる」とよく言われます。
ただ、実際の効き目は事業規模や業種、所得の中身でかなり違うはず、と感じている方は多いはずです。
実務でも、節税の効果は「効くときは大きく効くが、見合わないケースも確かにある」というのが現実です。
ネット上には「税理士に任せれば節税効果◯◯万円」という見出しも見かけますが、前提条件は記事ごとにばらつきがあり、そのまま自分の状況に当てはめることは難しい場合があります。
本記事では、税理士の節税効果について、効くケース・効きにくいケースの線引き、実際に使われる合法的な節税策の中身、節税に強い税理士を見極める質問例まで、通しで整理しました。
「節税」を切り口に税理士を頼むか・見直すかを判断したい方の材料になれば幸いです。
※掲載されている情報は、2026年8月時点の情報です。法律や税制など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
「自分の規模・業種で税理士に依頼したら節税効果がどれくらい出るのか、正直なところを知りたい」「節税に強い税理士を中立の立場で紹介してほしい」という方は、freee税理士検索のfreee税理士コーディネーターへの無料相談もご活用いただけます。事業状況をうかがったうえで、節税余地の目安と、ご希望に合う税理士をご提案します(相談料・紹介料はかかりません)。
先に結論を書いておきます。
税理士に依頼すれば節税できるか、という問いに「はい」「いいえ」だけで答えるのは無理があります。
なぜなら、事業の中身次第で、税理士に頼んだときの節税効果は大きく変わるからです。
「税理士に頼めば必ず節税できる」という言い方も、「税理士は節税にあまり役に立たない」という言い方も、どちらも一面的です。実際の効き目は、依頼する人の事業がどんな状況に置かれているかで決まります。
税理士の節税効果は、おおむね次の3要素の掛け合わせで決まります。
3要素のうち、年商だけで「税理士に頼むかどうか」を判断しがちですが、実際にはこの3つの掛け合わせで見るほうが現実に近いです。
たとえば年商800万円でも、研究開発活動を行っている事業者や、近く法人化を予定している方は、節税余地がぐっと広がります。
会計ソフトと書籍さえあれば、ある程度の節税は自力でも可能です。
青色申告特別控除(最大65万円)、基礎控除、配偶者控除、ふるさと納税、小規模企業共済、iDeCoあたりまでは、調べれば自力でも届きます。
ただし、これらを「事業の状況に合わせて複数組み合わせる」と、多角的な検討が求められるフェーズです。
「iDeCoと小規模企業共済のどちらを優先するか」「経営セーフティ共済の損金算入は今期がいいのか来期がいいのか」「役員報酬を3万円上げると社会保険料はいくら増えるのか」といった具体の判断は、専門家に入ってもらうと精度が上がります。
「節税策を1つ知っている」段階と、「複数の節税策を事業状況に合わせて組み合わせる」段階のあいだには、大きな違いがあります。
税理士の節税効果は、この距離を埋める部分で発生する、と捉えるのが現実に近いです。
税理士に入ってもらって節税効果が出やすいケースと、出にくいケースを具体的に見ていきます。
ケース1: 年商・所得1,000万円〜2,000万円の個人事業主
この年商・所得帯は、所得税の累進課税が効き始める層と重なります。
課税所得330万円超で税率20%、695万円超で税率23%、900万円超で33%と段階的に上がるため、所得を圧縮した分がそのまま納税額の減少につながりやすい状況です(出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)。
また、消費税の課税事業者ライン(売上1,000万円)に乗ることで、消費税の課税方式(原則課税/簡易課税/インボイス制度の2割特例)の選択も考える必要が出てきます。
2割特例終了後は、個人事業主を対象として3割特例が適用され、令和9年分(2027年分)および令和10年分(2028年分)の2年間、納付税額を売上税額の3割に抑えることができます。
さらに、法人化判定や所得控除の組み合わせなど、判断することが一気に増える層でもあります。税理士に頼む価値が分かりやすく出やすい層です。
ケース2: 小規模法人(一人社長〜従業員10名以下)
法人になると、節税の選択肢が広がります。代表例は役員報酬の決め方です。
法人税と所得税・住民税・社会保険料のトータルでいくらが一番得かを考えるため、試算の精度が結果に直結します。
家族役員を入れた所得分散、退職金、決算賞与、経営セーフティ共済の損金算入など、法人特有の選択肢も加わります。
役員報酬は原則として期中の変更が認められません(定期同額給与のルール)。
期首の設計を誤ると、その期は修正がきかないことが多いため、税理士に入ってもらう価値が大きい部分です。
ケース3: 業種特有の特例が使える事業者
業種によっては、節税効果の大きい特例制度が用意されています。
業種特有の特例は、適用要件や添付書類が複雑で、年度ごとに改正もあります。
「業種に強い税理士」に入ってもらうと、適用漏れを防げる場面が多くなります。
ケース4: 法人化・事業承継・出口戦略を控えている事業者
節税効果が最も大きく出やすいのは、「節目」のタイミングです。
法人化、事業承継、M&Aによる出口、廃業時の税務対応など、複数年にまたがる準備が必要な場面では、事前準備をどれだけしたかで実現できる節税幅が変わります。
たとえば法人化のタイミングを1年ずらすだけで、消費税の免税期間の使い方や、設立後の役員報酬の決め方の自由度が変わってきます。
こうした複数年の準備は、専門家の試算が特に活きる部分です。
ケース1: 年商500万円以下・所得が低い
所得税の累進税率が低い年商帯では、節税余地そのものが小さくなります。
課税所得195万円以下なら税率5%、195万円超〜330万円なら10%。所得を10万円圧縮しても節税額は5,000円〜1万円程度です。
この帯で月額1〜1.5万円の顧問契約を結ぶと、顧問料が節税効果を上回るケースが珍しくありません。
「節税目的だけ」で考えるなら、顧問契約を急ぐ必要はないことが多い層です。
ただし、確定申告のスポット依頼や、申告作業の手間を減らす・申告の正確性を上げるといった別の価値を求めるなら、税理士に頼む意味はあります。
ケース2: 給与所得が中心(副業所得が小さい副業会社員)
会社員の方が副業を始めたばかりで、副業所得が年100万円未満の段階では、節税の幅は限られます。
副業所得が雑所得扱いの場合、損益通算や青色申告特別控除が使えません。
事業所得として認められれば選択肢は広がりますが、判定の基準があり、副業の規模・継続性・事業性などが問われます(出典:国税庁「『業務に係る雑所得』の例示等」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/220609/index.htm)。
事業所得への切り替えが視野に入ったタイミングで、スポット相談を使うところから始めるのが現実的な進め方です。
ケース3: 既に自力で節税策をやり尽くしている
青色申告特別控除を満額取り、iDeCoも小規模企業共済も上限まで積み立て、ふるさと納税も限度額まで使っている。
こうした層は、自力で届く節税の上限に近いところまで来ています。
残る選択肢は、法人化の検討、業種特有の特例の見直し、経営セーフティ共済の活用といったところに絞られてきます。
この段階では、税理士に頼む意味は節税以外(申告の正確性、税務調査の対応、経営の相手役)に移っていることが多くなります。
節税効果だけを期待して顧問契約を結ぶと、「思ったほど提案が出てこない」と感じる原因にもなります。
月額顧問料3万円×12ヶ月+決算料15万円で年間51万円。(一例です)
この費用を節税効果が上回らないと、節税目的だけで考えれば赤字になります。
所得税・住民税の合計税率が30%帯(課税所得330万〜695万円)に該当する場合、年間170万円程度の所得圧縮ができるかどうかが目安です。
もちろん、税理士の価値は節税だけではありません。申告の正確性、税務調査での立ち合い、経営判断について相談できる相手がいること、融資・補助金のサポートなど、他の価値もあわせて見るのが普通です。
とはいえ、「節税効果だけで顧問料が回収できる前提」で契約を始めると、想定とのずれが出やすい点は、契約前に知っておいて損はありません。
税理士が実際の現場で使う代表的な節税策を9つ取り上げます。
個人事業主向けに4つ、法人向けに5つに分けて整理しました。
なお、各節税策に併記する「効果の目安」は、業界の相場と実務感覚をもとにした一般的な数値です。
事業の中身によって変わりますので、実際の節税額は税理士に試算してもらって確認してください。
節税策1:青色申告特別控除は2027年分以降、要件を満たす場合に最大75万円へ
青色申告特別控除は、e-Taxでの提出または優良な電子帳簿保存の要件を満たすことで、最大65万円の所得控除が受けられる制度です。
複式簿記での記帳や貸借対照表・損益計算書の作成が前提となるため、税理士に頼むか、クラウド会計ソフトを使って自社で記帳を行うのが現実的です。(出典:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」)
最新の要件・金額は国税庁の公式情報でご確認ください。
節税策2: 小規模企業共済
中小企業基盤整備機構が運営する、個人事業主・小規模法人役員向けの退職金制度です。
掛金を上限の月7万円(年84万円)まで積み立てると、課税所得が年84万円圧縮されます。
所得税・住民税の合計税率が30%なら、年25万円程度の税負担軽減になる計算です(出典:中小企業基盤整備機構「小規模企業共済」https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/)。
注意点として、これは「節税」というより「課税の繰り延べ」に近い性質を持ちます。
受取時には退職所得や雑所得として課税されるため、受け取るときの課税までセットで考える必要があります。
節税策3: 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
取引先の倒産時に無担保・無保証で借入できる共済制度ですが、節税の場面でも使われます。
解約手当金は受け取るときに全額が課税されるため、法人は「退職金の支給」や「大きな設備投資(赤字計上)」のタイミングと合わせて相殺するのが基本です。
個人事業主の場合は、一時所得のような特別控除の枠はないため、売上が著しく減少する年や、廃業する年に合わせて解約をぶつけなければ、翌年の税金や国民健康保険料が大増税されるため注意が必要です。
また、2024年10月1日以降の解約から「再加入時の経費化2年制限」という厳しいペナルティ措置が導入されています。
共済契約を解約した日から2年以内に再度加入し直した場合、再加入後2年間は掛金を一切経費(損金)に落とせなくなりました。
かつて定番だった「利益が出たから一度解約して、すぐに再加入してまた経費にする」という回し飲みスキームは完全に封じられたため、現在は一度満額まで貯めたら解約せず「お守り」として維持するのが基本戦略となります。
節税策4: iDeCo(個人型確定拠出年金)
公的年金に上乗せする私的年金制度です。会社員等に比べて厚生年金がない個人事業主は、掛金の上限が大きく設定されているのが特徴です。
掛金上限まで積み立て、合計税率30%帯の方なら、年24万円程度の税負担軽減になる計算です(出典:iDeCo公式サイト)。
なお、iDeCoは60歳まで原則引き出せません。事業の運転資金として使えるお金ではないため、現金として手元に置く分とのバランスも考えて配分を決める必要があります。
節税策5: 役員報酬の決め方
法人の節税で最も基本かつ重要なテーマです。役員報酬を上げれば法人税は下がりますが、個人の所得税・住民税・社会保険料は上がります。
トータルでいくらが一番得かを考えるところがポイントです。
役員報酬の最適額は、家族構成、社会保険料の負担、配偶者控除や扶養控除の使い方によって変わります。
試算の精度が税理士の腕の差として表れやすい部分です(出典:国税庁「No.5211 役員に対する給与」)。
節税策6: 経営セーフティ共済の損金算入(法人版)
節税策3の法人版です。法人でも掛金を全額損金算入できるため、利益が出た期に積み立てを増やし、赤字が見込まれる期や退職金支給のタイミングで解約する、という組み合わせが現場でよく使われます。
ポイントは、いつ・どう解約するかです。解約手当金がそのまま益金になるため、解約のタイミングを誤ると当期利益が膨らみ、結果的に税負担が重くなる可能性があります。
退職金支給と組み合わせるなど、税理士と相談して解約のタイミングを決めるのが基本です。
節税策7: 決算賞与の支給
期末に従業員へ賞与を支給することで、当期の損金にできる方法です。要件は次の3点です(出典:国税庁「No.5350 使用人賞与の損金算入時期」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5350.htm)。
3要件のうち1つでも欠けると当期の損金にならないため、実務的な手続きに税理士の手を借りる価値があります。
利益が想定より大きく出た期の年度末対策として現場でよく使われます。
節税策8: 中小企業向け設備投資減税
中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制など、設備投資に対する特別償却や税額控除の制度が複数あります。
設備投資をする「前の段階」で税理士に相談すると、優遇税制を使えるかどうかを踏まえた正確な投資判断ができます(出典:中小企業庁「中小企業税制」)。
節税策9: 退職金と小規模企業共済の組み合わせ(法人代表者向け)
法人代表者でも、要件を満たせば小規模企業共済に加入できます。
退職時には退職金として受け取れるため、退職所得控除を活かすことで、現役期の所得分散と老後資金準備を同時に進められます。
退職所得控除は、勤続年数20年までは年40万円、20年超は年70万円ずつ加算されるため、長期で積み立てるほど受取時の税負担が軽くなるしくみです(出典:中小企業基盤整備機構「小規模企業共済 加入資格」https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/qualification/)。
ここまで紹介した9つの節税策には、共通して押さえておきたい注意点があります。
節税策の選び方・組み合わせ方は、事業の中身によって正解が変わります。
「自分のケースでどう組み合わせるべきか」を知りたい段階で、税理士やコーディネーターに相談する方が早道です。
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年商レンジ・タイプ別の節税効果と、税理士費用の目安を並べてみます。
なお、これらの数値は業界の相場と実務感覚をもとにした一般的な目安で、個別の事業の中身によって大きく変わります。
「絶対◯円節税できる」と言い切ることはできません。実際の節税余地は税理士に試算してもらって確認するのが基本です。
| 年商レンジ | 自力で届く節税 | 税理士に頼んで広がる余地(年) | 顧問料の目安(年) |
|---|---|---|---|
| 〜500万円 | ・青色申告特別控除65万円 ・iDeCo ・小規模企業共済 |
大きな上乗せは限定的 | 12〜18万円(一例) |
| 500〜1,000万円 | 上記+経費計上の精緻化 | 共済組み合わせ 消費税対応で年5〜15万円程度 |
18〜30万円(一例) |
| 1,000〜2,000万円 | 上記+消費税の課税方式選択 | 法人化判定、所得控除組み合わせで年15〜40万円程度 | 30〜48万円(一例) |
| 2,000万円〜 | 自力では限界が見えてくる | 法人化、節税策の複合で年50万円〜の余地 | 法人化検討の段階 |
年商500万円以下のレンジでは、節税目的だけで顧問契約を結ぶと費用倒れになりやすいというケースが少なくありません。
確定申告のスポット依頼から始めて、年商の伸びに応じて段階的に契約を見直すやり方が無理のない選び方になります。
| 規模 | 主な節税余地 | 顧問料の目安(年) |
|---|---|---|
| 一人社長(売上1,000万円前後) | ・役員報酬の決め方 ・小規模企業共済 ・経営セーフティ共済 |
24〜48万円(一例) |
| 売上3,000万円規模 | ・役員報酬 ・退職金準備 ・倒産防止共済 |
36〜60万円(一例) |
| 売上1億円規模 | ・設備投資減税 ・組織再編検討 ・グループ法人税制 |
60〜120万円(一例) |
法人は個人事業主に比べて節税の選択肢が広く、税理士に頼む価値が出やすい層です。一方で、申告の複雑さも上がるため、顧問契約が現実的な選択肢になることが多くなります。
表を見て、節税効果が顧問料に近い、あるいは下回ると感じた方もいるかもしれません。ただ、税理士の価値は節税効果だけで測れるものではありません。
申告の正確性、税務調査での立ち会い、経営判断について相談できる相手がいること、融資・補助金のサポート、月次の試算表をもとにした数字の読み解きなど、節税以外の価値もあわせて見るのが妥当です。
逆に「節税効果>顧問料」が成立するなら、税理士費用は実質的に元が取れる支出になります。
自分のケースで損益分岐点を超えそうかどうか、税理士やコーディネーターと一緒にざっと試算してみるとよいでしょう。
「税理士に頼めば節税できる」と言われがちですが、実際には、税理士によって節税提案の腕や姿勢に差があります。
月額顧問契約を結んでも、節税の話題がほとんど出ない税理士もいれば、年間通じて積極的に提案してくれる税理士もいます。
初回面談や問い合わせの段階で税理士の節税の腕を見極めるには、こちらから具体的な質問を投げる方法が有効です。現場で実際に使える5つの質問例を紹介します。
「私の事業規模・業種で、自力ですでに使えている節税策のほかに、税理士に頼んで広がる選択肢の代表例を3つ挙げるとしたら何でしょうか」
知っている節税策の幅と、事業に即した提案ができるかを見るための質問です。
初回面談で「役員報酬と共済くらいですかね」と一般論で止まる税理士よりも、自分の業種・規模に応じた具体的な節税策の名前と、それぞれの効果の目安を語れる税理士のほうが、引き出しは広い傾向があります。
「役員報酬の決め方はどんな手順で進めますか。直近の改定の例や、典型的な試算資料を見せていただくことはできますか」
法人化を検討中の方や、すでに法人を運営している方向けの質問です。
役員報酬の決め方は、法人税・所得税・住民税・社会保険料のトータルでいくらが一番得かを考えるところがポイントです。手順を言葉にして説明でき、試算資料を見せてもらえる税理士は、実務の精度が高いと判断しやすくなります。
「節税策を提案するとき、課税の繰り延べと節税本体をどう区別して説明されていますか」
少し踏み込んだ質問ですが、税理士の誠実さを見るのに有効です。
小規模企業共済も経営セーフティ共済も、本当のところは「課税の繰り延べ」に近い性質を持ちます。受取時には課税されるため、受け取るときの設計までセットで考える必要があります。
この区別を曖昧にして「節税効果◯◯万円」とだけ語る税理士よりも、繰り延べと節税本体を分けて説明できる税理士のほうが、長く付き合っても信頼できます。
「節税策のうち、否認や調査のリスクがあるものはありますか。境界線はどう判断されていますか」
これも踏み込んだ質問ですが、「絶対安全です」とだけ答える税理士は注意が必要です。
実務上、グレーな節税策は確かにあります。
リスクを開示しつつ、判断の基準を語れる税理士のほうが、後々の追徴課税のリスクを避けやすくなります。
脱税相談に応じる税理士は税理士法違反になりますが、グレーな提案を強く勧めてくる税理士も、依頼者側にリスクが及ぶ点で注意が必要です。
「月次面談で、節税の話題はどれくらいの頻度で出ますか。期末以外のタイミングでも提案いただけますか」
申告期や決算前にしか節税の話を出さない税理士もいれば、月次の試算表をもとに四半期ごとに節税提案をしてくれる税理士もいます。
「年度の早い段階」での節税は、選択肢が広い分、効果も大きくなります。月次面談で節税が定期的に議題に上がる関係性のほうが、結果的に節税効果は大きくなる傾向です。
5つすべてに完璧に答えられる必要はありません。
業種や顧問先のタイプによっては、知らない部分があって自然です。
むしろ「専門外なので確認します」「私の経験ではここまでです」と正直に答えてくれる税理士のほうが、十分な確認をせず断定的な説明をする税理士よりも、長く付き合うときに信頼できます。
5問は完答テストではなく、税理士の姿勢と引き出しを観察するための問いと捉えてください。
節税の話を進めるうえで、避けて通れないのが「合法的な節税」と「違法な脱税」の境界の問題です。
実務上、税負担を減らす行為は次の3つに分けられます。
本記事で紹介した節税策はすべて「節税」の範囲に収まるものです。
一方、節税と租税回避の境界は事案ごとに判断されるため、税理士に入ってもらってリスクを管理しながら進めるのが安全です。
税理士法には、税理士が脱税の相談に応じることを禁ずる規定があります。
違反した税理士は、税理士法に基づく懲戒処分(業務停止や業務禁止など)の対象になります(出典:e-Gov法令検索「税理士法」)。
冷静な税理士は、節税効果を「◯%保証」「◯◯円確実」と言い切ることはありません。事業の中身や税制によって結果が変わるためです。
「絶対節税できる」「◯%保証」を前面に出す税理士や紹介サイトは、不当な勧誘の可能性があります。依頼者側にも、後で修正申告や追徴課税、重加算税のリスクが及びかねないため、慎重に判断するのが安全です。
最後に、節税提案を受けるときに依頼者側が確認しておきたい点を3つ挙げます。
特に大きな金額が動く手法(不動産購入による節税、複雑な組織再編、海外法人を絡めた手法など)は、複数の専門家の見解を取るのが基本です。
最後に、税理士に依頼するときに節税効果を引き出すための実務的なコツを3つ取り上げます。
節税の効き目は、相談するタイミングに大きく左右されます。期末の1ヶ月前に「節税策はありますか」と聞いても、使える手は限られます。
第1四半期・第2四半期のうちに、税理士と「今期はどう節税していくか」をすり合わせておくのが理想です。
「今期はこの節税策を使う」「設備投資はこの月までに」「決算賞与をどうするかは◯月の試算表を見て判断する」と段取りが早く固まるほど、実行できる節税策は増えます。
月次面談を試算表の確認だけで終わらせず、節税の進捗や残課題を毎月の議題に入れるやり方をおすすめします。
「次回までに検討してほしい節税のテーマを1つ挙げてください」と毎月聞くだけでも、税理士側の意識が変わります。
月次の関係を「報告」から「相談」に切り替えると、節税提案の頻度と質が上がります。
freee会計などのクラウド会計ソフトを税理士と共有しておくと、リアルタイムで損益・残高・納税予測が見られます。これは節税の判断スピードを大きく上げます。
たとえば「設備投資のタイミングをいつにするか」「決算賞与を支給するか」を判断する場面で、最新の数字をすぐに見られる体制があると、判断が速く正確になります。
クラウド会計を活用すると、より迅速に試算表を確認しやすくなります。
クラウド会計対応・freee会計対応の税理士を選ぶこと自体が、節税効果を引き出す選択でもあります。
ここまで、税理士の節税効果について、効くケースと効かないケース、実際の現場で使われる合法的な節税策、見極めの質問例、合法と違法の境界、うまく使うコツまでを整理してきました。
要点を振り返ります。
「税理士に頼めば節税できる」という単純化された言葉を真に受けず、自分のケースで効くかどうかを冷静に見極める姿勢が、結果的に納得感のある選択につながります。
freee税理士検索では、節税対応や業種特化など、ご希望条件で税理士を絞り込んでお探しいただけます。「自分の事業に合う節税余地と、税理士の見立てを、中立の立場で知りたい」という方は、freee税理士コーディネーターへの無料相談もご活用ください。事業内容をうかがったうえで、節税に強い税理士をご紹介します(相談料・紹介料はかかりません)。