「個人事業主に税理士はいらないのでは」と感じる方は、年々増えています。
今やクラウド会計ソフトで確定申告のハードルは下がり、国税庁や税務署の無料相談も使えます。
ネットには税務情報が溢れ、月数万円の顧問料を払う価値があるのか、迷うのは自然な感覚です。
本記事は、特に税理士への依頼を勧めるための記事ではありません。
実際、税理士が「いらない方」と「依頼を検討すべき方」は、はっきり分かれます。
両方の立場を整理したうえで、ご自身の状況に当てはめて判断できる材料を、今回は解説していきます。
具体的には、4つの「いらないケース」、6つの「依頼を検討すべきケース」、境界線の見極め方、費用相場、2026年以降の最新税制動向です。
また、「税理士に頼むか・頼まないか」の二択で迷ったときには、「freee税理士コーディネーターに無料で相談する」という第3の選択肢も使えます。
※掲載されている情報は、2026年8月時点の情報です。法律や税制など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。
自分の状況で本当に税理士が必要か、即断しにくいと感じる方も多いはずです。年商・業種・取引内容を整理しながら「今のあなたに本当に税理士が必要か」を専門コーディネーターに無料で相談できます。「freee税理士検索」のコーディネーターへの無料相談では、結果的に「今は不要」というご判断でも問題ありません。まずは状況の整理からお気軽にご利用ください。
なぜ「個人事業主に税理士はいらない」という意見が広がっているのか。背景には、イメージではなく現実的な側面を反映した4つの理由があります。
最も大きな理由は、クラウド会計ソフトの機能向上です。
かつて確定申告には簿記の知識が前提でした。
ただし現在は、銀行口座やクレジットカードと連携すれば、取引が自動で取り込まれ、AIが勘定科目まで提案してくれます。
たとえば「freee会計(個人向け)」は、月額980円(年払いの場合)から利用でき、〇×形式の質問に答えるだけで青色申告書が完成する仕組みです。
電子申告(e-Tax)にも対応しており、青色申告特別控除の最大65万円控除の要件のひとつである「電子申告」にも対応可能です。(出典: freee会計公式)
税務知識がほぼなくても、画面の指示通りに進めれば確定申告まで終えられる。そんな状態が、すでに実現しているのです。
意外と知られていませんが、国税庁や税務署は個人事業主向けに無料の相談窓口を多数提供しています。
基本的な税務処理の疑問なら、これらを組み合わせるだけで多くは解決します。
仕訳の方法、青色申告と白色申告の違い、経費にできる範囲など、税務に関する情報は、ネット上に大量に転がっています。
国税庁のタックスアンサー、青色申告会、商工会議所のサイトといった信頼できる発信元も多く、自力で調べて対応できる場面は確実に増えました。
税理士に依頼すれば、当然ながら費用が発生します。
個人事業主の場合、月額1〜3万円の顧問料が一般的で、決算料を含めると年30〜50万円規模になることも珍しくありません。
費用面だけではありません。
月次の資料準備、定期的な打合せ、領収書の整理共有など、税理士とのやり取り自体にも時間が取られます。
「自分でやれば、費用も時間も両方節約できるのでは」という発想は、ごく自然に出てきます。
ここまでにあげた4つの理由は、いずれも実情に即した感覚です。
実際、状況によっては税理士をつけずに確定申告まで自力で完結できる方も多くいらっしゃいます。
次の章では、もう少し踏み込んで「税理士がいらないケース」を4つに分けて整理します。
ここでは、現時点で税理士に依頼しなくても問題なく事業を進められる可能性が高いケースを、4つに分けて整理します。
複数当てはまる方は、無理に依頼を検討する必要はないかもしれません。
年商の規模が小さく、取引数も限定的なケースです。
具体的には次のような方が該当します。
このようなケースは、月々の経理作業が少なく、確定申告もシンプルなため、クラウド会計ソフトと無料相談だけで十分対応可能な領域です。
簿記の基礎知識(簿記3級程度)があり、クラウド会計ソフトの操作にも抵抗がないケースです。
ここまで揃っていれば、ご自身で青色申告65万円控除の要件を満たした申告まで完結できる可能性が高くなります。
業種が単一で、経費のパターンも毎月ほぼ固定化しているケースです。
このようなケースも、税務処理の判断が複雑化する場面が少ないため、自分の手で対応できる範囲が広がります。
最後は、開業して間もなく、売上がまだ安定していない、または赤字のケースです。
固定費としての顧問料が重く感じられる時期は、まず事業の安定化を優先するほうが合理的なケースが多いです。
税理士への依頼は、事業が軌道に乗ってからの検討でも、遅くはありません。
以下の項目で、当てはまるものに印をつけてみてください。
| # | チェック項目 | 該当 |
|---|---|---|
| 1 | 年商が500万円以下である | □ |
| 2 | 月の取引数が30件以内 | □ |
| 3 | 経費の種類が5〜6種類程度に限定される | □ |
| 4 | 在庫を持たない業種である | □ |
| 5 | 海外取引・外貨建取引がない | □ |
| 6 | 簿記3級程度の知識がある | □ |
| 7 | クラウド会計ソフトを1年以上問題なく使えている | □ |
| 8 | 単一業種で副業や複数事業を持たない | □ |
| 9 | 固定資産(高額機器等)の購入予定がない | □ |
| 10 | 開業から2年以内、もしくは売上が安定していない | □ |
10項目のうち7個以上が該当する方は、現時点で税理士を急いで依頼する必要はないかもしれません。
クラウド会計ソフトと無料相談を組み合わせれば、ご自身で完結できる可能性が高い状態です。
ただし、当てはまる項目が3〜6個の場合は、次章の「依頼すべきケース」もあわせて確認してみてください。
ここからは、税理士の活用を検討する価値が高い6つのケースを紹介します。
当てはまる項目が多いほど、依頼の検討タイミングが近づいていると考えてください。
最も典型的な分岐点です。
基準期間(個人事業者の場合は前々年)の課税売上が1,000万円を超えると、原則として翌々年から消費税の課税事業者となります。(出典: 国税庁No.6501)
消費税の計算・申告は、所得税の申告以上に専門性が高い領域です。
本則課税と簡易課税の選択、適用税率の判定、仕入税額控除の取り扱いなど、判断ミスが起きやすい論点が多く存在します。
年商700〜800万円を超えてきたあたりから、税理士への相談を準備しておくと安心です。
インボイス(適格請求書)発行事業者の登録をしている、あるいは検討している方も、税理士活用の検討タイミングです。
個人事業主の場合、インボイス制度の「2割特例」は2026年(令和8年)分(12月31日)の申告をもって終了します。
2割特例は、インボイス登録により課税事業者となった小規模事業者の納税額を「売上税額の2割」に抑えられる負担軽減措置でした。
2割特例終了後の2027年・2028年分については、新たな激変緩和措置として「3割特例」への移行が可能になります(個人事業主限定)。
今後は、この3割特例を使うか、本則課税で対応するか、あるいは「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出して簡易課税を選ぶか、慎重な判断が必要です。
なお、税制改正により、特例から簡易課税へ移行する際の手続き期限は「その期の申告期限まで」に大幅に緩和されましたが、どの制度を選択するかで納税額が数十万円規模で変わることもあります。まさに税理士のシミュレーションと助言が活きる場面です。
事業所得に加えて、不動産所得、給与所得、雑所得などの複数の収入源がある場合、所得区分の判断、損益通算、各種控除の最適化が複雑化します。
このような場面では、ご自身で判断するとミスが起きやすく、税理士の知見が役立ちます。
経理にかける時間自体が大きな負担になっているケースです。
たとえば月10時間を経理に費やしている方が、ご自身の時給を5,000円と評価するなら、月5万円相当の時間的負担を払っていることになります。
これに対し税理士の顧問料が月3万円であれば、時間を本業に振り向けたほうが、計算上は合理的です。
「経理が苦手で精神的な負担が大きい」「申告期になると本業が止まる」という方も、依頼の検討価値があります。
事業が軌道に乗り、利益が出始めると、節税効果は大きくなります。
これらは制度を知っているだけでは活かしきれません。
ご自身の事業に合わせた選択が必要で、税理士の知見が経済的なメリットに直結する場面です。
利益水準が一定以上になると、個人事業より法人のほうが税負担を抑えられることがあります。
法人化のメリット・デメリット、最適なタイミング、法人化に伴う各種手続きの設計は、税理士の関与で精度が高まります。
「いずれは法人化したい」と考えている方は、その準備段階から税理士と関係を持っておくと、移行をスムーズに進めやすくなります。
| # | ケース | 緊急度 |
|---|---|---|
| 1 | 年商1,000万円を超える/超える見込み | 高 |
| 2 | インボイス発行事業者で2026年9月以降の対応が未整理 | 高 |
| 3 | 複数の事業・収入源がある | 中〜高 |
| 4 | 本業集中したい/経理に月10時間以上 | 中 |
| 5 | 節税対策・資金調達・補助金申請を検討中 | 中 |
| 6 | 法人化を3〜5年以内に検討 | 中 |
複数該当する方は、税理士の活用を本格的に検討するタイミングです。
上記6ケースのいずれかに当てはまる方は、税理士の活用を検討するタイミングかもしれません。とはいえ、いきなり税理士事務所に問い合わせるのは抵抗がある、という方には「freee税理士コーディネーター」への無料相談がおすすめです。「freee税理士検索」のコーディネーターが、事業内容や課題を伺ったうえで、相性の良い税理士を無料でご紹介します。freee会計と連携している税理士事務所のご提案も可能です。
「今は税理士はいらない」と判断した方でも、状況が変われば「いる側」に切り替わるタイミングは必ず訪れます。
ここでは、そのサインとなる4つの境界線を紹介します。
直接の分岐は年商1,000万円ですが、実務上は700〜800万円を超えてきた段階で準備を始めるのが望ましいとされます。
理由は次の通りです。
売上規模が大きくなくても、取引内容が複雑化したタイミングは要注意です。
これらは判断ミスが起きやすい論点で、税理士の関与によって安心感が大きく変わります。
直近では、税制改正そのものが大きな境界線になります。
なお、税制改正大綱は方針を示すものであり、最終的な制度は法案成立まで確定しません。
最新情報は国税庁の公表資料等で必ずご確認ください。
これらの改正は、ご自身の納税額や申告方法に直接影響します。
「これまで自分でやっていたが、改正後の対応が分からない」という不安が出てきたら、税理士に相談する価値があります。
事業者としての時間価値が上がってくると、経理にかけている時間的負担も相対的に大きくなります。
月10時間を経理に充てており、自身の時給価値を5,000円と評価するなら、月5万円相当の時間を経理に費やしている計算です。
これに対し、税理士の顧問料が月2〜3万円なら、税理士に依頼することで時間を本業や売上拡大に振り向けたほうが、合理的な判断だと言えます。
| 軸 | チェック項目 |
|---|---|
| 売上 | ・年商が700万円を超えてきた ・インボイス登録を検討している ・取引数が月50件を超えてきた |
| 取引 | ・固定資産(高額機器・車両等)を購入した ・在庫を持つようになった ・海外取引が始まった |
| 時間 | ・経理に月10時間以上かけている ・確定申告期に本業が止まる ・領収書の整理が追いつかない |
| 税制 | ・インボイス対応が未整理 ・2027年の青色申告改正の影響が分からない |
このチェックリストで複数当てはまる項目が出てきたら、税理士の検討タイミングが近づいています。
税理士に依頼を検討するとなったとき、最初に気になるのが費用です。
ここでは、契約形態と費用相場を整理します。
税理士との契約は、大きく「顧問契約」と「スポット契約」に分かれます。
事業が安定しており、節税相談や日常的な税務確認のニーズがあれば顧問契約がおすすめです。
まずは申告だけ任せたいならスポット契約が向いています。
各種税理士情報サイトの公開相場情報をもとに、目安をまとめました。
なお、税理士費用は事務所により異なり、業種・取引数・記帳代行の有無などで変動しますので、あくまで目安としてご参照ください。
| 契約形態 | 費用相場(目安) |
|---|---|
| 顧問契約(年商1,000万円以下) | 月額1〜3万円+決算料 月額の4〜6か月分相当 |
| 顧問契約(年商1,000〜3,000万円) | 月額1.5〜3.5万円+決算料 |
| スポット申告(白色申告) | 3〜10万円 |
| スポット申告(青色申告65万円控除・年商500万円未満) | 7〜15万円 |
| スポット申告(青色申告・年商1,000〜3,000万円) | 15〜25万円 |
| 記帳代行(月100仕訳前後) | 月額5,000〜1万円 |
(参考: 弥生公式、freee経理コンパス、PRONIアイミツ等の公開相場情報)
顧問契約の場合、年間合計で30〜50万円程度になることが多いです。
スポット契約は単価が高く感じられますが、通年の関与がない分、合計額は抑えられます。
「依頼したいが費用負担が気になる」という方は、次の工夫で費用を抑えられる可能性があります。
ここまで「いらないケース」と「いるケース」を整理してきましたが、「自分はどちらに当てはまるのか即断できない」という方も多いはずです。
そんなときに使えるのが、第3の選択肢である「freee税理士コーディネーター」への無料相談です。
freee税理士コーディネーターは、freee税理士検索が提供する無料のマッチングサービスです。専任のコーディネーターが事業内容や課題、希望条件を丁寧にヒアリングしたうえで、相性の良い税理士事務所を紹介します。
freee税理士検索には、freee社が認定した「認定アドバイザー」(freee会計に対応した税理士事務所)が約2,300事務所掲載されており(出典: freee公式)、その中からマッチングできるのが特徴です。
| 項目 | 使うべき方 | 使わなくていい方 |
|---|---|---|
| 状況 | ・自分で探す時間がない ・業種特化型を探したい ・freee会計と連携できる事務所を探したい |
・自分で十分判断できている ・既に信頼できる税理士の心当たりがある ・知人からの紹介で進めたい |
迷っている段階で、まずは状況の整理から相談する。これが最も効率的な使い方です。
「自分の状況で本当に税理士が必要か」「どんな税理士なら相性が良いか」を、freee税理士検索のコーディネーターが無料で伺います。結果的に「今はまだ不要」というご判断でも問題ありません。事業内容・希望条件をヒアリングしたうえで、freee会計連携税理士を含めた選択肢の中から、最適な事務所をご提案します。
「自分は税理士なしで進める」と判断した方が、最低限押さえておくべきポイントを5つ整理します。
これらを押さえておけば、税務リスクを大きく減らせます。
手書きやExcelでの管理は、計算ミス、データ損失、税務調査時の説明負担といったリスクが高くなります。
そこで、クラウド会計ソフト(freee会計等)を活用することで、自動仕訳、銀行口座連携、自動申告書作成といった機能が利用可能です。
電子帳簿保存法も2024年1月から本格運用に入っており、電子的に受け取った請求書・領収書のデータ保存が義務化されています。
クラウド会計ソフトを使えば、これらの要件にも対応しやすくなります。
青色申告には10万円・55万円・65万円の3段階の特別控除があります。65万円控除の適用には、次の要件が必要です。(出典: 国税庁)
これらを満たさず、紙の申告書を窓口・郵送で提出している場合、控除額は最大55万円までになります。
なお、令和8年度税制改正大綱では2027年(令和9年)分の申告から55万円控除の廃止・75万円控除の新設、紙申告は10万円控除に減額の方針が示されています。
(出典: 令和8年度税制改正大綱)
最新情報は国税庁の公表資料でご確認ください。
消費税まわりは、税制改正の影響を最も受けやすい領域です。
最低でも年に1度は次のポイントを確認しましょう。
これらを把握しておくだけでも、納税額や事務負担は大きく変わります。
判断に迷ったら、税務署の電話相談センター、国税庁チャットボット「ふたば」、確定申告期の確定申告会場での相談など、無料の窓口を活用しましょう。
基本的な内容なら、これらで多くの疑問は解消できます。
事業フェーズや税制の変化により、「いらない」が「いる」に切り替わるタイミングは必ず訪れます。
年に1度、確定申告が終わったタイミングなどで、本記事のチェックリストを使ってご自身の状況を再評価してみてください。
個人事業主にとって税理士が「いらない」か「いる」かは、年商・業種・取引内容・自身の知識・税制動向の複数要素で決まります。
一律の正解はなく、「現状の負担と将来の見通し」をもとに判断するのがよいでしょう。
ご自身の状況を本記事のチェックリストで整理してみて、「これは依頼を検討したほうがいい」と感じた場合は、freee税理士コーディネーターへの無料相談をご活用ください。
「結果的に今は不要」というご判断でも問題ありません。
事業フェーズが変わるタイミングで、改めて検討すれば十分です。
「自分の状況に税理士は必要か」を整理したい方は、freee税理士検索のコーディネーターによる無料相談をご活用ください。専任のコーディネーターが事業内容・課題を伺い、freee会計と連携した税理士事務所を含む選択肢の中から、最適な事務所を無料でご紹介します。「結果的に今は税理士不要」という結論でも問題ありません。状況の整理から、お気軽にご利用ください。
1.国税庁「No.6501 納税義務の免除」(消費税の課税事業者判定について)
2.国税庁「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要」
3.国税庁「青色申告特別控除」関連情報(確定申告書等作成コーナー)
4.令和8年度税制改正大綱(与党公表 / 2025年12月19日)
※税制改正大綱は方針であり、最終的な制度は法案成立まで確定しません。最新情報は国税庁等の公表資料でご確認ください。
5.freee会計(個人向け)公式ページ・料金プラン
6.経理コンパス(freee)「個人事業主に税理士はいらない?依頼するメリット・デメリットや費用相場を解説」(参考)
7.弥生株式会社「個人事業主に税理士はいらない?依頼すべきケースや費用相場を解説」(費用相場の参考)
※本記事の税制情報は2026年5月時点のものです。最新の税制動向は国税庁の公表資料を必ずご確認ください。